中南米

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東京宣言
“日本と中米、未来に向けた友情”

スペイン語版(PDF)PDF

 日・中米交流年である2005年、日本国内閣総理大臣と中米統合機構(SICA)加盟国のコスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア及びパナマ並びにSICA準加盟国のドミニカ共和国(以下「SICA諸国」という。)の大統領及び副大統領は、第2回日本・中米首脳会談を開催するため日本国東京に参集し、関心事項を共有し結束することは、日本と中米の関係を新たな段階に発展させるものであるとの立場から、友好・交流・協力関係を一層強化するとの決意の下に、

中米は、北米と南米を結ぶ自然の架け橋として地理的・戦略的な位置を占めており、この地域の安定と発展は中南米及び国際社会にとって特別な重要性を有することを認識し、

中米諸国が、平和と民主主義の定着及び国民の生活水準の向上に向けた努力を強化していること、また、日本はこのような努力を積極的に支援してきており、その過程で日本とSICA諸国の友好協力関係が着実に進展してきたことを歓迎し、

SICA諸国が、地域統合により、人口4700万人強を擁する中南米の主要な地域となり、国際社会における地位を高めることに鑑み、その大きな可能性を強調するとともに、SICA諸国が日本にとって一層重要なパートナーとなり、他の重要な市場への足がかりとなることを認識し、

これまでに築かれた友好協力関係を土台とし、戦略的視野に立ちつつ、日本とSICA諸国との関係の一層の発展を目指し、

「未来への投資」のための指針を以下の通り表明する。

1.対話と協力

 日本とSICA諸国は、民主主義、平和、自由、開発、人権、市場経済という基本的価値を共有する。この文脈において、国連改革、貿易、投資、環境、ミレニアム開発目標といったグロ-バルな課題について協力する必要性を強調する。また、日・中米フォ-ラム及び他の多国間協議による政策対話を深化させることにより、世界の平和及び安全に関する問題について一層積極的な役割を果たす意思を表明する。

 我々は、東アジア・ラテンアメリカ協力フォ-ラム(FEALAC)を通じたアジア諸国と中南米諸国の対話の重要性を強調し、域内の未加盟国が同フォーラムへ新規加盟することを前向きに評価する。

2.平和と民主主義の定着

 我々は、民主主義制度の強化、腐敗との戦い、市民の安全を確保するための対策は平和と民主主義の定着にとり必要不可欠であることを再確認する。日本は、中米諸国がそのような課題に取り組んでいることを評価し、同分野での協力を継続する用意があることを表明する。

3.経済、開発、観光及び防災における協力

 我々は、経済自由化を推進するSICA諸国の努力を歓迎する。日本は、貧困削減、持続可能な開発、インフラ整備・拡充等の最優先課題についてSICA諸国の努力及びイニシアティブを支援することを再確認する。

 SICA諸国は、地域統合を強化する決意を再確認する。日本は、中米統合のプロセスを支持すると共に、広域的なプロジェクトに対する支援を継続する用意があることを再確認する。

 我々は、プエブラ・パナマ計画は、中米地域の発展を促進する重要なイニシアティブであると認識する。日本は同計画を支援する意思を再確認する。

 我々は、日本とSICA諸国の経済交流及び通商関係を強化し、両者間の投資を促進する決意を表明する。本年11月に日本で開催される中米展、日・中米ビジネス・フォーラム等、企業家間の接触を促し、ビジネス促進につながる行事の開催を歓迎する。

 我々は、日本とSICA諸国の経済交流強化の方途についての研究を進めることを決定した。

 我々は、地域の経済発展のためには、各国の零細・中小企業及び裾野産業の強化に係るイニシアティブが重要であることを強調した。この観点から、日本は、 SICA諸国の競争力強化につながる様々な分野における生産性向上のための協力を引き続き実施する。

 我々は、中米の地域統合及び社会経済開発のための金融機関としての中米経済統合銀行の実績を評価する。SICA諸国は、日本に対し、同銀行を通じた中米地域との関係強化を継続するよう促した。

 SICA諸国は、科学技術の開発、特に情報通信分野における日本の主導的立場及び経験を認識すると共に、経済社会開発を目指す上でこれらの知見を共有することを希望する。日本は、直接投資の促進を含め、この分野における協力を継続する決意を改めて表明する。

 中米及びドミニカ共和国は、多様な歴史的・文化的遺産、豊富な天然資源及び生物多様性に恵まれ、観光面において日本人の関心を惹きつけるにふさわしい条件を備えており、我々は、同地域の観光開発を促進する重要性を認識する。

 我々は、中米地域が愛・地球博、世界旅行博等への参加をはじめ、観光促進に向けた力強い戦略を実施していることを強調する。日本は、同戦略への支援を改めて表明する。

 我々は、中米地域に甚大な被害をもたらすハリケ-ン、地震等の自然災害に対する予防プログラムのために協力する。SICA諸国は、自然災害に際して日本が実施してきた人道支援や防災協力を評価し、感謝する。日本は、この分野における協力を継続する決意を表明する。

4.教育、文化交流、スポーツ交流、青少年交流

 我々は、人材は国家の発展の重要な基礎であると認識し、SICA諸国の教育の質を一層向上させる必要性を改めて表明する。日本はSICA諸国に対する教育分野の協力を拡充してきており、今後も同分野での協力を継続する意思を再確認する。

 我々は、文化交流、スポ-ツ交流、青少年交流の強化は、日本とSICA諸国との間の距離を近づけることに寄与し、それぞれの文化をより豊かなものとすることを強調する。「日・中米交流年2005」である本年に実施される行事が相互の認識と理解の一層の深化に資することを期待する。

5.国際場裡における協力

 我々は、包括的な国連改革及び安保理改革は、21世紀の新たな現実を反映する必要があり、大量破壊兵器の拡散、テロ、国際犯罪、感染症等の国際社会に影響を及ぼす新たな脅威や貧困問題を含む開発上の諸課題に有効に対処するために特に重要であるとの認識で一致した。我々は、9月のミレニアム宣言に関する首脳会合に向けて、安保理改革について具体的な成果を得るべく取り組むことで一致した。また、SICA諸国は、日本の常任理事国入りを支持し、国連総会にて採択される決議に従い新常任理事国の選挙が実施される際、日本に投票する旨表明し、これに対し、日本は深甚なる謝意を表明した。

 我々は、「人間の安全保障」の理念を推進する重要性について一致した。SICA諸国は、「人間の安全保障」の理念を実現するために国連に設置されている「人間の安全保障基金」を活用し、感染症予防対策、児童の教育機会の拡大等に向けて取り組んでいることを強調した。

 我々は、環境問題に協力して取り組むとの決意を再確認し、本年2月16日に京都議定書が発効したことを歓迎する。また、我々は、2006年3月にメキシコにおいて開催予定の第4回世界水フォ-ラムの成功に向けた協力に対する関心を改めて表明する。

 我々は、多角的貿易体制の強化のために、WTOド-ハ開発アジェンダが重要であることを認識し、本年12月の香港閣僚会議に向け、協力を更に深化させる。

6.結語

 東京宣言の付属文書である行動計画は、政治協力、経済関係及び開発協力を強化するための短・中・長期の施策の実現を目指すことを目的としており、本宣言と不可分の一体をなすものである。

 我々は、本会談の成功を祝するとともに、次回の日本・中米首脳会談をSICA諸国のいずれかの国で開催し、首脳会談を継続する意思を改めて表明する。

 コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ及びドミニカ共和国の大統領及び副大統領は、日本国民と日本政府より東京滞在中に示された配慮に対し心から感謝の意を表する。

 2005年8月18日、日本の東京で、日本語及び西語により各々1通の正本に署名した。

小泉純一郎
日本国内閣総理大臣

ホセ・リソ・カステジョン
ニカラグア共和国副大統領

アベル・パチェコ・デ・ラ・エスプリエジャ
コスタリカ共和国大統領

オスカル・ベルシェ・ペルドモ
グアテマラ共和国大統領

リカルド・マドゥーロ
ホンジュラス共和国大統領

アナ・ビルマ・アルバネス・デ・エスコバル
エルサルバドル共和国副大統領

サムエル・ルイス・ナバロ
パナマ共和国第一副大統領

ラファエル・フランシスコ・アルブルケルケ・デ・カストロ
ドミニカ共和国副大統領

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