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日中韓首脳会議(概要)

平成20年12月13日

 12月13日(土曜日)午後3時15分から5時まで、福岡太宰府市(九州国立博物館)において、初の単独開催となる日中韓首脳会議(「第1回日中韓サミット」)が開催されたところ、概要以下のとおり(日本:麻生総理(議長)、中国:温家宝国務院総理、韓国:李明博(イ・ミョンバク)大統領が出席)。

1.意義

 今回の日中韓首脳会議は、他の国際会議の機会を捉えて開催されてきたこれまでの首脳会議とは異なり、初の単独開催となり、麻生総理が共同記者会見で「第1回日中韓サミット」と呼んだように歴史的に画期的な会議となった。三国首脳は、日中韓協力を新たな次元に押し上げる共同声明に署名。「開放性、透明性、相互信頼、共益、多様な文化に対する尊重」の原則の下、未来志向で三国間協力を強化するとの力強いメッセージを発出した。また、防災、金融の分野でも文書を発出し、「行動計画」を発表した。今後、サミットを三国持ち回りで、年1回開催していくこととなった(来年は中国が開催予定)。

2.議論の概要

(1)三国間協力の進展状況と展望、(2)国際金融・経済、(3)地域・国際情勢について幅広く議論した。

(1)三国間協力の進展状況と展望

(イ)三首脳は、三国間協力を一層強化することが東アジアの安定と繁栄に不可欠であるとの認識の下、今後の三国間協力の指針を記した「三国間パートナーシップに関する共同声明」の発出に合意し、会議終了後同声明に署名した。

(ロ)三首脳は、総合的防災体制の整備のため、知見を共有すべく、三か国の防災担当閣僚級による会合を来年から開催し、第1回会合を日本が主催することに合意するとともに、「三国間防災協力に関する共同発表」を行った。

(2)国際金融・経済

(イ)金融危機が深刻化し、それが実体経済に影響を及ぼしつつあるとの認識の下、三国が協力を強化することで認識が一致。その観点から、日中韓の通貨スワップの増額に合意がなされたことを歓迎するとともに、チェンマイ・イニシアチブのマルチ化やアジア開発銀行の役割の強化が重要であるとの点で認識が一致。また、三国首脳は保護主義と闘う意思を確認した上で、WTO交渉の早期妥結が重要であるとの点でも意見が一致。

(ロ)実体経済面については、三国がそれぞれ成長力強化及び内需拡大に努めることが重要との点で一致。その上で、各国が速やかで断固たる措置をとっていく必要があるとの観点から、麻生総理からは、日本の経済対策につき、温首相からも4兆元の財政刺激策などにつき紹介があった。

(ハ)その上で、「国際金融・経済に関する共同声明」を発出。

(3)地域・国際情勢

(イ)北東アジア情勢

 六者会合につき、三国首脳は、先の会合において検証について合意できなかったことは残念だが、今後とも六者会合の枠組みの下で日中韓三国が緊密に連携していくことで一致。また、麻生総理からは、拉致問題を含む日朝関係の前進に向けた決意を述べたのに対し、両首脳は、日本の努力を理解し、支持するという姿勢を示した。

(ロ)東アジア協力

 ASEAN+3、EASなどの東アジアの地域協力の枠組みが重要であり、三国はこれと相互補完的な形で連携していくべきとの点で意見が一致。また、タイで予定されていたASEAN関連首脳会議の延期に触れ、その早期開催につき希望が表明された。

(ハ)その他国際情勢

 アフリカ、国連改革、環境・気候変動、軍縮・不拡散などについても意見交換。

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