外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 各国・地域情勢 中南米
中南米
世界地図
アジア 北米 中南米 欧州(NIS諸国を含む) 大洋州 中東 アフリカ

池田外務大臣内外記者会見記録(概要)


(平成9年4月26日 於:ペルー)


1. 冒頭発言

 このたび、日本大使公邸占拠事件の解決に際して私がリマに参りましたのは、何よりもまず、事件解決に向けて献身的な努力を傾注してこられたペルー政府を始め関係者の方々にお目にかかり、日本政府を代表して感謝の気持ちを直接お伝えするためです。この感謝の気持ちは政府だけのものではなく、日本国民全体のものであり、その表れとして今般、我が国の国会においても、衆議院及び参議院において「感謝決議」が決議されたことをご紹介いたします。
 フジモリ大統領の指揮下、周到な準備のもとでペルーが誇る国軍精鋭部隊により見事に実施された救出作戦により、ほとんどの人質を無事救出することに成功し、そしてテロに屈することなく事件が解決をみたことを日本としても高く評価し、その実現に尽力されたフジモリ大統領をはじめとするペルー政府関係者の方々及びこれを支持したペルー国民の方々に心から感謝しております。同時に本件の解決に際し尊い命を落とされた、ヴァレル大佐、ヒメネス大尉、並びにジュスティ最高裁判所判事の御霊に心からご冥福をお祈りし、哀悼の意を表します。また、今回の救出に参加したペルー軍関係者及び人質の中で負傷され現在治療に専念されている方に対し、心からお見舞いを申し上げると共に一日も早い回復をお祈りします。
 保証人委員会のメンバーの方々は、本当に根気強く解決の方法を探る努力を続けられ、公邸内の人質の方々にとってはもとよりも、公邸外の家族や関係者にとっても、精神的支えとなりました。保証人委員会とパレルモ教育相の真摯な取り組みがあって初めて、今の結果も可能であったと理解しています。
 更に私は、事件発生から127日間、生命の不安と様々な不自由な環境の中にあって、事件解決への希望を失うことなく、団結と助け合いの精神でこの艱難に耐え、立ち向かってこられた人質の方々を心から称えたいと思います。他でもない、その勇気と忍耐が、自らの命を救ったと申し上げたい。
 この事件はかくして終了いたしましたが、事件の経過の中で示されたペルー政府・国民の皆様のご厚情は、永く日本国民の記憶にとどめられ、語り継がれることとなると思います。フジモリ大統領との会談の中でも申し上げましたが、今回の事件を契機として一層日秘両国は固い絆で結ばれて、両国間の友好親善関係が今後一層進展していくに違いないと確信しています。そして、今回の事件解決への努力を進める中で、多くの国々から色々な協力、支援の手が差し伸べられ、国際社会が一致団結してペルー政府、日本政府及び関係者に対する連帯と支持を表明してきたことが今回の事件の解決を図る上で大きな力となったことを申し上げたい。最後に、今後日本政府としても、テロリズムと闘う国際社会と一層連携しつつ、また今回の教訓を踏まえ、よりいっそう効果的なテロ対策の実施に意を用いて参りたいと思います。

2. 質疑応答

(問)今回の事件は救出作戦の実行という形で解決したが、この救出作戦については事前に日本政府に連絡がなく行われた。救出作戦実行時においては、ペルー政府より日本政府に事前に連絡することはトロント合意にて確認されていたところであるが、ペルー政府より今回の救出作戦について事前連絡がなかったことにつき如何に考えているか。また、これに関連し、実力行使が近く行われるということについて情報として非公式にも日本政府は承知していなかったのか。

(答)この事件の発生以来、ペルー政府と日本政府は緊密に連携しながらテロリズムに屈することなく平和的解決を図るといった手法を通じ、人質全員の解放を実現するべく努力してきた。そのために色々な手を尽くしたわけであるが、保証人委員会のメンバーの御努力もその中の重要な要素の一つであった。このようなあらゆる手を尽くす中、なかなか解決の目処が立ってこない状況において実力行使を行うということは困難な決定であったと思われるが、このような決断を下すには、現地で状況を良く把握し、その変化を的確に捉えていることが必要であり、またタイミングとしても微妙な動きを捉えながら最高の瞬間に実行しなければならなかったという事情があったものと理解している。このようなことに鑑み、ペルー政府として日本政府に事前の通知ができなかったことについては、事件解決直後にフジモリ大統領と橋本首相が電話会談した際にも、橋本総理より、事前の通知を受けなかったことは残念であるが、これまで述べてきた諸事情に鑑みれば理解できる旨述べられた。私(大臣)とフジモリ大統領との会談においても同様のやりとりがあった。事前通知がなかったとしても今回の救出の経過、結果ということをみれば分かるように、人質の安全、全員の解放という日本政府の願い、そしてペルー政府にも共通する目標を実現するために如何にフジモリ大統領が周到に計画を練られ、きちんと実行したかという点に両政府の間断ない意思の疎通というものがあったと思う。これだけ申し上げれば、事前の兆しなり兆候を察知していたかどうかということは、直接申し上げなくても理解していただけるのではないかと思う。

(問)今回の実力行使のオペレーションについて大臣は完璧であったと評価しているものと理解したが、このオペレーションにおいて無抵抗なMRTAメンバーが殺されたという報道もある。この点を考慮しても完璧だったと評価するのか。

(答)私(大臣)はほとんど完璧、完璧に近いものと今回のオペレーションを評価していると申した訳で、先程も申し上げたが、このオペレーションに参加したペルー軍関係者に犠牲者を出し、あるいは人質の中にも犠牲者があった事に鑑みれば100%完全だったということは出来ず、完璧に近かったものと思う。そして、MRTAのメンバーの生命が失われたことについては、その御家族の心情に思いを馳せるならば色々な気持ちはあるが、「テロリズムを許してはならない」という原則があることを忘れてはならない。2名のMRTAメンバーが一旦拘束された後に殺された等の報道があることは承知しているが、今回のオペレーションの具体的な状況が如何なるものであったかという情報を持っていないので、この点についてのコメントは差し控えさせて頂きたい。

(問)昨年12月の占拠事件発生時における、事前のMRTA側の動き等に関する状況把握、警備体制の問題等についての認識如何。そして、そこに多数の人々を巻き込んだことについて日本政府の責任はないのか。また、今回の教訓として得たものは何か。

(答)MRTAの動き、特に日本の大使公邸もしくは行事がターゲットになるというような情報を昨年の12月の時点に日本大使館、日本政府が知っていた筈はない。そのような情報を入手していたら、今回のような行事(天皇誕生日レセプション)は実施していなかったと思う。一般的にペルーにおいても数年前まではテロ活動が頻発し、テロリズムが猖獗を極めたが、ペルー政府の対策の徹底ということがあり、テロ関連事件が激滅したという背景があった。しかし、なお注意は必要ということもあり、警備体制についても特別の警戒をペルー政府に依頼する等万全は尽くしてきたと認識しているが、こういう事件が起こった結果として万全ではなかったといわれればそうかも知れない。しかし、我々としては出来る限りの注意はしていたということは申し上げておきたい。今回の事件が起こったことの責任は何よりMRTAにあるということだと思う。一般論としていうならば、(大使館及び領事館の)安全の確保、警備の第一義的な責任というものは接受国、今回の場合はペルーにあるということがウィーン条約の原則である。いずれにせよ今回の事件が発生した訳で、外務省としても今回の事件を種々調査するための特別な委員会を設置しており、事情を調査した上で将来に向かってテロ対策を強化していくための色々な検討を進めたいと思う。また、ペルーにおいてはペルー政府と協力しながら具体的な方策を考えていきたい。

(問)本件事件解決のために日本は何らかの技術協力を行ったか。

(答)実力を行使した救出のオペレーションに対しての技術協力という限定的な意味では、オペレーション自体はペルー政府の責任において実施された。

(問)投稿したMRTAメンバーも射殺された旨日本人人質が語ったとの情報もあるが、大臣と日本人人質との会談で何らかの言及はあったか。

(答)先程も申し上げたように、オペレーション実行中の公邸内の状況、その推移を正確に承知していないのでコメントを差し控えたい。なお、何人かの日本人人質の方々からは話を直接聞いているが、いずれにしても人質の全体を把握していないなかで、具体的なコメントは差し控えたい。

(問)効果的テロ対策をとりまとめ中の由であり、外務省に調査委員会が設置されたばかりではあるが、報告書の内容及びその発表時期の見通し如何。

(答)これまでも日本なりに色々とテロ対策を講じてきた。昨年12月、本件事件発生後、在外公館の警備に関し、人員、機材等の強化策を取ってきた。事件が解決し、具体的証言も得られるであろうし、調査委員会の活動が本格化したところなので、現段階で自分のイメージを申し上げることは差し控えたい。

(問)犠牲が最小限であった、就中、日本人人質全員が無事であったことから、今時救出作戦はほぼ完璧であった旨の見解を述べられたが、万一、日本人犠牲者が出た場合もその評価は変わらなかったか。

(答)人質が全員無事救出されていれば、申し分けなかった。残念ながら、救出後一人死亡された。ペルー人であれ、日本人であれ、第3国人であれ今回の場合はグムシオ・ボリヴィア大使だが、生命の重みは同じであり、人質の国籍は作戦の評価に無関係である。全員が救出されなかったこと、及び作戦に参加した勇敢な軍人が亡くなられたことは誠に残念である。その意味で完璧ではなかった。

(問)今後の大使公邸の扱い如何。平和公園として残すという案はあるか。また、青木大使の進退如何。

(答)現場内には、昨日自分自身も入って見たが、かなり損傷がひどい。現状を日本から来た専門家がペルー側機関と協力して調査中であり、将来の計画は調査を進めてから考えていきたい。青木大使は、127日間、ホストとしての立場を忘れず立派に行動され、解放後も元気で記者会見に臨んでおられた。しかし、心身ともに疲れが蓄積されていることは否めないので、まず、休養していただくことが必要かと考える。本日深夜、自分と共に一時帰国することとなっている。



目次


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省