七 情報文化活動の大要

報道機関との協力

情報文化局は、外務省に常駐している霞クラブ(国内通信新聞一三社とNHK)、民放クラブ(民間放送二〇社)のほか、外国特派員協会(通信二九社、新聞七四社、雑誌一一社、放送一四社)と常時密接な協力関係を保っており、また随時来日する外国報道関係者には会見や見学の斡旋をし、日本に関する資料を提供している。

外国特派員協会には加入していないが、一九六四年九月には中共の新聞特派員七名が来日した。日中記者交換の話し合いは一九五八年初から日本新聞協会と中国新聞工作者協会との間で進められていたが、たまたま一九六四年四月に松村謙三氏ら一行が中共を訪問するにあたって日本新聞協会長上田常隆氏が側面的な斡旋を依頼した結果、交渉は急速に進展した。このため政府は、中共記者の活動が報道用の取材に限定されることなどについて日本新聞協会長の保証を得たうえで、相互平等の原則に基づき、中共記者の本邦入国を認めることとした。なお北京には目下九名の日本人記者が駐在している。

報道機関との協力は、記者会見やブリーフィングによるほか文書の配布によっており、この一年間に配布文書は日本文で二七九(大臣談二、情報文化局長談一、情報文化局発表八○、記事資料一二六、コミュニケ一〇、演説文二二、参考資料三八)、英文で四〇(情報文化局発表一〇、コミュニケおよびステートメント一一、演説文一九)にのぼっている。

また、国内報道機関の海外取材班に対しては、在外公館を通じ極力便宜をはかっており、この一年間に便宜供与の件数は八七(新聞三七、テレビ五〇、雑誌一)で、右訓令を受けた関係公館は延べ五七六にのぼっている。このほか情報文化局は、共同、時事、AP、UPI、AFP、ロイターの通信をテレックスにより常時受信し、世界情勢の動きをいちはやく捉え、必要な分析を行ない、国際的重要問題について政府の態度を速かに決定するうえで大きな役割を演じている。

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