経済

2011年APEC閣僚会議 概要

平成23年11月11日

 11月10日及び11日,米国ホノルルにおいて,APEC閣僚会議(外務大臣会合:議長はクリントン米国務長官,貿易担当大臣会合:議長はカーク米通商代表)が開催され,APEC参加21エコノミーの外務大臣,貿易担当大臣等が参加した(我が国からは,玄葉光一郎外務大臣,枝野幸男経済産業大臣及び山口壯外務副大臣が出席)。

 今次会合の成果として,「閣僚声明」(日本語仮訳(PDF)PDF英語原文(PDF)PDF),「WTOドーハ・ラウンド交渉と保護主義の抑止に関する閣僚声明」(日本語仮訳(PDF)PDF英語文(PDF)PDF)の他,「災害への強靱性に関するハイレベル政策対話」(日本語仮訳(PDF)PDF英語原文(PDF)PDF)及び「オープン・ガバナンスと経済成長に関するハイレベル政策対話」(日本語仮訳(PDF)PDF英語原文(PDF)PDF)の各文書が発出された。会合における議論の概要は以下のとおり。

【外務大臣会合】

1 災害への強靱性に関するハイレベル政策対話

  1. (1) アジア太平洋地域における災害への備えに対する域内の官民連携の促進,民間部門の災害への強靱性の強化の重要性等について議論が行われた。タイからは,洪水被害の現状につき報告があった。本件会合には,米倉経団連会長,相原ABAC委員,ドナヒュー米商工会議所会頭など地域の経済界の要人が出席した。
  2. (2) 玄葉外務大臣からは,東日本大震災での経験を踏まえ,自主防災組織,消防団といった地域レベルの我が国の取組に触れつつ,社会全体で自然災害に対応することの重要性を唱えた。来年被災地で開催予定の「災害に関するハイレベル世界会議」,さらには第3回国連防災世界会議招致・開催を通じて地域の災害への強靭性を高めるために貢献したい旨表明した。

2 オープン・ガバナンスと経済成長に関するハイレベル政策対話

  1. (1)APECにおいて,貿易・投資の自由化及び円滑化をより促進する観点から,汚職腐敗の根絶に向けた取組等を通じて域内透明性とオープン・ガバナンスを進めていく必要性について議論が行われた。
  2. (2)各エコノミーから,汚職・腐敗との闘い,透明性及び説明責任を果たしていくための政府としての取組をそれぞれ紹介しつつ,APECとして,引き続き,腐敗・汚職への対策,透明・公正・説明責任を有する行政運営を強化していくことを再確認した。
  3. (3)玄葉大臣から,我が国のこれまでの取組を紹介しつつ,アジア太平洋地域の経済成長のためには自由で開かれた市場経済環境を整えるため粘り強く努力することが重要であると指摘した。

【貿易担当大臣会合】

1.多角的貿易体制の支持

 我が国から枝野経済産業大臣及び山口外務副大臣が出席した。

  1. (1)WTOドーハ・ラウンド交渉(DDA)が膠着状況にある中で,WTO体制の維持・強化のためAPECとしていかなる貢献が可能かにつき閣僚間で議論が行われた。
  2. (2)各エコノミーからは,DDA交渉について,(ア)近い将来の交渉全体妥協の見込みがないこと,(イ)部分合意を含め新たなアプローチが必要であること,更に,(ウ)年末の閣僚会議(MC8)に向け成果を出していくことが重要であることが指摘された。
  3. (3)また,保護主義の抑止について,2008年にAPEC首脳が表明したスタンドスティル(輸出規制を含む,新規の保護主義的措置の不導入)に関する約束を2015年末まで延長することが合意された。
  4. (4)枝野経済産業大臣からは,年末の閣僚会議でも保護主義抑止に向けた強い決意を発信すべき旨述べた。山口外務副大臣からは,世界の成長センターであるAPECとして,保護主義抑止を含め高い水準のコミットメントが必要である旨,また,ロシアのWTO加盟の実質的合意を歓迎する旨述べた。

2.米国の優先課題

 本セッションでは、米国年の3つの優先課題が議論され、玄葉外務大臣、枝野経済産業大臣、山口外務副大臣が出席した。

  1. (1)「地域経済統合と貿易の拡大」については、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)、中小企業、イノベーション等、各エコノミーが重視する点について意見の表明があった。玄葉外務大臣及び枝野経済産業大臣からは、ASEAN+3、ASEAN+6と並んで、TPP協定がFTAAP構想を追求していく上で基礎となる取組となる旨言及した上で、11日に野田総理大臣がTPP協定交渉参加に向けて関係エコノミーとの協議に入ることとした旨表明した。次世代型の貿易・投資課題のイノベーションについては、各エコノミーがイノベーションの重要性に対する認識を共有しつつ、イノベーション政策原則については、引き続き、首脳間での検討に付されることとなった。
  2. (2)「グリーン成長」については、環境物品・サービスの自由化について、精力的な議論が行われ、持続的な経済成長を実現する観点から極めて意義のある取組であるとの認識が共有され、合意に向けて相当の進展があった。しかし、最終合意には至らず、今後の作業の進め方について首脳間での検討に付されることとなった。この中で、枝野経済産業大臣が環境物品・サービス自由化の重要性を各エコノミー中最初に言及するとともに、山口外務副大臣が合意に向け流れを変える発言を行う等、我が国が議論の進展に大きく貢献した。

3.環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について

 我が国から,FTAAPに向けた道筋の中で唯一交渉が開始されているTPP協定に関し,11日に野田総理大臣がTPP協定交渉参加に向けて関係国との協議に入ることとした旨発表したことを議場の内外で紹介した。これに対し,幾つかのエコノミーから,今回の日本の発表を歓迎するとの発言が行われた。

2011年APEC閣僚会議(成果文書)



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