ラテン・アメリカ地域

1 ラテン・アメリカ諸国要人の来日

(1) ニカラグァ前大統領夫妻

ニカラグァのルイス・ソモサ前大統領は同夫人、グスタボ・ラスコスキー副大統領、モラーレス・マレンコ下院議長夫妻ほか同国政財界の要人計二十六名を率いて、一九六三年十月三日より十四日にわたり訪日経済使節団の団長として来日した。政府は同前大統領夫妻と随員中の三名を政府賓客として接遇したが、これら賓客は滞日中、天皇、皇后両陛下から謁見を賜ったほか、池田総理大臣、大平外務大臣と会見し、また使節団一行は経済界との懇談、工場見学などを行った。

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(2) ペルー政党要人

現在ペルーの勧業大臣の職にあるカルロス・ペスターニヤ技師は大臣就任前に、他の同じくAP党(現与党)の幹部たるアルツーロ・セミナリオ博士とともに一九六三年四月五日より十日にかけて来日した。滞日中両名に対し政府は設宴、業界との接触などにつき便宜を供与した。

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(3) エクアドル勧業大臣

エクアドルのホセ・サラザール・バラガン勧業大臣夫妻は一九六三年四月十一日より十五日にわたり来日した。滞日中大平外務大臣と会談、工場見学を行った。

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2 ラテン・アメリカ各国大統領就任式への特派大使の派遣

一九六三年以降において、政府は、つぎのラテン・アメリカ諸国の大統領就任式典に特派大使を任命し、参列させた。

ペルー     一九六三年七月二十八日

            三 浦 文 夫 (駐ペルー大使)

パラグァイ   一九六三年八月十五日

            小 沢 久太郎 (参議院議員)

アルゼンティン 一九六三年十月十二日

            井 上 清 一 (参議院議員)

ヴェネズエラ  一九六四年三月十一日

            田 付 景 一 (駐ブラジル大使)

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3 ブラジル・パラナ州大火に対する見舞金の贈与

パラナ州では、一九六三年七月末来、各地で発生していた山火事が数カ月におよぶ旱魃と八月初の降霜によるコーヒー樹の枯死の悪条件のため九月初旬以来大火に発展し、被災地域は同州の約半分に及ぶ約一〇万平方キロメートルに達し、甚大な被害を与えた。同州にはブラジルに在住日系人の約二割に当る約一〇万の日系人が在留しており、わが国とは特別密接な関係のある州でもあるので、政府はブラジルに対する友情のしるしとして、米貨一万ドルをブラジル政府を通じて見舞金として同州に贈った。

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4 キューバ及びハイティに対する風水害見舞金の贈与

一九六三年十月四日より五日間にわたりカリブ海諸国を襲った未曾有のハリケーンにより、キューバ、ハイティは甚大な被害を受け、キューバでは死者一二〇〇人以上、家屋流失の罹災者一五万人のほか、砂糖、コーヒー、米等の農作物等の損害も尨大であったが、ハイティでも死者二五〇〇人、家屋流失の罹災者一二万人以上、物的損害は一五万俵のコーヒーの流出その他莫大なものがあった。よって政府はこれら両国との友好関係にかんがみて、医薬品を両国にそれぞれ五〇〇〇ドル相当分づつ見舞として贈与し深く感謝された。

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