(へ) 日本とドイツ民主共和国との外交関係設定についての外務省情報文化局発表

                                (5月15日)

 日本国政府とドイツ民主共和国政府は,各々のモスクワ駐在大使(わが方新関大使,先方ビットナー大使)を通じて,両国間の外交関係設定について,3月7日より交渉を行なつてきたが,5月15日両大使は別紙の公文に署名し,これを交換した。これにより同日より両国間には外交関係が設定された。

 日本国政府は,この機会に,ドイツ民主共和国との外交関係設定は,ドイツ民族の統一を支持する日本国政府の方針に何ら変更を加えるものではなく,また現在のベルリンの地位に影響を及ぼすことを何ら意図するものではないことを確認する。

(別紙) 日本国とドイツ民主共和国との間の外交関係設定に関する日本側書簡

(訳文)

 書簡をもつて啓上いたします。

 本使は,日本国政府に代わつて,日本国とドイツ民主共和国との間の外交関係を本日設定し,大使の資格を有する外交使節を交換するという両政府間の了解を閣下に対し確認する光栄を有します。

 本使は,また,1961年4月18日の外交関係に関するウィーン条約の規定が日本国とドイツ民主共和国との間の外交関係を規律するものであることを確認します。

 本使は,ここに設定された外交関係が国際連合憲章の目的と原則の基礎の上に発展するであろうことを確信します。

 本使は,以上を申し進めるに際し,ここに閣下に内かつて敬意を表します。

   1973年5月15日にモスクワで

                                        日本国特命全権大使

                                            新  関  欽  哉

   ドイツ民主共和国特命全権大使

       ホルスト・ビットナー 閣下

 

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