集合写真
潘基文国連事務総長
ジュペ・フランス外相
キバキ・ケニア大統領
ヘーグ英外相
ハロネン・フィンランド大統領ファローレ・プントランド「大統領」
1.概要
- (1)2月23日,英国のロンドンにおいてソマリア首脳級会合が開催され,我が国からは山根外務副大臣が参加しました。本会合は主催国である英国のデービッド・キャメロン首相を始め,潘基文国連事務総長,シェイク・シャリフ・ソマリア暫定連邦政府(TFG)「大統領」,クリントン米国務長官,ジュペ仏外相,ピンAU委員長など約50の国・国際機関から首脳級・閣僚級が参加し,ソマリア和平やテロ・海賊対策,人道問題といったソマリアに関する懸案事項が包括的に議論されました。
- (2)山根副大臣は本会合の機会にキバキ・ケニア大統領,ゲレ・ジブチ大統領,メレス・エチオピア首相,ファローレ・プントランド「大統領」,ヘーグ英外相,ジュペ仏外相等と立ち話を行いました。また,ブラウン英外務閣外相やソウンダール・デンマーク外相と会談し,ソマリア海賊対策や二国間関係等につき意見交換を行いました。
2.会合における主なやりとり
- (1)会議冒頭,キャメロン英首相から,ソマリア問題は安全保障,人道問題,政治プロセスを包括的に進展させる必要があり,支援を続けることが必要である旨,また,デンマークや日本がリードしている海賊対処に国際社会が一層取り組む必要がある旨の発言がありました。参加した国・国際機関の代表からは,ソマリアの政治改革の重要性,イスラム過激派勢力のアル・シャバーブ撤退後の安定確保の必要性,人道支援の重要性等につき発言がありました。
- (2)山根外務副大臣からは,概要以下のとおり発言しました。(ステートメント(和文、英文))
- 我が国は,ソマリアへの主要ドナーとして,ソマリア国民の将来のためにすべての地域やパートナーと協力する所存。このため,IGADへの協力案件を含めた4500万ドルの支援を新たに実施する。
- アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)が貴い犠牲の上に築いた機会を逃さないため,AMISOMの資金手当について国連安保理が決議を採択したことを歓迎。
- ソマリア海賊問題への対処においては,我が国は2009年以来護衛艦とP-3C哨戒機を恒常的に展開し,またIMOのマルチドナー基金の9割以上を拠出。今後とも関水事務局長率いるIMOと緊密に連携するとともに,ReCAAP情報共有センターの経験を含むアジアの海賊対策の経験をソマリア周辺国に共有する。
- TFG自身が政治改革を行わなければ国際社会の支援は水泡に帰しかねない。国連の協力の下,政治プロセスが進展することを期待。
3.議長総括/コミュニケ
- (1)ヘーグ外相による議長総括では,暫定期間終了まで本会合で高まったモメンタムを維持することが重要であり,具体的な支援や約束を表明した参加国に対する謝意が表明されました。
- (2)会合終了後に発表されたコミュニケでは,テロ・海賊対策やソマリアの人道問題に対して国際社会が取組を強化することが確認され,地方安定化基金の創設やソマリア・コンタクト・グループ(ICG)会合の改革が提唱されました。
- (3)会合終了後にキャメロン首相,潘基文国連事務総長,アリ・ソマリア暫定連邦政府「首相」,ピンAU委員長が共同記者会見を行い,国際社会がソマリア国民のよりよい将来のために一層尽力することを確認した旨表明しました。