―その他の重要外交文書等―

 

(2)相互均衡兵力削減に関する宣言(要旨)

 

1. 5月26及び27日の両日ローマに会合したNATO軍事機構加盟国閣僚は,公正かつ永続的平和の探求において,緊張緩和を目的とする効果的政策を追求するための各国の約束を想起かつ再確認し,特に,ソ連及び東欧諸国に対し,相互均衡兵力削減の可能性の討議に参加するよう招へいしたことを想起する。

2. これまでの活動の目的は,関係諸国間の積極的な探索のために現実的な基礎を早期に準備することにあり,かくすることにより,それが成果あるべき交渉の出発点として役立ちうるかどうかを確定することにあつた。かかる探索的な討議は関係諸国が,今後決定さるべき会議の場で,適当な段階に行なわれるであろう実質交渉のため詳細にわたる準則(criteria)と目的を明らかにするのに資することとなり,また東西間に信頼を築く用意があることを示す明白な証となろう。

3. 閣僚は,特に中央地域に関連し,欧州における相互均衡兵力削減に関する探索的討議を開催するよう関係諸国を招へいする。

 かかる討議において閣僚は同盟諸国が次の諸点を考慮することに合意した。

(1)相互均衡兵力削減は同盟諸国の重大な安全保障上の利益に合致するものとし,地理的その他の考慮から生ずる差異を配慮し,いずれの側にとつても軍事的に不利になるものであつてはならない。

(2)削減は相互主義に基づいて行なわれるものとし,その範囲と時期において段階的かつ均衡のとれたものとすること。

(3)削減は外国駐留軍及び各国軍ならびに当該地域における兵器体系を含むものとする。

(4)相互均衡兵力削減に関する合意の順守を確実ならしめるため,十分な検証と管理を必要とすること。

4. 第一歩として,閣僚はイタリア外務大臣に本宣言を外交経路を通じ,中立国および非同盟諸国政府を含む,関係諸国に伝達するよう要請した。閣僚はさらに加盟国政府は通常の二国間およびその他の打診を通じ,他政府の反応を把握するよう努めることに同意した。同盟諸国はそれらの打診の結果に関連し,今後何が個別的または共同の探索にとつて有益であるかを決定しうるために,さらに協議を続ける。

 

 

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