共産圏との貿易問題

わが国の昨年における対共産圏貿易の実績は、通関統計によれば、輸出七、二二二万ドル、輸入一億二、四九九万ドル、合計一億九、七二一万ドルに達し、一九五九年に比較すれば、輸出三、四八三万ドル増、輸入五、五四四万ドル増、総額において九、〇二七万ドル増となっている。この中ソ連は、輸出六、〇五〇万ドル、輸入八、七〇三万ドル計一四、七五三万ドルとなっている。

日ソ貿易については、昨年三月二日かねて懸案であった長期(三カ年)貿易協定が締結されたこと、八月十六日から九月五日までモスクワで大規模な日本産業見本市が開催され好評を博したこと、さらに日ソ貿易における主要品目である木材および小麦に関し現地調査団が派遣されたこと等が特筆される。日ソ貿易は、こうした動きもあってとくに伸張が著しかった。

また一九五八年五月以来中断されていた中共貿易については、昨年の実績は、輸出二七三万ドル、輸入二、〇七三万ドル、計二、三四六万ドルで、戦後中共貿易の最高潮であった一九五六年の輸出六、七三四万ドル、輸入八、三六五万ドル、計一億五、〇九九万ドルに比べ著しく少ないが、八月以降再開への動きがはじまり、本年一-二月に輸出四二万ドル、輸入二〇五万ドル、計二四七万ドルが成約されている。

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