中近東関係

1 対中近東外交体制の整備

一九六一年五月十六日中近東アフリカ部が新設されてアフリカ課が発足し、従来中近東課その他数課に分掌されていたアフリカ(サハラ以南)政務関係事務一切を処理することとなり、中近東課は、中近東および北アフリカ地域のみを管掌することとなった。

2 第七回中近東公館長会議の開催

一九六一年十一月十八日から二十日までの三日間イランのテヘランにおいて第七回中近東公館長会議が開催された。同会議には地元のイラン駐在干葉大使をはじめ中近東各国駐在の十公館長、スーダン兼任の一等書記官、ユーゴースラヴィァ駐在の大使、英、伊、ソ駐在の参事官、および外務省湯川官房長、中山経済局次長、杉浦中近東アフリカ部長心得が出席し、最近の中近東情勢について検討するとともに、わが国と中近東諸国との政治、経済、経済協力、文化、啓発等の諸問題に関する意見の交換を行なった。

3 中近東地域在外公館の整備

中近東諸国とわが国との関係は、政治、経済、経済協力をはじめ多くの分野で近時極めて緊密となっているので、政府は同地域在外公館の整備強化を行なうこととし、一九六一年四月十四日付で在スーダン公使館を大使館に昇格、一九六二年一月一日より同大使館を開設、また、十月一日在モロッコ大使館を開設した。

4 中近東各国要人の来日

(1) シュカイリー・サウディ・アラビア国連担当国務相の来日

シュカイリー・サウディ・アフビア国連担当国務相は、外務省の招客として来日、五月四日より十二日まで滞在し、その間、外務大臣、国連協会、国際法協会日本支部等を訪問、会談したほか、本邦における文化、教育、産業施設を視察した。

(2) クウェイト親善使節団の来日

スレイマン・アル・サネを団長とするクウェイト親善使節団が十月四日来日し、十六日まで滞在したが、この間、外務大臣を訪問、外務、通産両当局と会談したほか、本邦における産業施設を視察した。

以上のほか、一九六一年中に、来日要人に行なった便宜供与としては、イラン二件、イラク、レバノン各一件計四件があった。

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