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第3回日中韓サミットの概要

平成22年5月30日

 5月29日~30日、韓国・済州島で第3回日中韓サミットが開催された(出席者:韓国:李明博・大統領(議長)他、日本:鳩山総理、直嶋経産相、松野内閣官房副長官、福山外務副大臣、中川文科副大臣他、中国:温家宝・国務院総理他)ところ、概要以下のとおり。冒頭、鳩山総理の提案により、三首脳は天安艦沈没事案の犠牲者に対する黙祷を行った。


I.第1セッション(29日 16時30分~18時00分、三国間協力の進捗と今後の方向)

1.成果文書の確認

 日中韓の協力を推進するための常設事務局の設置に関する覚書、今後10年間の協力の方向を示す「日中韓協力ビジョン2020」の他、「標準協力に関する共同声明」、「科学イノベーション協力の強化に関する共同声明」の発表で一致。

2.三国間協力の進捗と今後の方向 

(1)三国間協力の進捗について、韓国から、1)協力枠組み、2)相互利益の増進、3)国民間の交流の深化、4)国際間における協力の深化、の分野で発展してきており、今後も推進していきたい旨発言。また中国から、1)協力メカニズムの拡充、2)持続可能な開発、3)人的・文化的交流、4)地域・国際的協力、の分野で協力が進展した旨発言。

(2)鳩山総理から、三か国協力の現状を評価しつつ、東アジア共同体構想の下で、経済連携、環境・気候変動など5つの分野で具体的な取組をまとめており、今後韓中とも連携を深めていきたいと指摘の上、20世紀が「モノの豊かさを追求する時代」であったとすると、21世紀は人材、文化、知恵が豊かさの基盤となる時代であるとの考えに立ち、人の交流に重点を置いて、中韓とも協力して東アジア共同体構想の取組を推進していく旨発言。また、日中韓賢人会議の提言も有用である旨言及した上で、特に貿易・投資、大学間交流などの人の交流、環境協力について提起した。

(3)貿易・投資について、三か国の首脳は、日中韓FTA産官学共同研究の第1回会合が5月に開催されたことを歓迎し、2012年までを目途に共同研究をまとめるべく、三国間でしっかり議論することで一致した。日中韓投資協定については、経済貿易大臣会合の結果を踏まえ、夏までに実質合意を目指すことで一致した。

(4)人の交流について、鳩山総理から、我が国は5年間でアジアを中心に10万人を超える青少年を招聘すると表明しており、その中で、韓国、中国との交流も更に強化したいと表明。また、鳩山総理から、昨年の北京での第2回サミットにおける総理の提案を踏まえ、大学間交流推進のため新たに設置された三か国の有識者会議で単位互換や成績評価などの具体的な検討を進めることで一致したことを評価し、三首脳間で、日中韓を中心に、ASEAN等への拡張を視野に入れた「キャンパス・アジア」構想の早期実現で一致。また、鳩山総理から、本年の済州島を開始として東アジア芸術創造都市を実施することを提案した。

(5)環境について、先週末に北海道で開かれた日中韓環境大臣会合で、協力優先10分野に関する行動計画が採択されたことを歓迎し、この計画の実現に協力を進めていくことで一致。また、鳩山総理より、黄砂、大気汚染、漂流・漂着ゴミ、大型クラゲ等の国民の生活に直結する問題の解決に向けた協力の重要性を指摘するとともに、三国間で環境保全と持続的成長の両立の新たなモデルを世界に向けて提示する必要を指摘。韓中も、環境分野での協力に積極的な姿勢を示し、中国は循環経済モデル拠点構想などの提案を行った。

(6)科学イノベーション協力について、鳩山総理から、共同ファンドの創設も含め、科学技術・イノベーション分野での東アジア協力を進める「東アジア・サイエンス&イノベーション・エリア構想」を検討している旨説明。三か国で引き続き検討することになった。

(7)標準化に関する協力は、三か国ひいてはアジアの貿易円滑化や経済化に資するとの認識で一致し、検討を進めることとなった。

II.第2セッション(30日 9時00分~10時30分、地域・国際情勢)

1.気候変動 

 鳩山総理から、各国がそれぞれの責任と能力に応じて力を合わせていくことが最も重要であり、単なる京都の枠組みの継続により一部の国だけが高い目標を追うのではなく、次期枠組みではコペンハーゲン合意を踏まえた、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な国際枠組み構築を目指すべきことを述べた。
 中国から、共通だが差異のある責任の下で次期枠組み協議に参加する、韓国から、気候変動問題への対処が重要であるとの認識で各国は一致している旨述べ、日韓中は年末のCOP16に向けて連携を強化していくことで一致した。

2.東アジア地域協力 

 鳩山総理から、東アジア共同体構想の下、開放性・透明性の原則に立ち、ASEANを中心とする既存の枠組みを活用し、重層的に地域協力を進める考えであり、日韓中の役割が重要である旨指摘した。中国より、東アジア共同体構想を支持し、開放的に地域協力を進めたい旨述べ、韓国より、長期的に東アジア共同体に取り組む旨指摘。

3.軍縮・不拡散 

 鳩山総理から、NPT運用検討会議で最終文書に合意できたことを歓迎し、核軍縮に向けて三か国で協力を進めたい旨指摘。中国より、中国は核の先制不使用や非核兵器国・地域への核の不使用等を表明しており透明性は保たれている、自国の安全保障のため必要最小限度の核兵器を保有している、核軍縮に積極的に取り組んでいる旨の説明があった。

4.国際経済・金融

 三首脳は、危機の再発を防ぎ、持続的な成長を達成する上で、G20を通じた国際経済協力の重要性、保護主義に反対すること等で一致。

5.国連改革

 鳩山総理から、実効性と代表性が確保された安保理の実現が重要であることを指摘。中韓から、途上国の代表性向上や非常任理事国数増加による改革の重要性等の主張がなされた。

6.北朝鮮情勢 

 哨戒艦沈没事案について、三か国首脳は犠牲者に弔意を表明するとともに、韓国が他国と共に行った調査結果を重視し、様々な関係者の反応に留意した。三か国は地域の平和と安定のため今後も緊密に連携することで一致した。
 鳩山総理から、北朝鮮が核を放棄し、朝鮮半島に平和と安定をもたらすためには、今回の事案について、毅然として効果的な対応を取る必要がある旨指摘し、また、国際社会全体で韓国を支持していくことが重要である旨述べた。その上で、鳩山総理から、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けて、三か国で今後とも連携したい旨述べた。

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