中近東関係

1、第六回中近東公館長会議の開催

昨年七月十四日から十六日までの三日間トルコのイスタンブールにおいて第六回中近東公館長会議が開催された。

同会議には地元のトルコ駐在井上大使をはじめ中近東各国駐在の十公館長、英、ソ駐在の両公使、パキスタン駐在の参事官、および外務省島外務審議官、金山欧亜局長、鶴岡国連局長、関経済協力部長、猪名川対外啓発課長、金沢中近東課長が出席し、最近の中近東政情について検討するとともに、わが国と中近東諸国との政治、経済、経済協力、文化、啓発等の諸問題に関する意見の交換を行なった。

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2、中近東地域在外公館の整備

中近東諸国とわが国との関係は、政治、経済、経済協力をはじめ多くの分野で近時極めて緊密となっているので、政府は同地域在外公館の整備強化を行なうこととし、本年四月十四日付で在スーダン公使館を大使館に昇格したが、さらに本年度中に在モロッコ大使館を開設する予定である。

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3、中近東各国要人の訪日

(1) アリ・サブリ・アラブ連合共和国大統領府担当国務相の来日

アリ・サブリ・アラブ連合共和国大統領府担当国務相は、夫人および随員三名を帯同、政府の賓客として、昨年四月十八日来日し、同二十七日まで滞在した。この間、同相は、天皇、皇后両陛下および皇太子、同妃両殿下に拝謁を賜わり、岸内閣総理大臣をはじめ、わが国政府ならびに民間の要人と会談したほか、各種産業、文化施設を視察し、関西地方を旅行した。

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(2) サウディ・アラビア交通相スルタン殿下の来日

サウディ・アラビア交通相スルタン殿下は、昨年十月十一日から二十日まで、本邦で開催された第二回アジア鉄道首脳者懇談会に出席のため妃殿下、随員三名、従者四名を帯同、十月九日来日し、同懇談会終了後、二十一日から二十六日まで、外務省の招客として滞在した。この間、同大臣は、天皇、皇后両陛下に拝謁を賜わり、池田総理大臣をはじめ、わが国政府および民間の要人と会見したほか、日本サウディ・アラビア協会の発会式に臨み、箱根観光および電話工場の視察等を行なった。

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(3) その他

以上のほか、イラクよりサミール国民指導相、イランよりメヘラン文相がそれぞれ外務省の招客として来日し、外務、文部各大臣他両省当局と会談したほか、本邦における教育、文化、産業施設等を視察した。

さらにモロッコより、アラル・エル・ファッシ・イスチクラル党々首を団長とする友好親善使節団が、昨年十二月二日来日、同七日まで滞在したが、この間ファッシ団長は、天皇陛下に謁見、池田内閣総理大臣、小坂外務大臣と会談したほか、本邦における文化施設等を視察した。

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