―その他―
第11節 そ の 他
1.特許協力条約(PCT)
わが国は,1970年5月25日から6月19日まで,ワシントンで開催された特許協力条約外交会議に参加し,これに批准を条件として署名した。本条約,特許出願に係る国際出願,国際サーチ(調査),国際公開,国際予備審査等の国際協力を目的とするものであり,わが国は,本条約に加盟することにより,国際特許の出願が容易となる一方,海外の特許情報が容易に入手されることが期待される。
わが国は,1971年3月15日から,同24日まで,ストラスブールで開催された国際特許分類協定外交会議に参加した。本協定は,「発明特許国際分類に関するヨーロッパ条約」(1955年8月1日発効)に基づき作成された国際分類を,欧州のみならず,広く世界的規模において共通に使用することを目的とするものである。本協定により,締約国は世界共通の特許分類表を使用することとなるので,外国の資料の検索および利用が容易となることが期待される。
わが国は,1970年9月21日から同29日まで,ジュネーヴで開催されたWIPO第1回総会に参加した。
WIPOは条約に基づく政府間機関であり(1970年4月26日発効),工業所有権保護国際同盟(PARIS・UNION)と文学的・美術的著作物保護国際同盟(BERNE・UNION)の合同事務局であるBIRPIにとつてかわりその機構の拡大を目的とするものもので,WIPOの成立により,今後両同盟の管理運営業務が統一的に,かつ,円滑に推進されることが期待されている。
観光に関する国際機関としては,従来から,非政府間機関である,官設観光機関国際同盟(IUOTO)があつたが,近年観光の重要性に対する認識が高まつた結果,IUOTOを政府間機関的性格を持つた,さらに強力な機関に改組することとなり,このために1970年9月メキシコでIUOTO臨時総会が開催され,新規約が採択された。わが国も同会議に代表国を派遣して新規約の作成に協力した。