水と衛生分野の公益企業に対し、訓練および技術支援を実施。具体的な内容は戦略的事業計画の策定、ジェンダー・メインストリーミングおよび女性の地位向上の側面、経営改善計画の作成と実行、水需要の管理、請求書作成と料金徴収、顧客ケアおよびブロック・マッピングであった。これらの訓練および技術援助によって、効果的・効率的な給水サービスを、持続可能かつ採算が合う事業として提供する能力が改善された。
ピアツーピア方式による情報交換メカニズムによって、事業経験に関する公益企業間の実用的な情報交換の機会が設けられた。例えば、ケニアのビクトリア湖地域およびキベラの事業への介入の結果、ごみ処理事業に関する水道・衛生サービス提供者の能力が改善した。
「アフリカのために水を」プログラムおよび「ビクトリア湖周辺地域の水と衛生に関するイニシアティブ」の下で、アフリカの10の都市で始まった衛生分野でのマイクロクレジット・プログラム(対象は母子家庭)を通じて、貧困層の衛生ニーズに対する地方自治体、NGOおよび市民団体の対応力は著しく高まった。
「ビクトリア湖周辺地域の水と衛生に関するイニシアティブ」にとっての重要な前進は、同プログラムを5カ国の新たな15都市に拡大することを目的としたプロジェクト形成調査の実施である。この調査は「アフリカ水ファシリティー」によって資金を得ており、今日ではほぼ終了している。その後の投資に必要な資金繰りに指導的な役割を果たすことが期待されているアフリカ開発銀行は、合計1憶5千万ドルを越す資金調達パッケージを準備するものと予想されている。
2009年には、MDGを追跡し、水道・衛生サービス提供者のベンチマーキングを改善するためのモニタリングの取り組みがいくつか実施された。最初の取り組みは、Google.orgとの協力による「情報と権限提供のためのモニタリング・サービス・イニシアティブ(h2.O Monitoring Services to Inform and Empower Initiative)」である。ザンジバルでの同イニシアティブのフェーズIは軌道に乗って順調に進んでおり、2010には終了予定である。
2009年には、ビクトリア湖イニシアティブの下で衛生分野でのマイクロクレジット・プロジェクトが9つの都市で開始された。プロジェクトの目的は、9000世帯に手頃な価格の衛生設備を提供すること、また貧困層の衛生設備へのアクセス拡大のための実行可能なアプローチを証明することであった(囲み記事2を参照)。プロジェクトは地域の貯蓄の動員、現地の地域団体・職人の訓練(低価格トイレ作り)を通じて著しい成果を挙げている。また、地方自治体、NGO、地域団体および小規模融資機関など、地域レベルでのパートナーシップの強化に役立っている。