その他の国際機関における活動
一九五七年十一月ローマで開催された国際連合食糧農業機関第九回総会において理事国に再選され、加盟いらい三度連続理事国となつた。また、一九五六年十月二十三日ニューヨークの国連本部で採択され、同二十六日署名のために開放された国際原子力機関憲章に基き設置された国際原子力機関においては、わが国は、憲章採択と同時に憲章に基く同機関の準備委員会(十八カ国をもつて構成)に選出され、それいらい第一回総会の準備、機関の財政、事業計画、運営等に参画してきた。ついで一九五七年十月一日ウイーンで開かれた機関第一回総会以降は、二十三カ国より成る同機関の理事会において、極東地域を代表する理事国として機関の事業および運営に積極的に協力している。
この機関に対しては、すでに米、英、ソ、加、南阿、ポルトガル、インド、セイロン等より原料物質、特殊核物質等の提供が行われており、これらを用いる原子力平和利用の研究、開発が実現する日も近くなつてきた。わが国としては機関を通じ、このような原料物質、特殊核物質ができる限り安価に、かつ受入国に受入れ易い条件で入手できるよう努力をつづけるとともに、原子力平和利用の面で立ちおくれた東南アジアのような地域では、特にラジオ・アイソトープの利用が農業、医学等の向上のために急務である旨を強調して、その実現を促進するために協力している。