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「行動計画21」:21世紀における日本と英国

平成11年9月

 21世紀は共有された利益と共通の課題によって結ばれた日本と英国の特別なパートナーシップにとり新たな機会を提供している。日本は英国のアジア・太平洋地域政策の中心であるとともに、英国は日本にとり欧州における選ばれたパートナーである。1999年6月の小渕総理とブレア首相の会談を踏まえ、1998年1月東京で発表された「21世紀に向けての共通ヴィジョン」を基礎において、新たな行動計画を策定することとした。1999年9月高村外相とクック外相が発表した新たな「行動計画21」を通じて、日英両国は、以下の21分野でより親密かつ広範な協力を行うことを期待している。また、「行動計画21」の進捗状況は、定期外相会談等の機会に検討・改訂される。

I.人と人とのつながり
1.教育
2.文化・スポーツ
3.日英21世紀委員会
4.議員交流
5.政府職員の交流
6.地域交流
7.非政府団体(NGO)

II.お互いの繁栄
8.貿易と投資
9.金融
10.世界貿易及び国際金融
11.科学技術
12.健康、社会福祉
13.雇用
14.行政改革

III.よりよい世界
15.外交、安全保障、紛争予防及び平和維持
16.国連改革
17.人道及び開発援助
18.環境
19.軍縮・不拡散
20.人権
21.テロ対策、犯罪及び麻薬

Ⅰ.人と人とのつながり

 我々は人と人のつながりをあらゆるレベルにおいて強化する。特に青少年間の相互理解、交流、共同活動は、21世紀におけるより強固な二国間の関係に資するものである。

  1.「教育」
 日英は21世紀の教育に関し共通の目標と関心を有する。ケルンG8サミットにおいて、各国首脳は生涯学習に向けての目的と希望に関する憲章(ケルン憲章)を支持し、各国において教育水準を高めていく決意を強調した。日英は既存の協力を強化するとともに新たな協力分野の決定をも含めこの憲章を実行する方策につき共に模索する。

 日本政府は今後ともJETプログラムを支援していく。このプログラムにより、これまで計約4500名の英国の若者が日本をよりよく知る機会を得ている。両国政府は両国の学校の間のインターネット・リンクを推進する。JETプログラムにより現在日本の学校に在籍する英国から派遣された1200名のアシスタント英語教師を通じで新たな学校間のリンクの構築を奨励する。

 両国政府は、また、学生、教員等の交流を促進するとともに、国際機関を通じた協力を検討する。

 日英の青少年が、お互いの国に1年間を限度に滞在することを通じて、相手の国、文化、人、社会及び生活様式について経験し、理解を深める機会を提供するための制度が導入される。両国の青少年は、相手国に滞在する間、滞在費を補うために一時的に仕事をすることができる。

  2.「文化・スポーツ」
 日本における英国祭UK98は文化及びスポーツ等によるつながりに大きな刺激を与えた。2001年に英国で開催される大型の日本文化、教育、スポーツ行事である「JAPAN 2001」はこれらのつながりを更に強化するものである。「JAPAN 2001」は、芸術文化、伝統文化、日本の地方文化、大衆文化、生活文化の紹介を参加型行事に重点を置きつつ促進する。

 あらゆるレベルの日英間のスポーツ・チームの交流、競技力及び指導技術の交流を充実させるためのイニシャティブを奨励する。
 英国は、2000年に日本全国でサッカー及びサッカー施設の展示を行う。

  3.「日英21世紀委員会」
 両国政府は、今後とも、二国間関係の種々の分野に推進力を与える方策につき両国政府に対し建設的提案を与えることを目的とする「日英21世紀委員会」を支援する。

  4.「議員交流」
 1998年春に成功裏に開催された英国と日本の国会議員による共同議会セミナーは、この種の会合としては初めてのものであった。第二回セミナーが1999年に英国において開催される。両国政府は、今後とも日英の議員間交流の継続を支援する。また、これらの交流がより緊密な結びつきを奨励するための共同活動のみならず、幅広い政策分野をカバーするものになることを望むものである。

 1998年10月に成功裏に実施された日英国会議員ラグビー親善試合に引き続き、日本の国会議員は9月に英国で開催される初めての議員ラグビー・ワールド・カップに参加する。

  5.「政府職員の交流」
 日英両国間では、両国の外務省及び大蔵省、通産省と貿易産業省、郵政省と貿易産業省、金融監督庁と金融サービス機構等を含む人事交流、研修が成功裏に実施されている。両国は、その他の省庁間においても、新たな人事交流、短期の交流や訓練の機会を通じてこの様な交流を増大させる。

  6.「地域交流」
 日英の地方間の結びつきはあらゆるレベルでの文化、政治関係に新しい方向性を与えるものである。両国政府は、姉妹都市交流等の協力に関心を有する地方自治体を支援するため情報提供を行う。JAPAN2001はこの様な結びつき強化の奨励にとり重要な役割を果たす。

  7.「非政府団体(NGO)」
 市民社会は効果的な開発及び人道的支援にとって重要な役割を果たしてきており、非政府団体はその重要な部分である。両国のNGOの間に緊密な結びつきは、日本と英国及び途上国の市民社会におけるより緊密な協力と効率的な取り組みにとって有益な出発点である。日英両国は、NGOの職員がともに働き、相互理解、情報交換を積み重ね、更なる協力のためのチャネルを強化する方途を探求する。

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II.お互いの繁栄

 両国政府は、経済、科学技術、健康、社会福祉、雇用及び行政改革の分野において共通の課題に直面している。日英の政府及び非政府部門での一層の緊密な協力は21世紀における繁栄を更に充実したものとする。

  8.「貿易と投資」
 日英は、双方のビジネス及び規制環境が貿易と投資を促進することを確保するよう取り組む。英国は、高技術・高付加価値経済の発展及び両国の相互理解の進展に貢献し続けている日本の製造業及びR&Dへの投資にとって今後とも魅力的であることを引き続き確保していく。日本国政府は、日本経済の国際化・活性化のため英国からのものを含め対日投資促進に真剣に取り組んできている。

 両国政府は、他国における同種のキャンペーンの見本ともなった「アクション・ジャパン」キャンペーンを引き続き強く支持する。両国政府は、日本貿易振興会(JETRO)と英国国際貿易庁が協力関係を深めることを支持する。

 両国政府は、これまで多くの実績を上げてきている第3国における商業ベースでの協力を今後とも支援する。通産省・ECGD(ExportCreditGuaranteeDepartment)間及び日本輸出入銀行・ECGD間で今後とも更に協力していく。

  9.「金融」
 東京とロンドンは世界最大の金融センターの2つであり続ける。両国政府は、両国市場を改革し、自由化させるため、日本と英国の金融機関の間の協力を促進する。

 日英は、両国の財政及び金融当局間の協力を今後とも促進し、金融監督や市場改革の手法等に関する意見交換を促進する。

  10.「世界貿易及び国際金融」
 世界の先進進経済であり貿易国家として、日英両国は、貿易問題に関し多くの共通の認識を有している。我々は、次期交渉をとおして緊密に対話を行っていく。両国政府は、シアトルにおける閣僚会合の際に、途上国を含む各加盟国の様々な関心に応え、バランスのとれた結果を達成しうる包括的な新たなラウンドの開始を期待する。

 G7蔵相による国際金融改革に関する進捗を歓迎し、両国政府は、国際金融システムの強化、特に短期資本移動への対応、国際金融機関(IFIs)の改革及び民間金融部セクターの更なる関与に向け緊密に協力する。

  11.「科学技術」
 英国と日本との間の科学技術に関する結びつきは既に進展している。既に200近くの共同研究プロジェクトが実施されているとともに100以上の日本の研究施設が英国において活動している。両国政府は、若手科学者の交流、大学、研究所及び民間部門での科学、エンジニアリング及び技術分野での交流を更に奨励する。

 本年6月の日英対話を踏まえ、両国政府は、科学技術分野における両国国民の関心を促進する。両国政府は、引き続き、1999年に第14回会合が行われた「日英ハイテク産業フォーラム」の活動を今後とも支援する。

 両国政府は、研究、品質評価・品質改良、海洋及び地球環境、ゲノム(染色体)及び生命科学分野での専門家交流等の協力を促進する。

 両国政府は、政府資金による研究やベンチャー・キャピタルからの技術移転に関する経験や情報を交換する機会を早期に見つける。

 日英は、電子商取引の重要な分野における、技術的な問題点に関して緊密な意見交換を継続する。

  12.「健康、社会福祉」
 高齢化社会及び高齢者、障害者、社会保障関連の諸問題は、21世紀の日英両国にとり重要な問題である。両国政府は、これらの問題に対処するため専門家交流、情報交換を促進する。また、社会保障分野における非営利活動の交流を奨励する。

 両国政府は、日英社会保障協定の案文につき合意し、仮署名を行っており、早期の協定締結に向けて作業する。

  13.「雇用」
 失業の減少、再訓練及び21世紀の労働市場に備えることは両国にとり重要な目標である。こうした問題は、G8の枠組みにおいて議論されてきている。その一つとして、G8各国の労働大臣は神戸雇用会議(1997年11月)及びロンドンにおける成長と雇用に関する8ヶ国会合(1998年2月)において、活力ある高齢化」の実現の重要性について確認した。神戸雇用会議のフォローアップとして、1999年9月に東京で開かれる「活力ある高齢化」に関するシンポジウムにおいて、高齢者の雇用と社会参加の問題が話し合われる予定である。

 日本と英国は、雇用の分野における経験や好事例に関する意見交換についての協力を継続する。

  14.「行政改革」
 行政の改革及び規制緩和は重要な目標である。両国政府は、この分野における交流や訓練及び情報の共有を促進する。両国政府及び民間企業は既にPFIによる公共サービスの提供及び民間部門の訓練を促進している。

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III.よりよい世界

 グローバルな諸問題に協力して取り組むことは、より良い国際社会構築の一助となる。この目的のために、我々はG8九州・沖縄サミットの準備を協力して行う。

  15.「外交、安全保障、紛争予防及び平和維持」
 日英は、広範囲な外交問題に関する二国間及びG8における協力により恩恵を受けている。両国による交流、協議、共同対処及び協調は、アジア、欧州、中東、バルカン半島その他の地域において両国が外交政策の目的を追求する上で大きな役割を果たしてきた。両国政府は、更に緊密に協力し、外交分野での政策協調に関する特別なパートナーシップを発展させる。

 両国政府は、安全保障分野における多数国間の枠組みでの協力に加え、PM協議、防衛当局間協議を始め軍種間をも含めた様々なレベルでの相互訪問・交流の充実を更に推進する。

 1997年及び98年の平和維持・平和構築に関する協力の成果を更に発展させる。両国政府は、紛争予防、人間の安全保障が重要であると考えており、これらの問題については、1999年12月にベルリンで開催される紛争予防についてのG8外相会談の文脈及び日本の2000年G8議長国の期間に緊密に協力していく。

 EUと日本の戦略的関係は重要性が増している。両国政府は、協力してこの関係を高めるとともに共同の活動を発展させる。ASEM2に向けての日英協力の成果を踏まえ、両国政府は、ASEM3の成功に向けても緊密な協力を続けていく。両国は、ASEM関連活動を一層促進すると共にヴィジョン・グループ報告書のレビュープロセスに積極的に関与するため更なる協力を行っていく。

  16.「国連改革」
 両国政府は、国連安保理の改革の早期実現を目指して引き続き緊密に協力する。英国は日本の国連安保理常任理事国入りの早期実現に対する強い支持を再確認する。

 両国政府は、財政、開発分野の包括的な改革を通じ、国連制度の効率性、実効性の向上に向けて、全ての加盟国の利益に資するため、引き続き様々な協議の場において協力していく。

  17.「人道及び開発援助」
 両国政府は、今後とも、協力関係強化のため本部及び現地での協調と協力、国際的な政策協議、情報交換、及び合同評価の継続を含め、貧困国における協力の機会を探求する。

 両国政府は、日本が1998年10月に開催したTICADⅡのフォローアップ・プロセス、特に一連の債務管理セミナーの成功に向けて協力を行う。

 1998年に日本で成功裏に開催された第1回会合に引き続き、1999年に英国において南アジアの経済発展に関するセミナーを共催する。

 両国政府は、引き続き、国連地雷アクション・サービス(UNMineActionService)が人道的地雷活動の国際的コーディネーターとして果たしている役割を支援する。

 英国は、開発学を学ぶ日本の学生、研究員に奨学金を提供する。

  18.「環境」
 両国政府は環境政策協議を毎年開催する。

 両国政府は、第三国における共同環境支援プロジェクト、様々な分野における専門家の交流、気候変動、生物多様性及び環境技術に関する協力を進める。特に、気候変動について、両国政府は、京都議定書の発効に関する国際交渉の成功のため緊密に意見交換を行う。

 両国政府は、内分泌攪乱物質について両国間で研究を行うための合意作りに向け協力する。また、気候変動モデリングや油汚染除去等の分野における協力の可能性を探求する。

  19.「軍縮・不拡散」
 「核不拡散・核軍縮に関する東京フォーラム」の提言に留意し、両国政府は、核軍縮・核不拡散の分野において引き続き協力して取り組む。

 両国政府は、1999年10月のCTBT批准促進会議の成功、CTBTの早期発効、カット・オフ条約交渉の早期再開及び締結に向けて協力する。また、NPT2000年再検討会議の成功及びインド、パキスタン両国による安保理決議1172の履行に向けて努力すると共に、旧ソ連諸国における核安全及びロシア連邦における余剰プルトニウムの廃棄についても協力する。

 両国政府は、小火器の不拡散に向けた小火器政府専門家グループが準備した国連事務総長報告を踏まえ、小火器に関するEU共同行動の原則に則った取り組みにおいて緊密に協力する。

 両国政府は、通常兵器移転に関する義務及び透明性の促進、ミサイルの拡散の問題に向けた効果的な手段、及び生物兵器禁止条約強化のための議定書に関する交渉の早期の妥結に向けて協力していく。

 両国政府は、今後とも、適切な国際フォーラムにおいて対人地雷の可能な限りの禁止を求めていく。

  20.「人権」
 日英両国は、国内外における人権の促進が重要であると考える。両国は、定期的な意見交換、専門家の交流を行うとともに、第三国における共同プロジェクトの可能性を探求する。

  21.「テロ対策、国際犯罪及び麻薬」
 両国政府は、テロ対策に関する意見交換を定期的に実施し、引き続き緊密に協力していく。

 国際犯罪と麻薬双方の脅威への緊密な取り組みには既に進展している。両国政府は、更に緊密に協力する機会を探求する。

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