
アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
サウジアラビア王国ナーイフ皇太子殿下の薨去:
皇太子殿下及び江田政府特派大使の御弔問
(概要と評価)
平成24年6月21日
6月20日,皇太子殿下及び江田五月政府特派大使(元参議院議長)は,ナーイフ・サウジアラビア皇太子殿下の薨去に際しての御弔問のためサウジアラビア王国を御旅行されたところ,概要と評価は以下のとおり。
1 概要
(1)ナーイフ皇太子殿下の薨去
6月16日(現地時間),サウジ国営通信は,外国に滞在中のナーイフ皇太子兼副首相兼内務大臣が薨去した旨の王宮府声明を発表した。17日午後7時20分より,弔いの礼拝が行われ,18日から20日かけて,外国からの弔問が行われた。
(2)皇太子殿下及び江田政府特派大使の御弔問
- ア 皇太子殿下及び江田政府特派大使は,20日午前日本を出発し,リヤド経由で現地時間同日夕刻にジッダに到着,キングアブドルアジーズ空港にてミシュアル殿下(ジッダ県知事)らの出迎えを受けた。
- イ 同日午後8時27分から約10分間,皇太子殿下及び江田政府特派大使は,アッサラーム宮殿にて,サルマン新皇太子殿下(故ナーイフ皇太子と同腹の王弟)に対して弔意を表され,また,天皇陛下の御弔意を伝達なされた。これに対して,サルマン新皇太子殿下からは,日本語で「ありがとう」と謝意が表された。また,両殿下は,1994年皇太子同妃両殿下のサウジアラビア御訪問やサルマン新皇太子殿下の訪日時の思い出を交えながら,短時間ながら心のこもった和やかなやりとりを交わされた。また,江田政府特派大使は日本政府及び国民を代表してサルマン新皇太子殿下に弔意を表した。
- ウ 20日の夕刻の弔問は,皇太子殿下の他,フィリップ・ベルギー皇太子殿下,在サウジアラビア外交団とともに行われるアレンジではあったが,皇太子殿下はサルマン新皇太子殿下とアフマド新内務大臣(サルマン皇太子と同腹の王弟)に挟まれる最上席に案内された。サルマン新皇太子殿下は会場に入場した際,真っ先に皇太子殿下に語りかけられた。また,他の弔問者が弔問を済ませ退席する中でも,皇太子殿下は会場に留まるようにうながされ,しばしアフマド内務大臣と懇談し,再度サルマン新皇太子殿下と言葉を交わされた。更に皇太子殿下御退席時には,サルマン新皇太子殿下より天皇陛下の御健康を気遣う言葉が述べられ,サルマン新皇太子殿下の御子息が王宮出口まで見送るなど,サウジアラビア側の皇太子殿下に対する格別な配慮が見受けられた。
(なお,サウジ側同席者は,アフマド内務大臣(故ナーイフ皇太子と同腹の王弟),ムクリン総合諜報庁長官(王弟),ハーリド・メッカ州知事(ファイサル第三代国王の子息),スルタン・ビン・サルマン殿下(遺跡観光庁長官。サルマン皇太子の子息)他。
- エ また,皇太子殿下は,同じく弔問に訪れていたフィリップ・ベルギー皇太子殿下,と懇談され,旧交を温められた。
- オ なお,皇太子殿下と江田政府特派大使は,20日夜ジッダを発ち,リヤド経由にて帰国の途につかれた。
2 評価
- (1)今回の弔問は,昨年10月にスルタン元皇太子殿下が薨去してわずか約8ヶ月にて行われたものであり,ナーイフ皇太子殿下の薨去という悲しい機会ではあったが,両皇室・王室間のご関係を一層強固とするとともに,今後の日・サウジアラビア関係の一層の発展につながるものであった。即ち,皇太子殿下とはかねてより御親交を深くされるサルマン新皇太子殿下に,皇太子殿下が遠路はるばる駆けつけられて直接に御弔意を表されたことに対して,サルマン新皇太子殿下が感謝の念を日本語で表されるなど,皇太子殿下に対する格別の配慮がうかがえた。
- (2)また,江田元参議院議長が,政府特派大使として皇太子殿下に同行して弔問に参列し,サルマン新皇太子殿下に我が国政府及び国民の心からの弔意を直接伝えたことは,サウジアラビアの我が国にとっての高い重要性を反映したものであり,日サウジアラビア関係の一層の発展に資するものであった。東京においても,ナーイフ皇太子殿下薨去発表の翌17日に野田総理が,18日に玄葉大臣が,在京サウジアラビア大使館を記帳のために訪問したことは,我が国のサウジアラビアを重視する姿勢の表れとして,サウジアラビアにおいても感謝とともに受けとめられている。
- (3)今回の弔問は,日サウジアラビア間及び両国皇室・王室間の絆を再確認し,両国関係の重要性についても改めて認識させるものであり,我が国とサウジアラビアとの今後の一層の発展に多大なる貢献となる重要な御訪問となった。