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2006年度予算教書(概要)


平成17年2月7日


 2月7日(米国時間)、ブッシュ大統領は、2006会計年度(2005年10月~2006年9月)の予算教書を議会に対して提出したところ、概要は以下のとおり。

(注)予算教書1とは、米大統領が議会に示す予算の編成方針。一般教書、大統領経済報告と並び「3大教書」と呼ばれ、毎年2月初めに議会に提出される。


【米国3大教書】
種類(実施日) 内容
一般教書(2/2) 上下両院に外交や内政情勢を報告し、今後1年間の施政方針を表明
予算教書(2/7) 来年度予算案の編成方針を大統領が議会に提示
大統領経済報告(2/14) 当面の経済情勢に関する判断を示す(CEA(大統領経済諮問委員会)が作成)


1.一般教書での発言

ブッシュ大統領は2月2日の一般教書演説の中で、内政関係については社会保障制度(年金)改革、税制改革、教育改革、エネルギー政策、ヘルスケア、また外交関係についてはテロとの闘い、自由・民主主義の促進、イラン・イラク問題などを重点課題として挙げた。

財政に関しては、アメリカの繁栄を持続させるためには連邦政府による財政規律が必要と改めて強調。具体的には、1)裁量的経費の伸びをインフレ以下に抑え、財政赤字を2009年までに半減させる、2)効果が認められない、あるいは重複したり必須の優先課題を満たさない150もの政府プログラムを削減ないし廃止していく、と言及。


2.財政見通し

2006年度予算は、歳入2兆1,780億ドル(前年度当初比6.1%増)、歳出2兆5,680億ドル(同3.6%増)、財政赤字は3,900億ドルとなる見通しである。なお、2010年度までの5年間に累積赤字は1.4兆ドルに膨らむ見込み。

裁量的経費については、裁量的支出の伸び率をインフレ率以下(2006年のインフレ率予想:2.3%)の2.1%に抑制し、伸び率を実質マイナスに抑制させる見込み。国防費は4,190億ドルと前年度比4.8%の増加、国土安全保障費は320億ドルと前年度比3.2%の増加に抑える見通し。また、地域開発や教育関係のプログラムの見直しを実施し、150以上の政府事業を大幅削減又は廃止を検討しており、国防費・国土安全保障費を除く裁量的支出は3,890億ドルと前年度比▲0.5%の削減を計画している。この結果、裁量的支出全体は前年度比2.1%増の8,403億ドルの支出となり、ブッシュ政権の下では最低の伸び率となる。一方、義務的経費については、前年度比5.5%増の1兆4,100億ドルを見込んでいる。

2005年度の財政赤字は、イラクやアフガニスタンへの支出が増加したことから、4,270億ドルと3年連続で過去最大を更新する見通しとなっている。

2009年度の財政赤字は2,330億ドルを見込んでおり、ブッシュ大統領が昨年2月の2005年度予算教書当初に発表した2005年度財政赤字5,210億ドルを2009度までに半減する公約は達成できるとの見通しを示した。

ただし、今後の赤字の減少幅については、更なるイラク戦費等の追加、年金改革等の具確定要因があること、また減税恒久化、年金改革の影響が大きくなる2011年度以降の長期見通しは示されていないことに留意する必要がある。

【財政収支見通し推移】
財政収支見通し推移
財政収支見通し推移

3.2006年度予算案

(1)歳入 2兆1,780億ドル
 (イ)ブッシュ減税の恒久化:5年間で▲534億ドル、10年間で▲1.1兆ドル
 (ロ)貯蓄優遇税制の導入:5年間で+141億ドル、10年間で▲151億ドル
 (ハ)税制改革:簡素かつ公平で、経済成長を促進する税制を構築

(2)歳出 2兆5,680億ドル
(うち裁量的支出9,220億ドル、義務的支出1兆4,100億ドル、利払い費2,110億ドル、補正追加のうち2006年度歳出化分250億ドル)
(注) 裁量的支出 支出総額が決定されているもので、連邦債への利息や義務的支出を除く予算を示し、国防費、経済協力予算、各省庁への経費などを含んでいる。
  義務的支出 社会福祉関連や年金費用など法律によって受給資格を有する者に自動的に支払われる経費が中心であり、代表的なものとしては、社会保障、メディケア、メディケイド、退職年金がある。この経費の水準を変更する場合には、受給資格に関わる法律本体を修正しなければならない。
(イ)裁量的支出(歳出権限ベース8,403億ドル)

国防費(4,193億ドル)は前年度比4.8%増、国土安全保障費(320億ドル)は前年度比3.2%増と、伸び率を抑制。また非安全保障分野(3,890億ドル)もレーガン政権以来となる厳しい歳出抑制となり、前年度比▲0.5%の減少。この結果、裁量的支出全体では、前年度比2.1%増の8,403億ドルに抑制する。

裁量的支出の主な内訳は以下のとおり。
  1. 国防費
    次世代戦闘機、次世代原潜、ミサイル防衛等の予算を見直し、前年度比+4.8%増の4,193億ドルを計上するものの、2001年度~2006年度の平均増加率6.7%を下回る伸びに抑制。
  2. 政府事業の削減
    施策の優先度合い、連邦政府の役割、及びPART(Program Assessment Rating Tool、プログラム評価採点ツール)による評価に基づき、政府事業施策の見直しを行い、150以上のプログラムを大幅削減又は廃止することにより、▲200億ドルを削減。
  3. 教育
    教育改革「No Child Left Behind Act」の下、低所得地域の学校助成金15億ドルを計上。
  4. 研究開発予算
    過去最大の1,320億ドル(前年度比1%増)を計上。
  5. その他
    住宅都市開発省予算▲11.5%、農務省予算は▲9.6%、運輸省予算▲6.7%、環境省予算▲5.6%、教育省予算▲0.9%。


(ロ)義務的支出(1兆4,100億ドル)

義務的支出の主な内訳は以下のとおり。
  1. 2009年以降、個人勘定を導入し年金改革を実施。
  2. メディケア(高齢者医療給付)は、2003年改正で導入された外来処方薬給付を開始(2006年1月)。
  3. メディケイド(低所得者医療給付)は、制度の実施者である州の裁量を拡大する一方で、給付の効率化を図り、10年間で▲1,370億ドルを削減。


4.財政規律回復のための枠組み

(1) 裁量的経費
今後、5年間の歳出額を今回の予算教書見通しの範囲内に抑制するCap制を導入し、これを超過した場合には、例外経費を除いて一律削減を行う。

(2) 義務的経費
歳出を増加する改正を行う場合には同額の他の歳出の削減(増税は対象外)を行うこととし、これを超過した場合には、例外経費を除いて一律削減を行う。

(注) Cap制、Pay-as-you-go原則は1990年予算執行法(Budget Enforcement Act of 1990)で導入され、1993年及び1997年にわたって延長されたが、2002年度末に失効した。2004年度、2005年度の予算教書では、Cap制、Pay-as-you-go原則の復活等が提案され、2004年度予算審議では具体的な動きに至らなかったものの、2005年度の予算決議案では、上下両院の案に、それぞれPay-as-you-go原則が盛り込まれた。最終的には、下院が単年度、上院共和党穏健派が複数年度のルール適用を主張して調整が付かず、2年連続で予算決議が成立しなかった。


5.政府経済見通し

行政管理予算局(OMB)が発表した、analytical perspectiveによると、米国政府の予算教書が前提とする経済見通しは以下のとおり。

(1)実質GDP成長率

2004年の実質GDP成長率は4.4%と、5年ぶりの高い成長率を記録した。今回の予算教書では、2005年には3.6%、2006年は3.5%、2007年以降は3%台前半で推移するとの見通しを示した。

実質GDP成長率

(2)失業率

2004年の平均失業率は、5.5%と前年比0.5%の改善。2005年以降は、更に改善が見込まれ、5%台前半で推移する見通し。

実質GDP成長率

(3)消費者物価上昇率

2004年の消費者物価上昇率は、エネルギー価格の高騰から2.7%に上昇。2005年以降は、2.4%前後で推移する見通し。

消費者物価上昇率



1.米国では、議会に予算編成権があり、また、行政府には法案提出権がないため、議会が歳入、歳出に関する予算関連法案を独自に作成して審議する。したがって、通常予算教書は議会に対する大統領の提案に留まり、何ら拘束性を有していない。このように、予算教書は法的には参考資料程度の意味しかないが、実際上は問題のない部分はそのまま受け入れられる。また、議論の余地がある部分についても歳出法案について大統領が拒否権を行使することができるため、議会とホワイトハウスとの交渉により予算教書の内容を歳出法案にかなり反映させているのが実情である。


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