ラオス人民民主共和国

最近のラオス情勢

平成30年9月26日

最近のラオス情勢

1 内政

概要

  • (1)ラオスの統治制度は,人民革命党による一党支配体制で,党幹部が各国家機関の幹部を兼任。人民革命党は,党大会を5年に1度開催し,5年毎の政策方針と書記長,政治局員,書記局員及び党中央委員等の党中央指導部人事を決定。現在の党最高位は,ブンニャン・ヴォーラチット国家主席兼党書記長。
  • (2)ラオスの国家元首は国家主席で,ラオス国民議会が選出する。現職はブンニャン・ヴォーラチット国家主席兼党書記長。
  • (3)ラオスの議会は国民議会で一院制。5年に1度総選挙が行われ,年2回通常会議が開かれる。立法機関としての役割の他,行政及び司法機関を監督する権限を有する。現議長はパーニー・ヤートートゥ議長(党政治局員)。
  • (4)首相及び閣僚は,国民議会の承認に基づき,国家主席が任命する。現在の首相及び外相は,それぞれトンルン・シースリット首相(党政治局員),サルムサイ・コンマシット外相(党中央委員)。

最近の動き

  • (1)2016年1月18日から22日,5年に一度の第10回党大会(5年毎)を開催。政治局員11名,党書記9名を含む中央委員69名を選出。党書記長にはブンニャン国家副主席兼党書記局常任委員が昇格した。
     党大会では,党の指導的役割を強調,社会主義体制を堅持しつつも,改革・開放路線を継続する方針が示された。前回の党大会では「4つのブレークスルー」と称するイニシアティブが発表されたが,今次党大会では,従来,5カ年計画のみだった社会経済開発計画が「ビジョン2030」,「社会経済開発戦略10カ年戦略2016-2025」,「第8次国家社会経済開発計画2016-2020」の3本が承認された。
  • (2)2016年3月20日,第8期国民議会議員選挙を実施し,4月20日~23日,国民議会初回会合を開催。同20日,国家主席にブンニャン党書記長(党書記長と兼務),新首相にトンルン副首相兼外相,外務大臣にサルムサイ外務副大臣がそれぞれ選任され,新政府指導部が発足。また,第8期国民議会より,25年ぶりに地方議会が復活した。

2 経済

概要

  • (1)1975年の革命以降の計画経済の行き詰まりから,市場経済メカニズムの導入を進め,1986年の第4回党大会にて市場経済化と経済開放を柱とする改革路線を採択。この改革路線は90年代に至り成果があがり始め,1992年から1996年迄は年5%~8%台を記録。しかし1997年のアジア経済危機に際しては,自国通貨安とインフレ,近隣国経済の失速に直面し,1998年の経済成長率は4%台まで下落。その後,政府の財政・金融面における統制強化や外国投資・支援等の着実な流入を背景に,その後数年で成長率は概ね6%~7%まで回復。
  • (2)産業に関し農業が,GDP構成比で約2割を占め,労働人口の約7割が従事。近年産業別GDP構成比は,サービス,工業の比率が増加。工業分野では鉱業と製造業,サービス分野では特に卸・小売業の成長が著しい。
  • (3)ラオスの貿易収支は長年,赤字で推移。2000年代半ばより,金や銅の輸出により輸出額は増加した。ラオス国内で生産できる製品が限られていることから消費財や投資関連財の輸入が増加傾向にあり,特にタイからの物資輸入が顕著。主な貿易相手国は,タイ,中国,ベトナムなど。

最近の動き

  • (1)2017年は,鉱業や製造業,サービス業などの継続的な成長に支えられ,経済成長率は6.89%,1人当たりGDPは2,472米ドルを達成(ラオス中央銀行)。投資分野では中国及び越企業の進出が顕著である。なお,2010年末にラオス証券取引所が開所し,2011年1月から取引が開始されている。
  • (2)2017年は,輸出が約49億米ドル,輸入が約48億ドル(ラオス商工業省)。主な輸出品は,銅製品や電力で,主な輸入品は,電気機器,機械類,燃料等。貿易相手国としては,輸出,輸入ともタイがトップである一方で,近年,対中貿易量の増加が顕著。

3 外交

概要

  • (1)1975年以降は,ソ連を始めとする社会主義国との関係を重視するが,1986年の改革路線の採用以降は,外資誘致と外国支援獲得のため西側諸国を含む幅広い協力関係を模索。1997年にASEANに加盟し,2004年にASEAN議長国,2012年にASEM首脳会議を主催する等,国際場裡における存在感を高めている。なお,2016年はASEAN議長国を務めた。
  • (2)ベトナムとは「特別な関係」にあり,党・政府ハイレベルの交流が活発。中国とは「包括的かつ戦略的パートナーシップ」に基づき関係が拡大。
  • (3)タイは,1975年の革命以降,国境問題で緊張関係にあったが,1990年代からは,貿易・投資面で圧倒的な存在感を示している。なお東北タイとは同根の民族で,言語もほぼ同じ。
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