対米国移住の現況
1 従来、米国市民の配偶者、子供の移住を除いては、年間一八五名の国別割当を受けていた日本人による対米国移住は、一九六五年一二月一日、旧米国移住国籍法の改正により、一九六八年七月一日より、新優先順位に基づき、年間二万名まで移住できることとなった。しかし、新制度に移行するまでの期間でも、他国の割当数に未使用分があった場合、これをプールし、割当以上に移住希望者を有する国に配布することとなっているので、一九六八年七月一日以前でもわが国民も新優先順位に基づき、移住できることとなっている。
この結果、一九六五年一二月一日より六六年一二月三一日までの一三カ月間に、本邦において米国移住査証を付与された日本人は八〇一名(割当外の移住者、両親、配偶者、子供を除く)となった。
この改正移住国籍法が施行されてからの一年間における各国からの米国移住の一般的動向は次のとおりである。
(1) 米国市民の兄弟姉妹として移住を希望する者が急増し、このカテゴリーの割当二四%をはるかに超えたため、この優先順位該当者に対する移住査証発給は停止された。
(2) 第三優先順位該当の高級技術、技能者の移住が、米側の予想に反し増加したため、米国会計年度の上半期に達しない間に割当枠が満たされた。
2 前述の八〇一名の日本人移住者の内訳は次のとおりである。
第一優先 (米国市民の未婚の子女) 二七
第二優先 (永住権を有する外国人の配偶者及びその未婚の子) 一五一
第三優先 (技能専門家、科学者及びその同伴者) 一八四
第四優先 (米国市民の既婚子女) 六六
第五優先 (米国市民の兄弟姉妹) 二五七
第六優先 (熟練及び低熟練労働者及びその同伴者) 九六
非優先 (以上に該当しないもの) 二〇
計 八〇一
3 日米両国政府の援助に基づく、派米農業研修生制度の第一回派遣研修生一五八名が六六年六月に渡米し、六八年六月までの二年間、学課研修と農業実習を行なうこととなった。
この制度は、わが国農村青年を、米国諸州に二カ年間派遣し、学課研修と農作業実習を行ない、国際的視野を培い、もって日本農業の近代化に資することを主目的とし、あわせて、日米相互理解を深め、更に海外移住、或いは後進地域農業開発援助活動等に若い力を発揮することを期待するものである。