7. その他
(1) モンゴル
(イ) モンゴルの内外情勢
(a) 内政・外交
5月,第18回モンゴル人民革命党大会が開催された。ツェデンバル第1書記は,同大会で書記長(名称変更)に再選され,81年も引続きツェデンバル体制に変動はなかった。
82年3月1日現在,モンゴルが外交関係を有する国は92か国である。ソ連との関係は引続き緊密であり,他方,中国との関係は最小限の実務的関係の維持にとどまっている。
(b) 経済
第7次5か年計画(81年~85年)の党指令案が第18回党大会で採択され,同案は,その後12月の人民大会議で国家計画として採択された。
計画第1年目の81年の経済は,雨量不足もあり家畜成育数で計画を達成した以外は,農牧業はおおむね不振であったが,工業は計画を超過達成した旨報ぜられた。
(ロ) 我が国とモンゴルとの関係
経済協力協定に基づき78年以来建設中であったカシミヤ・ラクダ毛加工工場は,81年夏に竣工し,モンゴル側に引き渡された。同工場がモンゴルの経済発展に寄与し,今後の両国関係の増進に貢献することが期待される。このほか,文化交流取極による文化交流等が引続き実施された。
(2) 香港
(イ) 香港の内外情勢
(a) 政情
香港と中国,特に広東省との交流提携関係は,前年に引続き増進し,香港・広東間の経済的な結びつきはますます緊密化する方向にある。
新界の租借期限問題については,中国側は,これまで種々の機会に香港側に安心感を与えようとしており,右は次第に定着しつつあるが,具体的な解決策については,これから中国が検討していく段階にあり,そう遠くない将来,英中間に交渉が持たれる可能性がある。
(b) 経済
輸出の順調な伸び及び内需の伸びに支えられ,香港経済は総体としては比較的順調に推移した。しかし,不動産価格の高騰を背景にしたインフレ傾向は,依然鎮静化しておらず,また,香港ドルの弱体化,マネーサプライの増加,中国からの入境者等の問題の香港経済に与える影響が懸念されている。
(ロ) 我が国と香港との関係
在留邦人数は,短期滞在者を含めると約9,000名(10月1日現在)に達し,日系企業数は773社を数える。
香港の対外貿易において,日本は極めて重要な地位を占めているが,対日貿易インバランスは年々拡大しており,そのため香港側は機会あるごとに香港製品の対日輸出拡大を要請している。