8.その他
(1)モンゴル
(イ)モンゴルの内外情勢
(a)内政・外交
ツェデンバル指導体制に変化はないものの,1月シレンデブ科学アカデミー総裁の免職を皮切りに,10月アプヒア国防相免職(両名は党中央委員会からも追放された)等閣僚33名中11名が更迭されるという近来にない人事の刷新が行われた。
83年3月1日現在93か国と外交関係を有している。ソ連との関係は引き続き緊密である。中国との関係は,国境標識再建等実務的な面において若干の改善が見られた。
(b)経済
北部農牧地帯で夏季に多雨だったため,農牧業は空前の好成績を収めた。仔家畜育成940万頭(過去最高925万3,000頭),穀物収穫55万トン(過去最高48万3,000トン)であった。工業は計画を1.8%上回る達成ぶりであった。
国民所得(ソ連式算出法による)は前年比7.4%増(計画8.2%)であった。
(ロ)我が国との関係
2月,外交関係樹立10周年が祝われた。また,6月,日本人墓地に懸案の個人別墓標の設置が完了した。
83年3月ヨンドン第一外務次官及びチョロンドルジ外務省第三局長が訪日,安倍外務大臣を表敬したほか,我が方外務省幹部と二国間関係及び国際問題に関し意見交換を行った。
82年には,カシミヤ工場関係技術研修生6名を受け入れた。また,文化交流取極に基づき引き続き語学教師,留学生の交換が行われた。
<貿易関係>(1982年,単位:百万ドル,( )内は対前年比増加率%)
(出所:大蔵省通関統計)
(2)香港
(イ)香港の内外情勢
(a)政情
香港と中国の経済関係は,広東省経済特区における活動を含めて,年々緊密化の方向にあり,人的往来の面でも,香港政府要人,財界人等の中国訪問が相次ぎ,香港,中国関係は順調に発展している。
香港の将来の問題は香港市民にとって最大関心事となっている。現在「香港の安定と繁栄の維持」を共通の目的として,中英間で話合いが行われているが,その内容は一切明らかにされていない。
(b)経済
欧米主要輸出市場の不況等のための輸出の落込み及び香港内需の大幅減により,香港経済は,極めて厳しい状態にあった。今後も香港の将来に対する不安,香港ドルの弱体化等の問題はあるが,インフレの鎮静化,不動産価格の低下,輸出の拡大の見通し等により経済市況は上向き傾向にある。
(ロ)我が国と香港との関係
在留邦人数は,短期滞在者を含めると約13,000名(10月1日現在)に達し,日系企業は818社を数える。
香港の対外貿易において,日本は極めて重要な地位を占めている。82年の対日貿易インバランスは,対外輸出の不振等による対日輸入減,毛皮製品等の対日輸出増により,多少縮小されたものの依然対日貿易の赤字構造には変わりがなく,香港側は,機会あるごとに香港製品の対日輸出拡大を要請している。
<貿易関係>(1982年,単位:百万ドル,( )内は対前年比増加率%)
(出所:大蔵省通関統計)
<民間投資>(単位:百万ドル)
(届出ベース)