アフリカ関係

1 アフリカに関する政務および調査活動

第二次大戦後アフリカではとくに民族主義運動の活発な動きがあるが、このような動きを反映して現在同地域にある独立国の数は、北阿回教圏五国のほか六カ国を算え、さらに今後とも相当数の地域が独立を達成する気運にある。

これらの新興独立国は、いわゆるアフリカ・グループとして相互の結束を固め、すでに国連等においても次第にその発言力を高めているが、他面またわが国とこれら諸国との外交関係も深まつており、豊富な未開発資源と尨大な人口を擁する地域として、経済的にもとみに重要な市場の一つとなつて来た。

かかるアフリカの現状に対応し、外務省としては、同地域に対するわが国外交施策の企画立案に万全を期すべく、省内関係部局相互の調整をはかるとともに、必要な資料の整備につとめている。他面また現在サハラ以南のアフリカ各地に置かれているわが国の在外公館六館(大使館二、総領事館一、領事館三)に加え、ローデシア・ニアサランド連邦の首府ソールズベリーに近く総領事館を新設することとしたが、さらにナイジェリアの独立(本年十月一日)後は、同地に置かれているわが国の領事館を大使館に昇格することを決定するなど、既設公館の強化を図りながら現地の情勢に則応した外交体制をととのえてゆく方針である。

なおこれらの措置と平行し、同地域に対する経済、技術協力等を行なうため、わが国より各種視察団の派遣、現地要人の招へい等を計画している。

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2 第一回アフリカ公館長会議の開催

前記1に述べたようなアフリカの情勢および同地域に対するわが国の利害関係の増大にかんがみ、政府としては今後におけるわが国とアフリカとの関係を律する基本方針を至急確立する必要があるので、本年一月十日、十一日および十二日の三日間ロンドンにおいて第一回アフリカの公館長会議を開催し、政府の方針決定の基礎となるべき情勢判断および検討を行なつた。同会議にはエティオピア、ガーナ、プレトリア、ナイロビ、レオポルドヴィル、ラゴスの各地に駐在する六在外公館長のほか、ベルギー、フランス、英国の三在欧公館よりアフリカ担当官が出席したが、外務本省よりは小林政務次官、牛場経済局長、重光欧亜局参事官が参加した。

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 エティオピア皇太子の来日

エティオピア皇太子メリッド・アズマッチ・アスファ・ウォセン・ハイレ・セラシェ殿下、同妃メドフェリアン・ウオルク・アッペバ殿下は随員七名を伴い、国賓として咋年十一月五日来日し、同八日まで滞在されたが、この間天皇、皇后両陛下、皇太子、同妃両殿下を始め、わが国各界の首脳者と交歓された。

 ちなみにエティオピア最高要路者の訪日は、一九五六年十一月の同国皇帝陛下の来日以来今回で二度目である。

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4 リベリア大統領就任式典への特派大使派遣

昨年五月五日の選挙により選出されたV・S・ウィリアム・タブマン・リベリア大統領(一九四四年より引続き在任、今回は第四回目)およびウィリアム・R・トルバート同副大統領(一九五二年より引続き在任)の就任式典は、本年一月四日から七日までモンロヴィアで挙行されたが、わが国も同式典への参加方招待を受けたので、政府は同国との友好親善関係にかんがみ、特派大使として苫米地英俊参議院議員を派遣した。

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5 カメルーン独立式典に対する特派大使の派遣

第二次大戦後の一九四六年信託統治協定によつてフランス統治下の国連信託統治地域となつたカメルーンは、昨年三月国連第十三総会の決議により本年一月一日を期して独立することとなつた。右独立式典にわが国代表の出席方招待があつたので、わが国は、アフリカの新興独立国との友好親善関係を増進するため、藤枝泉介衆議院議員(自民党副幹事長)を特派大使として派遣し、同式典に参列せしめた。

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