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日中首脳会談(概要)

平成24年5月13日

  • (写真)中国の温家宝国務院総理と握手する野田総理
    (代表撮影)
  • (写真)日中首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)

 13日(日曜日),日中韓サミット出席のため中国・北京を訪問中の野田総理大臣は,人民大会堂において,16時頃(日本時間17時頃)から約1時間,温家宝総理との間で日中首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおり。(日本側同席者:枝野経済産業大臣,齋藤官房副長官,山口外務副大臣,長島総理補佐官,丹羽駐中国大使他,中国側:楊潔チ・外交部長,張平・国家発展改革委員会主任,陳徳銘・商務部長,程永華・駐日中国大使他)

1 日中関係総論

  1. (1)双方は,昨年12月の野田総理訪中において達成した成果について,その後着実に進展が図られていること,日中国交正常化40周年である本年,日中関係が全体として良好な発展をとげているとの認識で一致した。
  2. (2)野田総理から,互いの発展は日中両国,地域及び国際社会に大きなチャンスをもたらすものであり,今後も日中が共に発展し,地域・国際社会で更に建設的な役割を果たすことが重要との考えを改めて述べた。
  3. (3)温総理から,この40年間,日中関係は大きく発展したが,時折紆余曲折もあった,,双方は,4つの基本文書に示された基本原則を踏まえ,核心的利益と重大な関心事項を尊重し,具体的な問題が大局を阻害することがないようにする必要がある旨述べた。これに対し,野田総理から,日中両国は緊密であるがゆえに時折難しい問題も生じるが,我々両国の指導者が大局的な見地に立って共に努力しなければならない旨強調した。

2 北朝鮮

  1. (1)双方は,先般の北朝鮮のミサイル発射は,累次の安保理決議の深刻な違反であるとしてこれを強く非難した安保理議長声明及び制裁措置の実効性の向上の決定を評価した上で,今後は更なる挑発行為を防ぐことが重要であり,引き続き,日中両国間で緊密な意思疎通と協力を維持していくことを確認した。
  2. (2)野田総理から,拉致問題の解決に向けて,北朝鮮側への働きかけも含め,中国側の一層の理解と協力を要請した。温総理から,中国側としては,日朝関係の改善を支持している旨述べた。

3 日中関係各論 ((注)以下,項目ごとの括弧内は,昨年12月の野田総理訪中時に表明した「6つのイニシアティブ」を表す。)

(1)政治的相互信頼の増進(イニシアティブ1))

  1. (ア)双方は,政治的相互信頼の増進のため,ハイレベル交流の一層の活発化で一致した。野田総理から中国首脳の訪日を改めて招請し,温総理から,両国の外交当局間で良く意思疎通を図っていきたい旨述べた。また双方は,日中ハイレベル経済対話の早期開催で一致した。
  2. (イ)双方は,安全保障分野での交流と協力を進め,信頼醸成を図っていくことの重要性で一致した。
  3. (ウ)野田総理から,国際社会の基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追求のため,日中人権対話等を活用し協力していきたい旨述べた。
  4. (エ)温総理から,ウイグルの問題について原則的立場を述べた。野田総理からは,日本の立場を述べた上で,日中両国は緊密であるがゆえに時折難しい問題も生じるが,我々両国の指導者が大局的な見地にたって共に努力しなければならない旨述べた。

(2)海洋に関する協力(イニシアティブ2))

  1. (ア)双方は,今月16日に杭州で「日中高級事務レベル海洋協議」第1回全体会議が開催されることを歓迎し,この協議を通じて,海洋関係機関間の信頼醸成が図られることへの期待感を表明した。
  2. (イ)野田総理から,東シナ海資源開発に関する国際約束締結交渉の早期再開を改めて強く要請した。これに対し,温総理から,交渉の早期再開に向け双方の意思疎通をしっかり行っていきたい旨述べた。
  3. (ウ)尖閣諸島について,温総理から中国独自の主張に基づく言及があり,野田総理からは,我が国の基本的立場について述べた上で,本件をめぐる問題が日中関係の大局に影響を与えることは望ましくない旨述べた。温総理からも同趣旨の発言がなされた。野田総理からは,尖閣諸島周辺を含む海洋における中国の活動の活発化が日本国民の感情を刺激していることに言及し,中国側の冷静な対応を強く求めた。

(3)震災を受けた協力(イニシアティブ3))

 野田総理から,中国の輸入規制及び渡航制限につき,最新状況を踏まえた一層の緩和,見直しを要請した。また,野田総理から,福島-上海便等の被災地への直行便の早期復航を改めて要請した上で,7月1日から,被災三県を訪問する中国人個人観光客に対する数次ビザ発給を開始する旨表明した。

(4)互恵的経済関係のグレードアップ(イニシアティブ4))

  1. (ア)双方は,日中韓投資協定の署名,日中韓FTA交渉開始の合意を歓迎し,東アジア地域の包括的な経済連携の進展に向けて協力することで一致した。
  2. (イ)双方は,日中社会保障協定に関する協議の進展を評価した上で,早期の締結を目指し,協議を一層加速化させることで一致した。
  3. (ウ)双方は,昨年末に合意した日中金融協力の進展を歓迎し,更なる充実化で一致した。その他,航空,省エネ・環境フォーラムを通じた協力,映像等コンテンツ分野の官民交流,サービス分野の経済交流,観光促進,知財保護等の分野での協力推進でも一致した。

(5)文化・人的交流(イニシアティブ5))

  1. (ア)双方は,各種行事や交流を着実に進め,本年の「日中国民交流友好年」を一層盛り上げていくために協力することで一致した。
  2. (イ)双方は,国民感情の改善という観点から,40周年の機会を捉え,両国民間の相互理解増進に向けた取組の強化で一致した。
  3. (ウ)野田総理から,今般中国から日本に対し新たにトキを供与することに対する謝意を表明した。

(6)地域・グローバルな課題に関する対話・協力(イニシアティブ6))

  1. (ア)双方は,IMFの資金基盤とチェンマイ・イニシアティブの強化に関する合意において日中両国が果たした重要な役割を評価し,今後日中が連携し,これら合意を着実に実施することで一致した。
  2. (イ)野田総理から,日米中3か国の戦略的安定が重要との観点から,日米中対話が重要である旨述べた。温総理から,日米中対話については現在中国側で真剣に検討している旨述べた。
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