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日米外相会談(概要)

平成23年9月20日

(写真)日米外相会談(概要)

 19日午後4時40分(現地時間)から約40分間,訪米中の玄葉外務大臣は,クリントン国務長官との間で日米外相会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭~日米関係総論~

 冒頭,玄葉大臣より,東日本大震災での米国の多大な支援に改めて感謝するとともに,新内閣においても,日米同盟は日本外交の基軸であり,成長センターであるとともに不安定な要因が存在しているアジア太平洋地域の平和と安定のための公共財であるとの認識を説明した。また,日米関係を安全保障,経済,文化・人的交流の三本柱を中心に一層深化・発展させていきたい旨述べた。

 これに対し,クリントン長官より,日米は地域の問題やグローバルな問題に取り組んでおり,米国としては,日米同盟を更に強化する取り組みにコミットしている旨応答があるとともに,日本が震災で苦しい状況にある中で,国際社会での役割にコミットしていることを評価する旨言及があった。

2 日米関係~各論~

(1)要人往来

 玄葉大臣から,適切なタイミングでワシントンDCを訪問したいと述べたのに対し,クリントン長官から,歓迎する旨応答があった。

(2)安全保障

 玄葉大臣から,6月の「2+2」で打ち出された新たな共通の戦略目標や具体的な安保・防衛協力の方向性などの成果に基づき安保・防衛協力を着実に進めていきたい旨述べた。また,普天間飛行場の移設や在沖縄海兵隊のグアム移転を含む在日米軍の再編について,引き続き日米合意に従って進めていきたい,その際,沖縄の負担の軽減も重要であり,米側から更なる協力をお願いしたい旨述べた。

 これに対し,クリントン長官からは,米国内の状況について言及の上,具体的な進展を期待する旨の応答があった。

(3)復興・経済

 経済分野では,各種の二国間対話・協力をさらに進めるとともに,今年の米国APECの成功に向けて,緊密に連携をとりあうことで一致した。また,玄葉大臣から,TPPについて,しっかりと議論し,できるだけ早期に結論を出したい旨伝え,米国産牛肉輸入問題についても,双方が受入可能な解決に向け協議を継続していきたい旨述べた。

(4)宇宙協力

 米国から要望を受けていた日米間の宇宙枠組協定の締結交渉を開始することで一致した。

(5)文化・人的交流

 玄葉大臣から,最近,日本から米国への留学生数が減少していることを懸念しており,特に,青少年の交流促進に取り組んでいくとの考えを述べたの対し,クリントン長官より同意が示された。

(6)原子力安全

 玄葉大臣から,東京電力福島第一原発事故への対応に関し,米国の支援に改めて感謝を述べるとともに,来年後半にIAEAと共催で閣僚級の原子力安全に関する国際会議を日本で開催する予定である旨説明した。

(7)子の親権

  玄葉大臣から,ハーグ条約を早期に締結できるよう国内担保法案の作成等国内での作業について説明したのに対し,クリントン長官から,謝意が表明されるとともに,本件は米国内で引き続き優先順位が高い課題である旨言及があった。

3 アジア太平洋地域情勢

(1)総論(含:EAS)

 EASについて,玄葉大臣から,政治・安全保障分野の取組の強化等を通じて,特に,地域の共通理念や共通ルールを確認・強化し,具体的協力につなげることができる首脳主導のフォーラムとして発展させたい旨述べるとともに,南シナ海を巡る問題解決の重要性を指摘した。

(2)中国

 玄葉大臣から,新政権発足後,日中の首脳間,外相間の電話会談で,「戦略的互恵関係」,Win-Winの関係を一層進化させることで一致するなど確実に改善している日中関係について説明した。

(3)北朝鮮

 引き続き日米韓の緊密な連携を維持していくことで一致し,当面は北朝鮮側の具体的行動を引き出すべく二者間の対話を重ねていくことが適切であることを確認した。拉致問題について,玄葉大臣から,改めて米国の支持に感謝しつつ引き続きの協力を要請した。

4 グローバルな課題

(1)アフガニスタン

 クリントン長官から,アフガニスタンの安定,経済発展に対する日本の取り組みを評価する旨の表明があった。

(2)国連安保理改革

 玄葉大臣から,国連安保理改革は日本にとって重要な案件であり,米国ともよく相談していきたい旨述べたのに対し,クリントン長官からは,国連安保理改革を支持する,日本を含まない改革は考えられない旨述べた。

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