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第2回リビア・コンタクト・グループ会合
(概要と評価)

平成23年5月5日

 5月5日(木曜日),イタリアのローマ(イタリア外務省)において,イタリア政府及びカタール政府主催の下,第2回リビア・コンタクト・グループ会合が開催されたところ,概要と評価は以下の通りです。なお,次回会合はUAEで開催される予定(時期等未定)です。

1.参加者

【共同議長】
フラッティーニ・イタリア外相及びハマド・ビン・ジャーシム・カタール首相兼外相
【国際機関】
アラブ連盟,EU,GCC,NATO,国連,OIC(イスラム諸国会議機構)
【国】
オーストラリア,バーレーン,カナダ,デンマーク,フランス,ドイツ,ギリシャ,日本,ヨルダン,クウェート,レバノン,マルタ,モロッコ,オランダ,ポーランド,カタール,スペイン,トルコ,UAE,英国,米国
【オブザーバー】
ポルトガル,チュニジア,ルーマニア,ブルガリア,AU,スーダン,世界銀行

※米国からはクリントン国務長官が出席。ジブリール委員長ら暫定国民評議会のメンバーが本会合の冒頭から参加。我が国からは松富中東アフリカ局長が出席。

2.概要

(1)会合の流れ

 フラッティーニ・イタリア外相,ハマド・ビン・ジャーシム・カタール首相兼外相及びハティーブ国連特使(リビア問題担当)が開会スピーチを行い,その後,ジブリール暫定国民評議会危機管理委員長がリビアにおける今後の政治的プロセスに関するプレゼンテーションを実施。続いて,各国際機関及び各国閣僚が発言を行った。最後に,本会合の議長であるフラッティーニ外相より,議長の責任でとりまとめた議長声明(骨子英語)について説明がなされた。

(2)議論の概要

  1. 1)国連安保理決議の下,NATOを中心とした軍事行動により,リビアにおける一般市民の保護に成功しているものの,カダフィ政権による暴力を停止させ,リビアに真に平和と安定をもたらすためには外交努力こそが重要であるとの指摘がなされ,第1回会合同様に,各国からは,ハティーブ特使をはじめとする国連やAUの取り組みを支持し,協力していく旨表明があった。その上で,各国・各国際機関が停戦・調停に向けて行っている様々な取り組みは相互に調整されるべきとの声が相次いだ。
  2. 2)NATOの他,軍事行動への参加国は,カダフィ政権が自国民に対する暴力を停止し,リビア国民に平和と安定がもたらされるまで,カダフィ政権に対する圧力を強化していく旨表明した。
  3. 3)戦闘が長期化し,人道問題が深刻化する中,人道支援を実施する上で安全なアクセスの確保が重要であり,カダフィ政権合意の下にトリポリに設置したもののトリポリ市民の暴動により一時的に国際スタッフがチュニジアに退避している国際支援拠点の一刻も早い再開を希望する声もあった。
  4. 4)暫定国民評議会を支援するための「暫定資金メカニズム」の設立を各国は歓迎した。
  5. 5)カダフィが権力の座から離れた後に,憲法や選挙制度等を有する民主的な政治体制に移行して新しいリビアが再構築されることへの期待が示された。そのためには,その過程でリビア国民に対するキャパシティービルディング等が必要との指摘があった。
  6. 6)リビアの国土の一体性を確保した上で,持続可能な安定と平和をもたらすためには,リビア国民の意思を反映した包摂的な政治的プロセスが必要であり,暫定国民評議会がリビアにおける全てのステークホルダーを取り込んだ民主的な体制を築くことを期待する声があった。
  7. 7)第1回会合同様に,暫定国民評議会のジブリール委員長にも発言の機会が設けられ,同委員長は,新しい政権樹立に向けたロードマップを明らかにした。

3.評価

  1. (1)国連安保理決議の目的を完全に実施するために,カダフィ政権に対する政治的・経済的な圧力を強め,リビア国民の意思を反映した政治的な移行を目指すことにつき,国際社会のコンセンサスが再度得られたと考える。また,カダフィ退陣を前提とする考え方の共有が更に進んだと考えられる。
  2. (2)ジブリール委員長が新しい政権樹立に向けたロードマップを発表したことや,暫定国民評議会が活動する上で必要となる資金を援助するために「暫定資金メカニズム」が設立されたことは注目される。
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