中近東地域

1 在アルジェリア大使館の開設

アルジェリア民主人民共和国は、一九六二年七月三日、フランスより独立したが、わが国は翌四日、直ちにこれを承認した。わが国は、アルジェリアの国際政治に占める地位に鑑み、同国政府に対し、速やかに外交関係を設定したい旨申入れ、同年十一月二十八日先方の同意を得た。よって、一九六四年二月十四日、同国首都アルジェに大使館を開設し、同四月二十三日、瓜生大使がアルジェリア駐箚初代日本大使として着任した。

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2 在イスタンブル領事館の開設

わが国は、イスタンブルがトルコ最大の都市であり、同国経済貿易の中心地であること、またトルコに駐在する邦人商社員はすべて同市に居住し、同市を訪れる邦人旅行者も増加する傾向にあることを考慮して、取り敢えず一九六三年十月一日から同地に駐在官事務所を開設してアンカラより大使館員を派遣、常駐せしめていたが、一九六五年一月一日、在イスタンブル領事館を設置した。

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3 アルジェリアの地震に対する見舞金の贈与

一九六五年一月一日夜から二日にかけて、アルジェリアの首都アルジェの東南約二〇〇キロメートルのムシラ地方に地震が起り、家屋約二、八○○戸が崩壊し、一八、○○○人の罹災者が生じた。よって、アルジェリアとの友好関係並びに人道的立場を考慮し、見舞金として外務大臣より一五、○○○フラン(約一〇〇万円)を贈ることとし、二月五日、瓜生駐アルジェリア大使を通じ、ブーテフリカ、アルジェリア外相にこれを手交した。

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4 アラブ諸国要人の訪日

一九六四年一月、アラブ連合の首都カイロで開催された第一回アラブ諸国首脳会議は、その決議の一つとして、パレスタイン問題に関する同会議決議を世界各国の要人に説明するため、アラブ諸国の外相を世界各国に派遣することを決定したが、右決議に基づき、次の通り、アラブ諸国の要人が来日した。

(1) シェイク・サバーハ・アル・アハマド・アル・サバーハ、クウニイト外相

同外相は、随員二名を帯同、インド、セイロン、インドネシアを歴訪の後、同年四月二十八日来日、五月三日カンボディア向け離日した。

同外相は、滞日中、天皇陛下より拝謁をたまわったほか池田総理大臣を表敬訪問し、大平外務大臣と会談した。

(2) オマル・アル・サッカーフ、サウディ・アラビア外務次官

同外務次官は、夫人および随員二名を帯同、米国訪問の後、同年五月二十四日来日、同月二十九日、引続きマレイシア、フィリピン等訪問のため離日した。

同次官は、滞日中、池田総理大臣を表敬訪問し、大平外務大臣と会談した。

(3) フセイン・ズルフィカール・サブリ、アラブ連合大統領高級政治顧問

同顧問は、随員一名を帯同、東南アジア諸国訪問の後、六月四日来日、同八日米国向け離日した。

同顧問は、滞日中、大平外務大臣と会談した。

(4) アントン・アタッラ、ジョルダン外相

同外相は、夫人を同伴、中南米諸国訪問の後、六月八日来日、同十一日、中華民国向け離日した。

同外相は、滞日中、大平外務大臣と会談した。

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