(7) ワルシャワ条約加盟国党・政府首脳会議発表文(仮訳)
(1980年12月5日,モスクワ)
会議には次の者が参加した。
ブルガリアージフコフ党中央委第一書記兼国家評議会議長,トドロフ党中央委政治局員兼大臣会議議長,ムラデノフ党中央委政治局員兼外務大臣,メトデイエフ党中央委員。
ハンガリー―カーダール党中央委第一書記,ジェネシュ党中央委書記,ボルバーンデイ党中央委員兼大臣会議副議長。
東独―ホネカー党中央委書記長兼国家評議会議長,シュトフ党中央委政治局員兼大臣会議議長,アクセン党中央委政治局員兼書記,ホフマン党中央委政治局員兼国防大臣,ミールケ党中央委政治局員兼国家保安大臣。
ポーランド―カニア党中央委第一書記,ピンコフスキー党中央委政治局員兼大臣会議議長,バルチコフスキー党中央委政治局員兼書記,オルショフスキー党中央委政治局員兼書記,ヤルゼルスキー党中央委政治局員兼国防大臣,チレク党中央委員兼外務大臣,ミレフスキー党中央委員兼内務大臣。
ルーマニア―チヤウシェスク党書記長兼大統領,ヴエルデツ党中央委政治執行委員兼首相,カザク党中央委政治執行委員兼書記,アンドレイ党中央委政治執行委員候補兼外務大臣。
ソ連邦―ブレジネフ党中央委書記長兼最高会議幹部会議長,チーホノフ党中央委政治局員兼大臣会議議長,スースロフ党中央委政治局員兼書記,アンドロポフ党中央委政治局員兼国家保安委員会議長,グロムイコ党中央委政治局員兼外務大臣,ウスチーノフ党中央委政治局員兼国防大臣,ルサコフ党中央委書記。
チェッコスロヴァキア―フサーク党中央委書記長兼大統領,シュトロウガル党中央委幹部会員兼首相,ビリャーク党中央委書記。
会議参加者は,最近の数カ月間における国際情勢の発展に関して意見を交換した。会議参加者は,事態の経過はワルシャワにおけるワルシャワ条約加盟国政治諮問委員会の会合(1980年5月)において提起された評価の正当性及び提案の現実性を確認するものと考える。これらの提案はヨーロッパ及び世界の他の地域において進行している過程に肯定的影響を与え,諸国民の利益に応えるものである。
社会体制を異にする諸国家間の政治的接触の活発化,最重要な国際問題に関する対話の継続,軍備競争の制限及び停止に関する効果的措置を早急に実施することを目的とした社会主義諸国及びその他の諸国の提案の国連総会における実り多い検討が満足をもって指摘された。これらすべては,緊張緩和の過程を促進するものである。
社会主義諸国は,国際情勢の健全化,平和の強化,緊張緩和政策の継続,国際協力の発展及びすべての紛争の交渉による解決のために,今後とも貢献するとの意図を表明した。会議参加者は社会体制の如何にかかわらず,独立と主権の原則に基づき全ての国との関係を発展させ,国家間の関係において武力の行使及び武力による威嚇を放棄し,国連憲章を厳格にそん重することを固く支持する。
会議参加者は,全ての進歩的,民主的,反帝国主義的勢力との協力ならびに戦争の脅威に反対し,平和政策,軍縮,まず第1に核軍縮,緊張緩和及び平等の協力を擁護する闘争におけるすべての国民の連帯の強化を支持することを強調した。
会議参加者は,米国の新政権が同一の態度を示すのであれば,米国との関係の発展に建設的に対処する用意のあることを表明した。
会議参加者は,マドリッド会議の作業が開始されたことを歓迎し,ヘルシンキ諸文書の履行及び欧州大陸の平和と緊張緩和のために新たな展望を開くであろうようなその作業の進展を支持する。
それと共に会議参加者は,世界情勢が依然緊張している旨表明した。軍備競争はより一層危険な性格を帯びてきている。世界の様々な地域において軍事的対立と緊張の火種が残っている。新たな紛争が発生している。状況は,帝国主義勢力の侵略的意図及び社会主義諸国,発展途上国,民族解放運動の立場に損害を与えようとする反動勢力の試みに対し警戒を高めることを要求している。
会議参加者はマルクス・レーニン主義,国際連帯,平等な互恵協力の基礎の下に社会主義諸国の一致団結を今後とも強化する決意を表明した。
会議において平和,安全及び国際協力に関心を有する全ての国及び民族の統一的努力は,緊張緩和が国際的発展の指導的な傾向であるとの認識を保証し得るとの確信が表明された。
会議参加者の間で参加国における社会主義及び共産主義建設に関する情報の交換が行なわれた。会議参加者は,経済及び科学技術協力の一層の発展,参加国における社会主義及び共産主義建設のために諸計画の調整及び自国民の物質的福祉の向上を支持する。
ポーランド統一労働者党の代表者は,ポーランド人民共和国における情勢の進展及び第7回ポーランド統一労働者党中央委員会総会の結果を会議参加者に通報した。会議参加者は,兄弟的ポーランドの共産党員,労働者階級,勤労者が発生した困難を克復することができ,また社会主義に沿ったポーランドの一層の発展を確保するであろうとの確信を表明した。
社会主義ポーランド,ポーランド統一労働者党及びポーランド人民は,ワルシャワ条約参加国との兄弟的連帯及び支持を強く期待できることが確認された。ポーランド統一労働者党の代表は,ポーランドがこれまでも社会主義国で,社会主義諸国の家族全体の強固な一貫であったし,現在もそうであり,また将来もそうであろう旨強調した。
社会主義諸国の党,国家活動家会議は同志的な相互理解と見解一致の状況の下で行なわれた。