その他の地域との貿易問題 |
わが国のアルゼンティンに対する債権残高(旧清算勘定の未払残高金額五、五〇〇万ドル)は、一九五八年六月十二日締結された債権償還協定(詳細は本書第三号一四七頁参照)によって一九六五年まで年賦で償還されることとなり、その後ア国側は、協定どおり毎年償還を履行してきた。
しかし、一九六一年および一九六二年の両年度の同国の国際収支がとくに悪化することが予想されるに至ったので、昨年十二月アルゼンティン政府は、わが国および欧州債権国に対し両年度の債務償還額の軽減方を申入れてきた。
よってアルゼンティン政府の要請に基づき、債務償還繰延べ問題検討のため欧州債権国会議が本年一月十九日および二十日の両日パリで開催され、わが国もオブザーヴァーを派遣した。同会議の結果、債務償還繰延べに関するアルゼンティン側の要望が原則的に了承された。
次いで債務償還枠の国別配分に関し、関係国の会議が二月六日パリで開催され、わが国も債権国の要請により代表を派遣した。会議の結果、アルゼンティンの債務償還につき新たな方式が定められ、各国はこの方式を基礎としてアルゼンティンとの間に各国別、各年度配分の細目につき債務償還スケデュール変更の取極改正の措置を行なうこととなった。
一九五八年十月十六日に締結した双務方式の日伯貿易支払取極は、昨年一月十五日限り終了し(詳細は本書第四号一七三頁参照)、その後ブラジルとは貿易決済について無協定状態となったが、わが国はブラジルの貿易為替管理制度上米国および西欧諸国と同等の立場に立ち、欧米諸国と無差別の待遇をうけている。
しかし日伯間特別勘定(旧清算勘定を引継いだもの)の残高決済が、旧取極により毎月ブラジル側が対日輸出に基づく受取額の二〇パーセントずつをわが国に返済することとなっており、このため対日輸出為替は従来どおりブラジル銀行に集中される結果、輸出レートおよび輸出金融の点においてブラジル物資とくに綿花のわが国向け輸出は、欧米諸国向け輸出より不利となり、折角双務方式の協定を廃止しても、わが国のブラジル物資買付には依然として障害が残った。この障害を除くため対日輸出為替のブラジル銀行集中を廃止するようブラジル政府と折衝したところ、ブラジルから日伯間特別勘定の残高決済に関し従来の一定率による償還を長期定額の償還方法に切り替えるならば右集中を廃止することができる旨の回答をえた。そこで、政府は、定額償還に切替えることとし、昨年六月九日からリオ・デ・ジャネイロにおいて両国政府代表の間で交渉が行なわれた。その結果、ブラジル側は特別勘定の残高(約一五四三万ドル)を完済するまで半年毎に一二〇万ドルずつをわが国に支払うことで妥結し、同年十月十八日これに関する書簡を交換した。これにより同月二十日対日輸出為替のブラジル銀行集中は廃止され、前記の対伯輸入上の障害が除去された。
しかし日伯間特別勘定(旧清算勘定を引継いだもの)の残高決済が、旧取極により毎月ブラジル側が対日輸出に基づく受取額の二〇パーセントずつをわが国に返済することとなっており、このため対日輸出為替は従来どおりブラジル銀行に集中される結果、輸出レートおよび輸出金融の点においてブラジル物資とくに綿花のわが国向け輸出は、欧米諸国向け輸出より不利となり、折角双務方式の協定を廃止しても、わが国のブラジル物資買付には依然として障害が残った。この障害を除くため対日輸出為替のブラジル銀行集中を廃止するようブラジル政府と折衝したところ、ブラジルから日伯間特別勘定の残高決済に関し従来の一定率による償還を長期定額の償還方法に切り替えるならば右集中を廃止することができる旨の回答をえた。そこで、政府は、定額償還に切替えることとし、昨年六月九日からリオ・デ・ジャネイロにおいて両国政府代表の間で交渉が行なわれた。その結果、ブラジル側は特別勘定の残高(約一五四三万ドル)を完済するまで半年毎に一二〇万ドルずつをわが国に支払うことで妥結し、同年十月十八日これに関する書簡を交換した。これにより同月二十日対日輸出為替のブラジル銀行集中は廃止され、前記の対伯輸入上の障害が除去された。