• Home
  • APECとは?
  • 日本APECについて
  • 会議・会合
  • 開催地情報
  • APEC TV
  • 取材情報
  • リンク

会議・会合

2010年日本APEC 閣僚会議(概要と評価)

平成22年11月11日
外務省・経済産業省

 11月10日及び11日,横浜において,APEC閣僚会議が開催された。前原誠司外務大臣及び大畠章宏経済産業大臣が共同議長を務め,APEC参加21エコノミーの外務大臣,貿易担当大臣等が参加した。今次会合の成果として,「共同声明」(PDF)及び「WTOドーハ・ラウンド交渉の進展と保護主義の抑止に関する閣僚声明」(PDF)が発出された。会合における議論の概要は以下のとおり。

I 概要

1. 多角的貿易体制の支持と保護主義の抑止
  1. (1)ラミーWTO事務局長から,ドーハ・ラウンド交渉の進捗状況及び今後の交渉の進め方,保護主義抑止にWTOが果たした役割等についての報告が行われた。
  2. (2)これを受けて閣僚間の議論では,ドーハ・ラウンド(DDA)交渉について,バランスのとれた野心的な妥結に導くとの決意を改めて確認するとともに,2011年が極めて重要な「機会の窓」になると認識され,切迫感を持って最終局面に向け交渉を進めていくべきとの意見で一致した。
  3. (3)また,保護主義の抑止のために,2008年にAPEC首脳が表明したスタンドスティル(輸出規制を含む、新規の保護主義的措置の不導入)に関する約束を2013年末まで延長することが合意された。
  4. (4)こうした成果を、「WTOドーハ・ラウンド交渉の進展と保護主義の抑止に関する閣僚声明」として取りまとめた。
  5. (5)この他,我が国より,今後,世界の人口増加,資源や食料の需給ひっ迫が予想される中,輸出の規制のあり方について議論を深めていくことが重要である旨言及した。
2. ボゴール目標※1
  1. (1)2010年の評価対象13エコノミー※2によるボゴール目標の達成状況報告書について議論を行い,これを承認して首脳へ提出することが決定された。
  2. (2)評価対象エコノミーはボゴール目標の達成に向けて顕著な進展を遂げたとの共通の認識に達した一方,更に作業が必要な課題が残されており,APEC全体として,貿易・投資の自由化・円滑化を更に推進していく必要があるとの認識が得られた。
  1. ※1 ボゴール目標:1994年,インドネシア(ボゴール宮殿)でのAPEC首脳会議にて採択された宣言において掲げられた,先進エコノミーは2010年までに,途上エコノミーは2020年までに,自由で開かれた貿易及び投資を達成するという目標。
  2. ※2 2010年の評価対象エコノミー:日本,米国,カナダ,豪州,ニュージーランド,シンガポールチリ中国香港ペルーメキシコ韓国マレーシアチャイニーズ・タイペイ(下線は評価に自発的に参加する途上エコノミー)
3. 地域経済統合
  1. (1)アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けた方策について議論を行い,TPP,ASEAN+3,ASEAN+6等の広域経済連携を発展させることにより包括的な自由貿易協定として追求すること,また,APECにおいて投資,サービス,国際物流円滑化等の分野別イニシアティブを推進することによりその成果が最終的にFTAAPに結実するとの認識を閣僚間で共有し,議論の結果を首脳に報告することとなった。
  2. (2)我が国より,今般「包括的経済連携に関する基本方針」を決定し,この方針の下,二国間EPAを積極的に推進し,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については,国内の環境整備を早急に進めるとともに,関係国との協議を開始していく考えであることを説明した。
    これに対し,幾つかのエコノミーからは,今回の日本の方針を評価するとの発言が行われた。
  3. (3)国際物流の連結強化を目指す「国際物流円滑化に関する行動計画」(サプライチェーン・コネクティビティ・アクションプラン)が採択された、同計画は、2015年までに国際物流能力を時間・費用・確実性の観点から10%改善するとの数値目標を掲げるとともに、輸送インフラの不足や通関の非効率など、国際物流の連結強化に関する8つの問題点の改善を図るための行動が盛り込まれている。
  4. (4)これに加え、域内投資の増大に向けて,投資原則及び実践,投資円滑化並びに投資促進の3つを柱とする「APEC投資戦略」等のプロジェクトについて承認が得られた。
4. APEC首脳の成長戦略
  1. (1)世界の成長センターであるアジア太平洋の地域の成長をより確たるものとするため,「均衡ある成長」,「あまねく広がる成長」,「持続可能な成長」,「革新的成長」及び「安全な成長」の5つを達成することを目的とする,APECで初めての長期的かつ包括的な成長戦略について議論を行った。その結果,これを首脳に提出し、承認を得ることが合意された。
  2. (2)構造改革については,各エコノミーが2011年末までに自ら約束する優先事項,目的,政策及び2015年までの進展を評価する方法について提示し,実施を約束する「APEC構造改革新戦略」(ANSSR)が承認され,同戦略を積極的に進展させることが高級実務者に指示された。
  3. (3)我が国より,成長の底上げを図る意味でも人材養成や技術の普及が肝要であること,特に気候変動の分野では,原子力やCCS(二酸化炭素回収・貯留)等の低炭素技術の移転による貢献を適切に評価するオフセットメカニズム等の制度の構築が重要である旨発言した。
5. 人間の安全保障
  1. (1)経済活動の基盤となる安全・安心を確保するため,人間の安全保障について議論を行い,食料安全保障,感染症対策,テロ対策,災害への備え,腐敗防止,透明性の確保といった分野における取組の重要性が確認された。
  2. (2)APECで初めての食料安全保障担当大臣会合の開催が歓迎され,同大臣会合において策定された行動計画に基づき地域の食料安全保障の強化に取り組むことが確認された。
6. 経済・技術協力

 APEC地域における地域経済統合の深化,成長戦略の実施,人間の安全保障の推進等の活動を行う上で,更に強化されたAPECの経済・技術協力(エコテク)が重要な役割を果たし続けることが確認された。また,高級実務者によるエコテク活動のより効果的かつ効率的な実施に向けた中期優先事項の特定,重点的な資源配分方針の策定が歓迎された。

7. その他
  1. (1)2010年末に設置期限を迎えるポリシー・サポート・ユニット(PSU)の活動期限の3年の延長が合意された。
  2. (2)新規メンバー参加については,今後引き続き検討していくことが合意された。

II 評価

  1. 今次会合は,2010年日本APECの活動の集大成となる会合。2010年の優先分野として取り組んできた地域経済統合,成長戦略,人間の安全保障について,具体的な成果を得ることができ,首脳会議において目指す最終的な成果の基礎を築くことができた。
  2. アジア太平洋地域を取り巻く政治・経済環境が大きく変化する中,APECが地域が直面する課題に適切に対処し,更なる成長と繁栄を実現していくための将来像について閣僚間で共通認識を得ることができたことは大きな成果といえる。
  3. また,WTOドーハ・ラウンド交渉の進展と保護主義の抑止に関する閣僚声明を発出し,APEC全体としてドーハ・ラウンドの早期妥結が重要であり,交渉終結に向けた具体的な行動をとることについて閣僚間で強力な政治的意志を再確認できた。このことにより,交渉の妥結に向けた力強いメッセージを打ちだし,また,直後に開催されるG20ソウル・サミットやAPEC首脳会議の議論に方向性を与えることができた。
  4. さらに,2008年にAPEC首脳が合意したスタンドスティル(輸出規制を含む、新規の保護主義的措置の不導入)について2013年末まで延長することに合意したことは,APECとして保護主義の抑止に更に全力を挙げていくことが確認されたという点で,意義が大きい。
  5. 産業界の関心の高い貿易・投資にかかる個別分野において、国際物流円滑化に関する行動計画や、APEC投資戦略など、具体的な成果を得ることができた。
  6. なお,今次会合の開催にあたっては,地元住民の参加も得た積極的な事前広報や会議参加者を歓迎するための様々な取組が行われるなど,横浜市・神奈川県をはじめとする地元関係者からの多大な協力を得られた。政府と地元自治体等の連携のもとに「日本の強み」を生かしたおもてなしが実現し,出席閣僚等から高い評価が得られた。

ページの先頭へ

  • 中村勘三郎に聞く「APECと21世紀の和」 Special Interview
  • ぐっさんと知ろう!そこでもここでもAPEC
  • APEC TV 教えてAPEC!
  • 浦田教授と木佐さんと4つのテーマで考える 仕事に役立つAPEC!
  • 根本美緒レポート APEC初!女性企業家サミットに密着
  • 「APECに期待すること」21人のビデオレター