―国連25周年記念会期―
第2節 国連25周年記念会期
10月14日より24日まで国連25周年記念会期が開かれ,18ヵ国の元首,24ヵ国の首相が出席し,計86ヵ国が一般演説を行ない,最後は「国際連合25周年記念宣言」,「第2次国際連合開発の10年のための国際開発戦略」,「国際連合憲章にしたがつた国家間の友好関係および協力に関する国際法の諸原則宣言」の文書を異議なく採択した。
一般討論においては,相当数の国が25年を経た現在憲章再検討を行なう必要があると主張したが,他方共産圏や,一部のAA諸国は,要は加盟国が憲章を遵守することであるとしてこれに反対した。また相当数の国が中共参加の必要を説いた。インドシナ問題については共産圏等が米の介入を非難し,中東問題ではアラブ諸国,共産圏,一部AA諸国がイスラエルの立場を攻撃した。このほかAA諸国は,一部西欧諸国の対南ア武器輸出,ポルトガルの植民地支配を強く批判した。共産圏諸国は独ソ条約を評価するところがあつた。
わが国からは佐藤総理大臣が出席し,(イ)国際緊張の大きな要因となつている分裂国家問題の解決のために武力を行使することは絶対に避けねばならない,(ロ)北方領土問題は早期に日―ソ間で最終的解決をはかりたい,(ハ)わが国は国力の大きな部分を軍事にさく意図は毛頭ない,(ニ)人間環境については国際協力等により改善をはかつていきたい旨演説した。(付属参照)