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平成21年10月6日
本6日、鳩山総理は、実務訪問賓客として訪日中のリー・シェンロン・シンガポール首相と総理官邸において、11時30分から12時15分まで約45分間、首脳会談を、12時20分頃より約1時間、昼食会を行ったところ、やり取りの概要は以下のとおりです。
冒頭、鳩山総理より、シンガポールがリー首相の指導の下発展していることに敬意を表しつつ、ASEANの知的リーダー、金融センターであるシンガポールとの良好な関係を強化したい旨述べたのに対し、リー首相より、様々な外交案件でご多忙な中、総理就任早々にお会いして頂き感謝する旨述べました。
また、現在、開設準備中のジャパン・クリエイティブ・センター(注:シンガポールにおける日本の広報文化発信拠点)について、鳩山総理より、リー首相のイニシアティブによりシンガポールの協力を頂き、かかる施設が設置されることになり感謝したい旨述べたのに対し、リー首相より、APECメンバー等に日本の経済のみならず、伝統文化・政治面での魅力を発信する良い拠点となり得ると述べました。
(1)リー首相より、アジア太平洋地域の経済の回復力を高め、世界経済の安定に貢献するため、G20ピッツバーグサミットの勢いを保ったまま、APEC議長を引き継ぐシンガポールと日本で協力し、11月のAPECに臨みたい、また、そうした二国間の協力を日・ASEANの協力にも繋げたい、貴総理には今月のEASや11月のAPECにてまたお会いしたい旨述べました。鳩山総理より、日程の許す限りEASやAPECに参加したい、リー首相の考え方には同意する、APECが果たすべき役割は将来的にもっと大きなものがあり、シンガポール、日本、米国が議長を順番に務めるこの3年間はAPECにとって大変重要な時期になり、可能な限り自分も出席したい、またG20との連携も重要であるが、我が国はG20においては、各国が経済を立て直すため、必要な経済連携と現在と同様な金融危機を起こさないような金融規制等について議論した旨述べました。
(2)リー首相から、本年のAPECの議題について説明を行った上で、議題の一つである持続的成長のため、鳩山総理が断固とした決意の下発表された25%の削減目標に対する各国首脳の関心は高い旨述べ、鳩山総理からは、気候変動問題への対応は全ての国の義務であり、そうしなければ人類の未来はない、人間は高く目標を掲げれば知恵を出して達成できる旨応答した上で、シンガポールは世界中から有能な人物を招致し科学技術拠点として発展している、両国間で科学技術や教育分野での協力を進めたいと述べ、リー首相の同意を得ました。
鳩山総理より、将来的に、アジア太平洋共同体とも呼びうる東アジア共同体を作ることを構想している旨述べたのに対し、リー首相より、アジア太平洋地域には、APEC、EAS(東アジア首脳会議)、ASEAN+3等複数の地域協力が生まれており共同体の議論については、今後、調整を図っていく必要があるが、いずれにせよ開かれた地域協力を進め域外の世界とも連携する必要がある、特に地域の全般的バランスの観点からは米国の関与が重要である旨述べました。
これに対して、鳩山総理から、リー首相の考えに同意する、それぞれの地域協力の枠組にはそれぞれの理由があるが、大事なことは開かれた地域協力として排他的にならない形で進めていく必要があると考えている旨述べました。
鳩山総理から2001年のダボス会議でリー・クァンユー元首相(現内閣顧問:リー現首相の実父)にお会いして感銘を受けたとのエピソードや、新しいメディアを使ったコミュニケーション、両国における子どもの教育等が話題となりました。