中東

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国連におけるパレスチナの地位に関する総会決議の採択と我が国の対応(概要)

平成24年11月30日

英語版

1 概要

(1)日本時間11月30日朝(NY時間29日夕),議題37(パレスチナ問題)の下で国連総会本会議が開催され,パレスチナに「国家」としての国連オブザーバーの地位を与える内容の総会決議(A/RES/67/19)が賛成多数で採択された。

(2)採決結果

 賛成:138(日,仏,伊,露,アラブ諸国等)
 反対: 9(米,イスラエル,加等)
 棄権: 41(英,独,蘭,豪,韓,東欧諸国等)

(3)採択された総会決議の概要

  • パレスチナ人の自決権とパレスチナ国家独立の権利を再確認。
  • パレスチナに国連における非加盟のオブザーバー国家の地位を付与することを決定。
  • 2011年9月にパレスチナが提出した国連加盟申請を安保理が好意的に検討することへの期待を表明。
  • イスラエルとパレスチナという二国家のビジョンを実現するような平和的解決の達成に貢献する決議を確認。
  • すべての未解決の中核的問題を解決するパレスチナ・イスラエル間の公正で持続的かつ包括的な和平の達成のため,和平交渉の再開と加速化の切迫した必要性を表明。
  • すべての国家,国連専門機関・組織に対し,自決権,独立,自由の早期実現において,引き続きパレスチナの人々を支援・支持することを促す。
  • 国連事務総長に対し,この決議の履行のために必要な措置をとること及び本件の進捗について3か月以内に国連総会に報告することを要請。

2 我が国の対応

 我が国は賛成し,以下のとおり投票理由説明を行った。

  1. (1)我が国は,従来からパレスチナの独立国家樹立の悲願を理解し,パレスチナの民族自決権を支持しており,イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する二国家解決を支持してきた。我が国は,このような観点から,今回,賛成票を投じることとした。
  2. (2)我が国はこの歴史的な決議の成立を受けて,パレスチナは国際社会に対して大きな責任を有することになったと理解しており,そのため,今後は中東和平の実現に向け,一層真剣な努力を払うことを強く求めたい。
  3. (3)我が国は,引き続き,パレスチナとイスラエルの双方に「二国家解決」の実現に向け,お互いの信頼関係を醸成し,早期に交渉のテーブルに戻ることを要請するとともに,米国やアラブ諸国と協力しつつ,中東和平の進展を積極的に後押ししていく考えである。この決議を利用して,イスラエルとの直接交渉に悪影響を与えたり,阻害するような行動は許されない。イスラエルもまた,入植地建設の凍結を含め,和平交渉再開に向けた環境整備に努めるべきである。
  4. (4)以上の観点から,この決議との関連で以下の諸点を求めたい。
    1. (ア)パレスチナには,直ちにイスラエルとの直接交渉を再開させ,国際社会と協調しながら和平プロセスを目に見える形で前進させて欲しい。
    2. (イ)交渉再開に否定的な影響をもたらす可能性のある国際機関への新規加入等については慎重な対応が求められる。

(参考)


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