大 洋 州 地 域 |
(共同声明添付)
イ オーストラリア
池田総理大臣はフィリピン及びインドネシア訪問に引続き、一九六三年九月二十九日から十月三日までオーストラリア連邦を訪問し、デ・ライル連邦総督、メンジス首相、マッキェアン副首相兼貿易大臣と会談した。
また、池田総理大臣はオーストラリア滞在中シドニー及びメルボルンを訪問し、両市において、それぞれニュー・サウス・ウェルズ州、ヴィクトリア州総督および州政府首相等と会談したほか特にシドニーにおいては日豪経済委員会の歓迎午餐会に出席し主として日豪経済関係について講演を行なった。
ロ ニュー・ジーランド
池田総理大臣は引続いて同年十月三日から五日までニュー・ジーランドを訪問し、ファーガソン総督、ホリオーク首相、マーシャル副首相兼海外貿易相らと会談したほかノードマイヤー労働党々首とも会談した。
また、池田総理大臣はホリオーク首相主催の歓迎午餐会に出席し日本ニュー・ジーランド関係について講演を行なったほか酪農牧場等を見学した。
イ 日本とオーストラリア及びニュー・ジーランドは自由世界の利益を伸長するため、より密接な協力を行なってゆくことに合意した。
ロ 日本とこれら二国は最近締結された部分的核実験禁止協定を歓迎し、太平洋諸国あるいは太平洋に利害関係をもつ諸国がこの協定を支持すべきであるとの希望を表明した。
ハ マレイシアの成立を歓迎し、アジア・西太平洋地域の平和と経済的進歩の達成に寄与するため益々緊密に協力すべきことに意見の一致をみた。
ニ 一九六二年三月に日本・ニュー・ジーランド通商協定が改正されたこと及び日豪間にもガット三十五条の援用を撤回した新通商協定が締結されたことにより、日本とこれら両国間の互恵的通商関係は一層の拡大が期待される旨表明した。
ホ 人的接触、文化交流を促進するため一層の努力を払うことに意見の一致をみた。
オーストラリア海軍駆逐艦ヴェンデッタ(Vendetta)号およびフリゲート艦クウイベロン(Quiberon)号の両艦は昭和三十八年十二月二日より同十一日まで本邦を訪問した。
両艦は訪日中大阪、広島および下関の諸港を訪問し、地元市民の歓迎を受けた。
オーストラリアには第二次大戦中オーストラリア本土で散華した航空隊々員および日本人俘虜等で同国に抑留中戦没した軍人、軍属および在留邦人の遺体五二二体が各地の墓地に分散埋葬されていたところ、日本政府としては、昭和三十八年度においてこれら遺体をニュー・サウス・ウェルズ州カウラ墓地に集結改葬し、同墓地を整備して在豪日本人戦没者墓地として維持管理を行なうことに決定した。
右に基きオーストラリア政府および在メルボルン英連邦軍墓地委員会と協議の上、目下遺体の集結および墓地整備を進めている。
オーストラリア連邦ニュー・サウス・ウェルズ州ヘフロン首相は夫人とともに、一九六三年四月十九日に日本を訪問し、同二十八日まで滞在した。この間夫妻は両陛下の拝謁をたまわったほか、岸前首相、大平大臣その他政府、財界の主だった人々と会談し、東京国際見本市見学、箱根、関西旅行を行なった。