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第16回OSCE外相理事会(ヘルシンキ)の概要

平成20年12月5日

1.全般

(1)ロシアが提案した新たな欧州安全保障条約構想が実質的に初めて議論されることなどから、英、独、仏、露を始め、加盟56ヶ国中52ヶ国の外相が参加。米は、インド・ムンバイにおけるテロの発生を受け、ライス国務長官がインド・パキスタンを急遽訪問したため欠席し、バーンズ国務次官が参加。

(2)議長国フィンランドが6年ぶりの発出を推進した「閣僚宣言」は発出されず。ロシア提案を議論するためのOSCE首脳会合の開催、凍結された紛争、CFE条約、OSCEコミットメント履行の在り方等を巡り議論が紛糾し、合意に至らず。

(3)我が国代表団団長として出席した伊藤副大臣より、日本とOSCEの共催会議を、2009年6月10日~11日に東京で開催する旨表明。

2.主な論点

(1)ロシアが提案した新たな欧州安全保障条約構想

 首席代表のみの昼食会(4日)で議論が行われたが、露の説明はこれまで通りの抽象論の域を出ず。各国とも概ね、露提案について議論を始めることには賛同しつつも、露構想が具体性に欠けること、OSCE、NATO等既存の安全保障枠組みにネガティブな影響を与えることを懸念。「閣僚宣言」では、首脳会合開催を主張する露に対し、大多数の国は現時点での開催コミットに否定的であり、調整つかず。

(2)グルジア情勢及び他の凍結された紛争

(イ)グルジア情勢につき、多くの国は、6項目合意の確実な履行及びOSCE軍事監視要員の南オセチアへのアクセスを求めるとともに、ジュネーブ・プロセスの進展を評価。露は、グルジアへの軍事的支援、再侵攻能力の保持回避の必要性等を指摘。(なお、本件は、「閣僚宣言」では原案から言及なし)

(ロ)ナゴルノ・カラバフ紛争に関しては、交渉プロセスの強化や包括的和平合意起草開始を慫慂する旨の閣僚ステートメントが採択。他方、「閣僚宣言」への書きぶりをめぐっては、最後まで調整がつかず。

(ハ)沿ドニエストル問題については、関連文書に合意できず、モルドバより失望する旨発言あり。

(3)CFE適合条約

 NATO、EU諸国は、欧州安全保障におけるCFE適合条約レジームの重要性を指摘し、露に対し右条約体制への復帰を要求。露はCFE適合条約の批准を要求。独は、CFE適合条約に関するハイレベル専門家会合を独で開催する意向を表明。「閣僚宣言」でも合意できず。

(4)アフガニスタン情勢

 多くの国が、アフガニスタンの安定の重要性を指摘するとともに、アフガニスタンの国境管理支援に関するOSCEプロジェクトの実施を支持。

3.主な採択文書

(1)閣僚ステートメント(ナゴルノ・カラバフ情勢)、テロとの闘いにおけるOSCEの活動推進に関する決定、世界人権宣言60周年に関する閣僚宣言、人身取引等に関する決定等。

(2)フィンランドがOSCEの精神の再確認を狙って6年ぶりの採択を推進した「閣僚宣言」については、露(首脳会議開催、CFE、アゼルバイジャン(ナゴルノ・カラバフ紛争)及びウズベキスタン(OSCEコミットメントの履行)が反対し、採択に至らず。

4.次回外相理事会

 2009年12月1日~2日、ギリシャ・アテネにて開催。

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