中東

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第1回シリア・フレンズ会合
(概要と評価)

平成24年2月24日

(写真)ステートメントを行う山根外務副大臣
ステートメントを行う山根外務副大臣

 2月24日(金曜日),チュニス(チュニジア)において,第1回シリア・フレンズ会合が開催され,我が国から山根外務副大臣が出席したところ,概要と評価は以下のとおり。

1.会合の概要

  1. (1)日時:2月24日(金曜日) 15時20分~20時00分
  2. (2)場所:チュニス(パレス・ホテル)
  3. (3)議長:アブデッサレーム外相(チュニジア),ハマド・ビン・ジャーシム首相兼外相(カタール)
  4. (4)参加者:計約70国・機関の閣僚級
    ガリユーン・シリア国民評議会(SNC)議長等が参加。

(注)主要国等からの参加者は以下のとおり。
クリントン米国務長官,ジュペ仏外相,ヘーグ英外相,ヴェスターヴェレ独外相,アシュトンEU上級代表,ダーヴトオール・トルコ外相,エル・アラビー・アラブ連盟事務総長

2.議論の概要

(1)会合の流れ

 アブデッサレーム・チュニジア外相及びマルズーキ同大統領の開会挨拶に続き,各参加国・機関の代表が発言(含,ガリユーンSNC議長)。会合終了後,議長より,1)政治移行ロードマップを含むアラブ連盟による行動計画・決定への支持,2)シリア当局への措置実施(それらは武器禁輸,渡航禁止・資産凍結・投資禁止,シリア産石油購入停止,外交関係の縮小を含むべきとされている),3)平和裡の民主的移行を追求するシリア人の正当な代表(a legitimate representative)としてのシリア国民評議会の承認,及び,シリア反体制派への関与強化・現実的な支援供与,4)シリア当局に対する,人道支援供与のためのアクセス許可要求及び人道支援調整のための「シリア人道フォーラム」の創設の歓迎,5)シリアの経済復興・開発に関する作業部会の設置,等を内容とする議長総括が発出された。次回フレンズ会合は3月にトルコが主催し,次々回会合は仏が主催予定。

(2)議論の概要

  1. 1) 多くの参加国が,シリアでの11ヶ月に亘る弾圧は到底容認できず,シリア当局が直ちに暴力を停止し,人道支援のためのアクセスを確保し,アラブ連盟が提示した移行プロセスを実施すべきことを指摘。また,国連安保理が一致した効果的なメッセージを発出できていないことへの遺憾の意が表明。
  2. 2) また,多くの国から,概ね以下の諸点について指摘あり。
    • 赤十字や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)等の取組への支持・支援,及び,シリア当局が直ちに人道支援のアクセスを許可すべきこと
    • 国民評議会(SNC)等反体制派の政治的地位を強化し,物質的支援を供与すべきこと
    • シリアの主権・領土保全の尊重,及び,外国による軍事介入に慎重たるべきこと
    • シリア当局に対する国際的な圧力強化のため,各国が可能な範囲で更なる措置の実施を検討すべきこと
    • 市民弾圧行為を継続するシリア当局は,人道に対する罪を犯していること
    • 国連・アラブ連盟の共同特使として任命されたアナン前国連事務総長による暴力停止実現への努力に対する期待
  3. 3) その上で,シリア当局による暴力の即時停止,人道支援アクセスの確保,及び平和裡の政治的移行のために,さらなるシリア・フレンズ会合の実施も含め,フレンズ会合参加国・機関が今後とも結束して,シリア当局への外交的圧力を強化するとともに人道支援を協調的に実施すべきとの点で一致。
  4. 4) 我が国は,何よりもまずアサド体制が即時に暴力を停止すべきことを訴えつつ,1)総額3百万ドルの緊急人道支援(ICRC・UNHCR経由)供与の決定,2)シリア当局への追加措置の可能性を検討していること,3)アサド大統領は統一政府の組閣に向けて早急にアラブ連盟の決定を実施すべきこと等を表明し,今後もフレンズ・グループ等を通じて国際社会の取組に可能な限り貢献する旨述べた。また,山根副大臣は,本会合のマージンで,チュニジア外相,モロッコ外相,リビア外相,ガリユーン・シリア国民評議会議長とシリア情勢をはじめとする諸問題について,それぞれ意見交換を行った。

3.評価

  1. (1)アラブ諸国をはじめとする70ほどの国及び関連機関が一堂に会し,シリア当局による暴力停止・政治移行への圧力を一層強化するとの一致したメッセージを発出し,協調的な人道支援に向けた取組を議論できたことはシリア情勢の打開に向けて有意義であった。
  2. (2)ただし,安保理で拒否権を行使した露・中がともに今次会合に不参加,停戦実現や人道アクセス確保のための実効的措置に必要と考えられる国連安保理の関与については,依然不透明な状況。
  3. (3)我が国としては,シリア国民の人道的状況に留意しつつ,シリアの問題解決のため,引き続き国際社会と連携して外交努力をはらう考え。
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