(写真提供:内閣広報室)
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13日、日中韓首脳会議参加のために中国・北京を訪問中の野田総理は、現地時間の同日 15時05分から約35分間、李明博大統領との間で日韓首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり(日本側同席者:枝野経産大臣、齋藤内閣官房副長官、山口外務副大臣、長島総理補佐官、武藤駐韓日本国大使ほか、韓国側同席者:金外交通商部長官、洪知識経済部長官、朴通商交渉本部長、申駐日本大韓民国大使ほか)。
本会談では,現下の東アジア情勢を背景に,先の野田総理の訪米の話から始まり,共に米国の同盟国である日本と韓国が安全保障分野を含め協力することの重要性を確認し,つづいて,北朝鮮情勢につき多くの時間を費やした。
1.東アジア情勢等
- (1)会談の冒頭,野田総理から,1)日韓両国は,共に米国の同盟国であり,基本的価値,東アジア地域の平和と繁栄の確保等の利益を共有している,2)今回,日中韓投資協定に署名し,日中韓FTA交渉開始に合意できたことを歓迎する,3)今後も,二国間及び多国間の場で重層的で未来志向の日韓関係を構築していくべく,協力していきたい旨述べた。
- (2)野田総理から,先の訪米の際のオバマ大統領との会談を紹介しつつ,日米同盟と現下の東アジア情勢について言及し,日米同盟はアジア太平洋地域における平和と安定の礎であるが,日韓米を始めとする三か国間の協力等を通じ,アジア太平洋地域においていかなる挑発行動や紛争にも適切に対応すべく緊密に連携していくべきである旨述べた。
- (3)これに関し,李明博大統領は,野田総理の訪米は日米の協力の強化を確認し,成功裏に終了したものであり,祝意を述べる旨発言があった。
2.北朝鮮問題
- (1)両首脳は,4月13日の北朝鮮によるミサイル発射は,累次の安保理決議の明白な違反であり,国連安保理が発射に対する強い非難と更なる挑発行為に対する警告を含む議長声明を迅速に発出し,国際社会の強いメッセージを明確に示すことができたことは,日韓を含む関係国の連携の成果であることで一致した。
- (2)また,双方は,北朝鮮による更なる挑発行為を防止することが重要であり,このため,日韓・日韓米が,中国などの関係国とも協力しながら,緊密に連携していくことを確認した。そして,双方は,仮に更なる挑発行為があれば,しっかりと対応する必要があることでも一致した。
- (3)野田総理より,拉致問題に関する韓国の支持に感謝し,離散家族再会問題も含めた人道上の問題の解決に向けて,引き続き協力していきたい旨要請した。
3.その他
- (1)この他,両首脳は安全保障分野や経済分野での両国の協力を強化していくことにつき,意見交換をした。
- (2)野田総理から、両国間には立場に差がある双方が提起している困難な問題もあるが、日韓両国関係の大局的な観点から、これからも冷静に話し合って行きたい旨述べ、最後に、両首脳は、今回の会合は、現下の東アジア情勢の下で、日韓、日韓米の緊密な連携が重要であることを確認することができて有意義であり、引き続き、両国の様々なレベルで緊密に協力していくことを確認した。