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日韓共同プレス発表

 李明博大韓民国大統領夫妻は、公式実務訪問賓客として、2008年4月20日から21日まで日本を訪問した。李明博大統領は、21日、福田康夫日本国内閣総理大臣との間で首脳会談を行った。両首脳は、日韓両国が歴史を直視し、未来に対するビジョンを持ち、国際社会に共に寄与していくことにより、両国関係を一層成熟したパートナーシップ関係に拡大し、「日韓新時代」を切り拓いていくとの決意を確認した。

1.首脳外交の活性化

(1)両首脳は、「シャトル首脳外交」の重要性を確認するとともに、本年2月に福田総理が訪韓したのに続く李大統領の訪日により「シャトル首脳外交」が着実に実施されていることを歓迎した。また、本年後半の双方の都合の良い時期に福田総理が韓国を訪問することを確認した。

(2)李大統領は、福田総理の招待により、本年7月9日に洞爺湖で開催されるG8首脳会議アウトリーチ・セッションに出席することを確認した。

(3)両首脳は、国際会議の場においても、頻繁に会談を行うことで一致した。

2.交流の拡大・強化等

(1)両首脳は、日韓間の人の往来が年間500万人に迫るに至っていることなど、両国市民間の交流が拡大・深化し、両国関係の揺るぎない基盤を提供していることを歓迎し、特に、次世代を担う若者の交流が重要であるとの認識で一致した。

(2)両首脳は、日韓ワーキング・ホリデー制度が両国の若い世代間の理解と友情の増進に大きな役割を果たしているとの認識で一致した。両首脳は、同制度の適正な利用を確保し、また、日韓双方の青少年による利用を拡大するための措置をとりつつ、日韓それぞれの参加者上限を2009年には現在の倍となる年間7,200人に拡大するとともに、2012年までに10,000人に拡大することとし、話し合いを継続していくこととした。

(3)両首脳は、今後3年間で新たに1,500人の大学間の交流協定に基づく留学を日韓両政府が支援する「日韓大学生交流事業」を開始することで一致した。このうち、韓国から日本への留学生については、素材産業、部品産業分野等に関連する学部への留学に重点が置かれることとなる。

(4)両首脳は、国際社会に共に貢献していく日韓関係を念頭に、国際政治・経済分野等を含む多様な分野の日韓両国の専門家が共同で研究を行う「日韓新時代共同研究プロジェクト」を開始することで一致した。また、両国の市民社会間の様々な分野における対話の活性化を促進することとした。

(5)両首脳は、両国国民の共通の歴史認識を高めるための努力の一環として、第二期日韓歴史共同研究が順調に進んでいることを歓迎し、引き続き必要な支援を行っていくこととした。

(6)両首脳は、日韓・韓日議員連盟、日韓・韓日協力委員会及び日韓・韓日親善協会等の取組をはじめ、これまで日韓間で各種の交流が活発に行われていることを歓迎するとともに、次世代を担う若手議員間の交流を更に慫慂していくことで一致した。

(7)李大統領より、在日韓国人の地方参政権付与のため、日本側の積極的な努力を要請した。これに対し、福田総理より、本件については、国会等での議論の行方に引き続き注意を払っていきたい旨述べた。

3.経済分野での協力の強化

(1)両首脳は、政府及び業界間の対話と協力の強化を通じて、両国の経済関係を一層強化していく決意を新たにした。

(2)両首脳は、日韓両国経済界のリーダーの参加を得て「日韓ビジネス・サミット・ラウンドテーブル」が設置されたことを歓迎した。両首脳は、首脳会談終了後、同ラウンドテーブルの第1回会合に参加した両国経済界リーダーからの報告を受け、同ラウンドテーブルの今後の活動への期待を表明した。

(3)両首脳は、日韓経済連携協定/自由貿易協定が両国の経済関係の強化に重要な役割を果たすであろうという認識を共有し、同協定締結交渉の再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議を6月中に開催することで一致した。

(4)両首脳は、日韓間の相互投資拡大への期待を表明した。李大統領は日本企業の対韓投資を促進するため、韓国に「部品・素材専用工業団地」の設置を検討する意図を表明した。両首脳は、部品・素材の分野における産業間交流を図るために両国の関係機関間でミッションの派遣や展示商談会等の実施について検討を促すことで一致した。

(5)両首脳は、中小企業政策に関する知見共有を行うとともに、日韓の中小企業の関心に応えていくため、両国の中小企業政策実施機関及び民間団体の参加も得て当局間協議を実施することで一致した。

(6)両首脳は、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の実施する商談会、日韓・韓日産業技術協力財団が実施する日韓ビジネス交流促進事業及び地域間交流事業等の活動によって、両国企業間のビジネス協力が更に拡大することに対して期待を表明した。

4.北朝鮮問題についての協力

(1)両首脳は、2007年10月3日に六者会合で合意された「第二段階の措置」が早期に完了することが重要であるとの認識で一致するとともに、朝鮮半島の非核化や日朝関係、米朝関係の正常化などを記した六者会合共同声明の完全な履行に向け、日韓、さらには日韓米三カ国間で、一層緊密に協力していくことを確認した。

(2)福田総理は、李大統領の「非核・開放・3000」政策について支持の立場を表明した。また、福田総理より、日朝平壌宣言に則って、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を早期に実現するとの方針を説明し、これに対し、李大統領は理解と支持を表明した。

5.国際的課題に関する協力

(1)両首脳は、日韓両国が日韓両国の国際社会に占める責任にふさわしい形で参加する実効性のある2013年以降の枠組み構築に積極的に参加し、また、そのような枠組みの下で温暖化対策に関して緊密に協力していくことで一致した。

(2)こうした共通認識の下、両首脳は、6月に開催される日韓中産業交流会において、省エネルギー・環境分野における協力の推進をテーマとして交流が行われることを歓迎する。これに加えて、省エネルギー、新エネルギー、クリーンコールテクノロジーに関する両国関係者間の交流拡大について検討していくことで一致した。

(3)両首脳は、原油価格高騰が世界経済に与える影響について懸念を共有するとともに、エネルギー安全保障政策面での協力を強化する必要性について一致した。このため、日韓エネルギー協議等の場を通じてグローバルなエネルギー・環境問題に関する包括的な政策対話を行うとともに、東アジア諸国における石油備蓄能力強化のための協力、原油価格高騰に関する国際世論形成における協力及び天然ガス需給動向に関する意見交換など具体的方策を図ることで一致した。

(4)両首脳は、6月に青森で開催される5カ国エネルギー大臣会合・G8+韓・中・印エネルギー大臣会合、8月にバンコクで開催されるEAS/ASEAN+3エネルギー大臣会合等において、日韓両国が気候変動問題への対応の側面を含めグローバルなエネルギー問題への対応に関し協力することで一致した。

(5)両首脳は、「きれいな大気、きれいで豊かな海」を共に守るために、黄砂等の大気汚染対策、海洋汚染対策における地域協力の枠組みにおいて、両国の連携を強化することで一致した。さらに、アジアにおける循環型社会の構築に向けて、3R(Reduce, Reuse, Recycle)に関する協力を更に推進することで一致した。

(6)両首脳は、環境協力に関する合同委員会で二国間の協力を一層推進するとともに、日韓中環境大臣会合やEAS/ASEAN+3環境大臣会合等を通じて、日韓両国がアジア地域や地球規模の環境問題への対応に関し協力を進めることで一致した。

(7)両首脳は、日韓両国が援助国として、援助経験を共有し、アジア・アフリカ等の地域における共同支援の方法を模索する等、援助分野での両国間協力を強化していくこととした。その一環として、両首脳は、日韓援助政策協議を定例化することで一致した。また、本年4月23日に「開発パートナーシップ拡大のための対話会合」を日韓で共催することを歓迎するとともに、国際協力機構(JICA)と国際協力団(KOICA)の共同研修を強化していくこととした。

(8)両首脳は、世界的な脅威及び課題に効果的に対応するため、国連の役割は強化されるべきであり、2005年の国連首脳会合の成果文書等で言及されているように国連改革が継続されるべきであるとの点で意見の一致を見た。また、両首脳は、国連事務局の効率性及び責任性を高めるための国連事務総長の諸般の努力に対して支持することを確認した。両首脳は、国連改革問題について対話と協力を強化するために努力することで一致した。

(9)両首脳は、日韓中三か国間の地域協力の重要性を再確認した。これに関連し、福田総理は、昨年11月の日韓中首脳会議での合意を踏まえ、他の国際会議から独立した形では初めてとなる日韓中首脳会議を、2008年の日韓中協力の議長国である日本で本年中に開催することを提案し、李大統領はこれを支持した。また、両首脳は、日韓米三か国間で幅広く国際問題について意見交換を行うとともに、一層協力していくことで一致した。

2008年4月21日東京で発表した。

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