8. その他

(1) モンゴル

(イ) モンゴルの内外情勢

(a) 内政・外交

ツェデンバル党第一書記を中心とする現体制に変動はなく,ソ連の対外政策を支持するとの政策も従来どおりであった。

80年10月には,スファヌボン・ラオス大統領が国賓としてモンゴルを訪れた。またグレナダとの外交関係が7月に樹立された。

(b) 経済

第6次5カ年計画最終年の80年は,農牧業が不振であった反面,工業総生産は対前年比10%増(政府発表速報)で,79年に次ぐ高水準であった。79年のモンゴルの輸出及び輸入はそれぞれ3億5,200万米ドル,4億6,000万米ドルであり(国連統計,輸入に外国借款の実行分は含まず),80年には対前年比それぞれ18.6%,10.7%増であった(政府発表速報)。

(ロ) わが国とモンゴルとの関係

10月にルブサンチュルテル国会議長が衆参両院議長の招請で訪日した。両国間の経済協力協定に基づきウランバートルに建設中のカシミヤ・ラクダ毛加工工場の建設は,夏以来段と加速された。12月には同地で初めて日本商品展示会が開かれた。このほか,わが国は研修員の受入れ,文化交流取極による文化交流を引続き行った。

<貿易関係>

(2) 香港

(イ) 香港の内外情勢

(a) 政情

中国が国内の経済建設を進めていくためには香港の経済力を利用することが必要であり,そのためには香港が現状のまま繁栄を続けることが不可欠であるとの中国側の判断から,中国,特に広東省との結びつきが深まりつつあり,この傾向は今後とも続くこととなろう。

新界の租借期限問題についても,中国側はこれまで種々の機会に香港の現状維持を希望するとの立場を明らかにし,言葉の上及び実際の行動面で安心感を与えようとしており,右は次第に定着しつつあるが,いずれかの時期に,何らかの形で中国からの明白な保証を得ることが必要となろう。

(b) 経済

香港経済は当初の予想を上回った成長を示した。不動産は相変わらず過熱気味で,特に地価,家賃の急騰は著しいものがあり,規制を求める声は強いが,政庁はこれに対し,住宅家屋を除いては傍観の立場をとっている。しかし,かかる傾向が増長することの今後の香港経済に与える影響が懸念されている。

(ロ) わが国と香港との関係

わが国と香港とは経済,貿易を中心に極めて密接な関係にあり,80年における香港の在留邦人数は約8,000名(短期滞在者を含む)に達し,日系企業数も731社を数えている。香港の貿易量で米国に次ぎ第2位を占めるわが国との貿易は,80年も香港側の入超が続いており(対前年比50%増),香港側は事態の改善を望んでいる。

<貿易関係>

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