中南米

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 アンデス共同体
Andean Community/Comunidad Andina)概要

平成24年8月

1.基礎データ

(1)設立年月

1969年 5月26日:アンデス地域統合(ANCOM)創設に合意するカルタヘナ協定に署名(同年10月16日 発効)

1996年 3月10日:「トルヒーヨ決議書」及びその付属書である「カルタヘナ協定修正議定書」を採択し,アンデス共同体を創設,ANCOMを発展的に改組。

(2)加盟国

  • 加盟国:ボリビア,コロンビア,エクアドル,ペルー
    (チリは署名時に加盟していたが,1976年10月に脱退。ベネズエラは2006年4月に脱退を表明)。
  • 準加盟国:アルゼンチン,ブラジル,パラグアイ,ウルグアイ,チリ
  • オブザーバー国:スペイン (注:モロッコがオブザーバー参加手続き中)
  • 域内人口:約1億108万人,域内GDP合計:約5,997億米ドル(世界銀行2011年)
  • 議長国はアルファベット順による加盟国間の1年交代。2012年7月からはエクアドルが議長国を務める。

(3)設立目的

  • 統合と協力による加盟国の調和的発展の促進
  • 経済成長と雇用創出の促進
  • ラテンアメリカ共同市場形成を目指した地域統合プロセスへの参加促進
  • 国際経済動向の中で加盟国の対外的脆弱性改善と立場向上
  • 不均衡是正と連帯強化
  • 域内住民の生活水準の改善

2.統合の主な内容

(1)域内関税撤廃

(2)対外共通関税(関税同盟)

3.機構

  1. (1)首脳会議:最高意思決定機関。年1回開催。
  2. (2)外相評議会:共通外交政策の策定などを行う。少なくとも年2回開催。
  3. (3)委員会:加盟各国の全権代表(1名ずつ)からなり,年3回通常会合を開催。本協定の一般政策の策定等を行う。
  4. (4)事務局:リマ(ペルー)に設置。事務総長は拡大委員会で選出され,任期5年。
    事務総長:アダリド・コントレラス・バスピネイロ臨時代行(ボリビア)(2010年就任)
  5. (5)アンデス仲裁裁判所:キト(エクアドル)に本部を置く協定の司法機関。
  6. (6)アンデス議会:加盟各国5人ずつ普通選挙により選出された合計20名で構成。ボゴタ(コロンビア)に常設事務局を置く。アンデスの統合強化に向けた提案や審議が行われる。
  7. (7)諮問委員会(経営,労働):外相理事会,委員会または事務局の要請,または独自のイニシアチブにてこれらの組織に対し意見を表明する。
  8. (8)アンデス開発公社(CAF):1970年6月開業。カラカス(ベネズエラ)に本部を置く。開発銀行,投資銀行,商業銀行,及び経済・金融振興機関の役割を担い,地域の統合と持続可能な開発の促進を目的とする。加盟国(株保有国)はボリビア,コロンビア,エクアドル,ペルー,ベネズエラの主要5か国に加え,中南米及びスペイン,ポルトガルの13か国。地域の14民間銀行も株を所有。
  9. (9)ラテンアメリカ準備基金(FAR):アンデス準備基金(FAR)として1978年6月開業。第三国の加盟を可能とするための設立協定を改変(新協定は1991年3月発効),ラテンアメリカ準備基金(FLAR)に改組。ボゴタ(コロンビア)に本部を置く。融資や保証による加盟国の国際収支のサポート等を行う。

4.最近の動向

(1)ベネズエラのアンデス共同体(CAN)脱退

  2006年4月23日,チャベス・ベネズエラ大統領は,コロンビアとペルーの対米FAT締結がCANを崩壊に至らしめたとして,同国のCANからの脱退を表明した(但し,同国政府によれば,対外共通関税等,CAN内部の合意事項については5年間適用が継続される)。

(2)チリのCAN準加盟

 2006年9月20日,チリのCAN準加盟がCAN外務・貿易大臣拡大会合にて決定された。11月24日,チリのCAN準加盟の範囲を定めるためのCAN・チリ間合同委員会が発足した。

(3)最近のCAN首脳会議

ア 第17回首脳会議(2007年6月12日~14日,タリハ(ボリビア))

 各首脳は,以下を含む「タリハ宣言」に署名した。

  1. (a)チリがCANの準加盟国として参加。
  2. (b)人権の尊重及び政策策定のための公平性,透明性,権利の確保を通して,域内の民主制,市民参加を強化することを改めて表明した。
  3. (c)麻薬根絶における責務分担を有効に行うことの重要性を表明すると共に,アンデス貿易促進・麻薬根絶法(ATPDEA)及び一般特恵関税(GSP)等のメカニズムを維持することの必要性を強調した。
イ 第18回首脳会議(2011年7月28日,リマ(ペルー))

 各首脳は以下を含む「リマ宣言」に署名した。

  1. (a)アンデス共同体諸国の統合プロセスを強化する「新アンデス戦略的アジェンダ実施計画」の取組に向けての推進を強調した。
  2. (b)ラテンアメリカ統合の強化及び推進のため,メルコスール,南米諸国連合(UNASUR),ラテンアメリカ統合連合(ALADI)等の地域機関の間での統合及び対話プロセスに向けての決意を再確認した。
ウ 特別首脳会合(2011年11月9日,ボゴタ(コロンビア))

 各首脳は以下を含む「ボゴタ宣言」について署名した。

  1. (a)アンデス共同体の再統合を推進し,特にエネルギー分野における協力の必要性について強調した。
  2. (b)アンデス共同体の統合プロセスをチェックするために,首脳会合を毎年開催することを改めて表明した。
  3. (c)陸上輸送の規則など,共同体内で決めた規則を遵守することを再確認した。

5.外交関係

(1)米国との関係

  1. ア 2002年8月より,アンデス共同体諸国の麻薬対策への協力及びFTAAへの参加を条件に,ベネズエラを除く4か国に対し,対アンデス貿易促進麻薬根絶法(ATPDEA)を適応し,特恵関税を付与(ATPDEAは2011年2月15日まで延長されたが,現在は失効している)。
  2. イ 2003年11月,米国はベネズエラを除く4か国との二国間FTA締結交渉を開始する旨発表。2004年5月よりボリビアを除く3か国が交渉を開始し,2006年4月及び同11月,ペルー及びコロンビアがそれぞれ署名。ペルーは2009年2月,コロンビアは2012月5月にFTA発効。エクアドルについては2006年5月の米国石油企業との参入契約破棄問題を巡り,交渉が中断。

(2)メルコスールとの関係

  1. ア 1995年よりブロック対ブロックの形で自由貿易地域創設に向けた交渉が進展。
  2. イ 2004年10月,CAN・メルコスール間で経済補完協定(ACE59)に署名。CAN・メルコスール間における自由貿易圏の形成,第三国からの輸入品に対する関税の段階的又は即時撤廃を目的としている。
  3. ウ 2005年7月,第16回アンデス共同体首脳会合において,メルコスール各国がアンデス共同体の準加盟国として正式に許可された。
  4. エ 2010年2月,第31回アンデス共同体外相拡大会合において,メルコスール各国のアンデス共同体各会合への参加機会が広がったほか,少なくとも年に一度合同委員会を開くことが決まった(アンデス共同体決議732号)。

(3)EUとの関係

  1. ア EUとアンデス共同体は,「政治対話」,「EU市場へのアクセス」,「協力・対話の枠組み」の3本柱を軸に,地域間対話を継続。EUはアンデス諸国を対象とした一般特恵関税(GSP)を適用。
  2. イ 2003年12月,EUはアンデス共同体との間で政治対話・協力の枠組み協定に署名。
  3. ウ 2006年5月,ウィーンで開催された第4回EU・ラ米首脳会議において,EUとアンデス共同体は政治対話,協力プログラム,貿易協定を含む「CAN・EU 戦略的パートナーシップ合意」に向けた交渉を開始することで合意した。
  4. エ 2009年2月,ボリビアをのぞく3か国がEUとのFTAを含む経済連携協定を開始した。2012年6月,ペルー及びコロンビアはEUとFTAに署名。

(4)その他

  1. ア 2003年3月より,中米3国(グアテマラ,エルサルバドル,ホンジュラス)との間で経済補完協定を交渉中。
  2. イ 中国との間で,政治・経済協力協議を立ち上げ(2000年)。第1回閣僚級会議開催(2002年)。2004年9月,北京にて第2回中・アンデス政策協議開催。

(5)日本との関係

  1. ア 2002年12月9日に,ボゴタにおいて第1回日・アンデス共同体協議を開催。両地域の政治・経済情勢や貿易・投資関係についての幅広い意見交換を行うとともに,双方は,本件協議において政治対話の促進,経済技術協力,経済関係強化の3分野を中心に協議を行っていくことで合意。経済技術協力分野においては,アンデス共同体より二国間協力のみならず,地域協力にも強い関心を有している旨表明,経済関係協力分野においては,先方より共同通商ミッションの我が国への派遣,セミナーの開催等に対する関心が示された。
  2. イ 2003年10月より,アンデス共同体広域協力に係る事業計画を策定するため,JICA企画調査員をエクアドルに派遣。2004年10月より,教育分野に係る対アンデス協力策定のため,ペルーにJICA企画調査員を派遣(~2006年10月まで)。
  3. ウ 2012年3月,日本の国際協力銀行(JBIC)は,アンデス開発公社(CAF)との間でCAF加盟国の資源開発やインフラ整備業務を支援する業務協力協定を締結。CAF加盟国の経済発展と中南米地域における日本企業のビジネス促進を図ることを目的とする。
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