経済

中間評価報告書

1. 背景

 1994年の首脳会議において、先進エコノミーは遅くとも2010年までに、途上エコノミーは遅くとも2020年までに、自由で開かれた貿易及び投資という目標(ボゴール目標)を達成するとの首脳宣言を採択。その後、2001年の首脳会議において、先進エコノミーにおけるボゴール目標の達成期限である2010年との中間に当たる2005年に、ボゴール目標に向けた全般的進展の中間段階での現状把握を行うべきことで合意。

2. 報告書の概要

 「概観」、「達成状況」、「今後の課題」及び「ボゴール目標に向けての道程」の4章から成る。各章の概要は以下のとおり。

(1) 概観

 「自由で開かれた貿易及び投資」というボゴール目標は固定されたものではなく、ボゴール目標採択時には見られなかったグローバリゼーション、地域統合の進展等国際的な貿易環境の変化を踏まえ、現在では貿易自由化に直接関係する国境措置だけでなく、円滑化や基準の標準化、入国管理等の国内措置にも対象が拡がっていると捉えるのが重要である。

(2) 達成状況

 WTO交渉での貢献、経済・技術協力等を通じ、APEC域内で関税削減(APEC発足時にはAPEC全体で16.9%だった平均関税率は2004年には5.5%に削減)及び非関税措置の撤廃が行われ、全体として貿易障壁の削減及び貿易制度の透明性向上を達成。APEC発足時に比べ、域内におけるモノ及びサービスの貿易は3倍以上(サービス貿易だけで2倍以上)に拡大。他方、投資環境については、APEC域内への対外直接投資は大幅に拡大しているものの、サービス分野では未だ制限が存在。対内直接投資額は2000年に発足時の5倍まで拡大したが、その後発足時の1.5倍の水準まで減少。

(3) 今後の課題

 ボゴール目標は、その設定時に比べ、より野心的かつ複雑となり、国内措置に政策的関心が移転。APECは、法的拘束力を有しないフォーラムであることを利点としつつ、有効性を高めるための改革に取り組むとともに、今後も多角的貿易体制の支持、経済・技術協力、質の高いFTAの進展、投資の自由化・円滑化、貿易円滑化等に取り組む必要がある。

(4) ボゴール目標に向けての道程

 国内措置に焦点を当てつつ、以下を推進する。

(イ) 多角的貿易体制の支持

(ロ) 共同行動計画及び個別行動計画(注1)の強化

(ハ) 質の高いFTAの推進

(ニ) 貿易取引費用の削減、模倣品・海賊版対策、構造改革等の国内措置及び貿易の安全のための取組に焦点を当てた釜山ビジネス・アジェンダの採択

(ホ) 能力構築の強化

(ヘ) パスファインダー・アプローチ(注2)の活用

(注1)ボゴール目標の達成のための自主的な取組を推進するための計画。個別行動計画は毎年各エコノミーが提出するほか、3年に一度内容が審査される。

(注2)対応可能な一部のエコノミーがAPECの活動を先行的に実施できることとしたもの。その後の幅広い参加を奨励することでAPEC活動の推進に寄与。

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