ラテン・アメリカ地域

 

1 アルゼンティン外務大臣夫妻の公賓として来日

アルゼンティン外務宗務大臣ミゲル・アンヘル・サバラ・オルティス博士夫妻は、公賓として一九六六年三月九日来日、天皇、皇后両陛下に謁見を賜ったほか、佐藤総理大臣、山口衆議院議長、重宗参議院議長、椎名外務大臣、三木通産大臣と会談し、日光を訪問の上、同一五日離日した。

なお、離日前に、国際政治における積極的協力、両国間の通商貿易関係の拡大、経済技術協力関係の緊密化等を主たる内容とする日ア共同コミュニケが発表された(右コミュニケは資料篇に掲載)。

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2 要人の来日

(1) ボリヴィア外務大臣

ボリヴィア外務大臣フアキン・センテーノ・アナーヤ大佐は、外務省の賓客として一九六六年三月一三日来日、天皇陛下に謁見を賜わり、椎名外務大臣と会談したほか、関西地方を視察し一六日離日した。

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(2) ブラジルのユキシゲ・タムラ連邦下院議員

ユキシゲ・タムラ連邦下院議員は、一九六五年八月二三日来日し、九月一二日離日した。同議員は総理、外務大臣、衆議院議長に表敬、電子工業関係者と懇談した。

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(3) ブラジルのサン・パウロ州議員

サン・パウロ州議員パウロ・ナカンダカレ及びオノフレ・ゴズェン両氏は、一九六五年一〇月八日来日し、一〇月二五日離日した。一行の滞日中、産業施設の視察につき便宜を供与した。

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(4) ジャイルス・ジャマイカ農務大臣

ジャイルス・ジャマイカ農務大臣は、マン前農務大臣を伴ない、一九六五年一二月一三日より同一五日まで、わが国農業事情視察のため訪日した。同大臣は、本邦滞在中、坂田農林大臣を儀礼訪問し、鴻ノ巣農事試験場および築地市場の視察を行なった。

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(5)パラグァイ外務省文化局長夫妻

リカルド・ブルガーダ局長夫妻は、外務省賓客として一九六五年一〇月一九日来日し、同二二日離日した。なお、同局長夫妻は関西旅行を行なった。

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(6) トリニダッド・トバゴのハイアタリ最高裁判事

アイザック・ハイアタリ最高裁判事兼産業裁判所裁判長は、わが国の労使関係問題調査研究の目的で、一九六五年八月八日から同一一日まで日本を訪問、同日香港向け出発した。同裁判長は、滞在中、東京において最高裁、法務省、労働省および中公労委等の各機関を往訪し、わが国の関係官憲と懇談を遂げた。

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3 練習艦隊の往来

(1) 海上自衛隊練習艦隊の遠洋航海

防衛庁は、一九六五年六月一一日から一一月二日(一四四日間)まで、海上自衛隊練習艦隊(旗艦あきづき、てるづき、ゆらだち、むらさめ、司令官伍賀守雄海将補、乗組員約一、二〇〇名)を南米に派遣し、コロンビア、ヴェネズエラ、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンティン及び米国の六カ国を公式訪問した。

練習艦隊の南米諸国訪問は、一九二〇年及び一九二二年の二回で、岩手、浅間、出雲の派遣に次ぎ、四三年振りのことであった。

今回の訪問において、各国官民及び在留日系人の熱烈な歓迎を受け、コロンビア、ウルグァイ及びブラジルにおいてはそれぞれの独立記念祝賀行事に参加し、国際親善及び友好関係の増進に寄与した。

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(2) アルゼンティン海軍練習艦リベルター号の来日

アルゼンティン海軍練習艦リベルター号(艦長オスカル・モンへ中佐以下三七九名)は、世界一周練習航海の途次、一九六五年七月六日東京晴海に入港、わが国朝野と交歓を行なったのも同一三日帰航の途についた。

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(3) ペルー海軍兵学校練習艦インデペンデンシア号

ペルー海軍練習艦インデペンデンシア号(艦長サルセード大佐以下総員四一二名)は、一九六六年二月一一日長崎に入港、東京及び横浜に寄港し、同二三日午前横浜を出港、サン・フランシスコ向け帰航の途についた。

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4 全国知事会代表団の訪伯

リオ・デ・ジャネイロ市創設四百周年記念行事の一環として、グアナバラ州知事の招待により、全国知事会から香川、栃木、富山、福井、福岡の各県知事よりなる代表団が一九六五年四月二八日訪伯した。

代表団は、リオ.デ.ジャネイロ市に於ける行事ののち、関係州知事の招待により、ミナス・ジエラエス州、ブラジリア連邦都、サン・パウロ、パラナ及びリオ・グランデ・ド・スール各州を歴訪、五月一一日離伯した。なお、代表団はアルゼンティン訪問後、五月一四日ブエノス・アイレス市で解散した。なお、これを契機として将来日伯間の知事団の相互訪問が実施されることになった。

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5 災害見舞

(1) チリ地震見舞金

政府は、一九六五年三月下旬チリ国中部地帯において発生した大地震の被害に対し、金山駐チリ大使を通じ米貨一万ドルの見舞金をチリ政府に贈呈した。

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(2) リオ・デ・ジャネイロ市及び周辺の水害見舞

政府は、一九六六年一月九日から一四日にかけて、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市及び同市周辺を襲った豪雨による災害に対し、グアナバラ州及びリオ・デ・ジャネイロ州に各五、〇〇〇ドル、計一万ドルを見舞金として贈った。

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6 中南米二世研修計画

中南米諸国には約六〇万の日系人が在住しており、これら日系人、特に二世の活躍は新規移住の促進、企業進出、貿易の増進、経済協力の拡大、対日認識の向上、文化の交流に極めて大きな貢献をしている。これら日系二世の日本の現状及び文化に対する認識を高めることは、日系社会の政治的、経済的、社会的、文化的地位の向上のみならず、中南米諸国との外交の展開、親善関係増進に極めて効果的と認められるので、二世の中堅、日系社会の幹部として活躍し将来日系社会の指導者となるべき優秀な人物を招待し、わが国の産業、文化を視察せしめ、かつ、日本の歴史、伝統、現状につき充分な理解を持たしめるとともに、併せて各々の専門分野について見学研究せしめる二世研修計画を昭和四〇年から実施することとなった。

ブラジル五名、ペルー三名、アルゼンティン一名の計九名を一九六五年九月一三日から四五日間招致し、日本の歴史、政治、経済、産業、教育、文化等に関する講義及び産業、文化施設の視察を行なった。

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