(レ) ボフスラフ・フニョウペク・チェッコスロヴァキア社会主義共和国外務大臣の訪日に際しての共同コミュニケ

                                         (昭和48年11月20日)

 フニョウペク・チェッコスロヴァキア社会主義共和国外務大臣は,日本国政府の招待により,随員と共に,1973年11月15日より,21日まで,日本国を公式訪問した。

 フニョウペク外務大臣は,田中総理大臣,河野参議院議長及び三木国務大臣に表敬訪問を行つた。

 フニョウペク外務大臣は,大平外務大臣と会談した。友好的な雰囲気の中で行なわれたこの会談において,両大臣は,日本・チェッコスロヴァキア両国間の諸問題及び両国がともに関心を有する国際問題について討議した。

 両大臣は,近年両国間関係が多くの面で進展していることに満足の意を表し,あらゆる分野における両国関係を更に発展せしめるよう互に努力することにつき意見の一致をみた。

 両大臣は,両国間における文化交流を促進するため,適当な形式の取極を作成する必要を認め,このための交渉を開始することに合意した。

 両大臣は,両国間の経済貿易関係が着実に進展しつつあることに満足の意を表すると共に,日本・チェコ経済委員会及びチェコ・日本経済委員会が果した重要な役割を高く評価し,引続き右委員会の活動を支持することを確認した。

 両国関係企業間の接触並びに両国における相互に有益な経済的協力を促進するため,チェッコスロヴァキアにおける日本企業の駐在員の地位を改善する必要があることが確認された。

 両大臣は,両国間の科学技術分野における協力を更に促進する必要を認め,その方途につき,今後両政府間で検討を行なうことに合意した。

 両大臣は,国際情勢についても有益な意見の交換を行なつた。双方は,アジア及び欧州における緊張緩和への顕著なる動きを歓迎し,かかる動きが更に進展し,世界の他の地域における諸問題の解決と緊張の除去にも好影響を及ぼすようにとの希望を表明した。

 この点に関し,双方は,国際連合の関連諸決議の即時実施により,中東における公正かつ永続的な平和が確立されるよう希望を表明した。

 両大臣は,平和維持のため国際連合が基本的に重要な役割を果していること及び国際連合の有効な機能を確保する必要があることに意見の一致をみた。

 チェッコスロヴァキア外務大臣は,日本訪問中の暖かい接遇につき感謝の意を表明し,両大臣は,フニョウペク外務大臣の今回の訪問が,両国間の友好関係と相互理解を一層増進するために大いに貢献したことにつき意見の一致をみた。

 チェッコスロヴァキア政府の名において,フニョウペク外務大臣は,田中総理大臣へのチェッコスロヴァキア訪問招請を再確認し,また大平外務大臣を招待した。右招待は,感謝の意をもつて受諾された。訪問の時期は追つて外交経路を通じて取り決められる。

 

目次へ