カストロ・キューバ国家評議会議長の訪日
(概要と評価)
平成15年3月4日
3月1日~4日、カストロ・キューバ国家評議会議長がアジア歴訪(クアラルンプールの非同盟運動首脳会議への参加、ベトナム、中国への公式訪問)の最終訪問地として我が国を訪問した。概要と評価は以下の通り。
1.概要
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日キューバ首脳会談(2日)
2日に行われた小泉総理との日キューバ首脳会談では、二国間関係、北朝鮮問題、イラク問題が主要なテーマとなった(川口外務大臣、三塚議連会長等同席)。
二国間関係につき小泉総理より、両国間には違いも存在するが、伝統的に良好な関係が維持されている、96年のペルー大使公邸事件の際のカストロ議長からの格別な配慮及びキューバの愛知万博への早期参加表明に対する謝意表明がなされた。
北朝鮮問題につき小泉総理より、核開発問題、拉致問題及び日朝国交正常化交渉につき説明したところ、カストロ議長はこれに大きな関心を示し詳細にわたる質問を行った上で、日本の立場への理解を示すとともに本件における可能な範囲での協力を表明した。
イラク問題については、小泉総理よりわが国の立場及び対応につき説明し、カストロ議長からは非同盟運動首脳会議のイラク問題に関する立場等が紹介された。
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その他要人との会談
綿貫衆議院議長(01年キューバ訪問、新藤外務大臣政務官等3議員同席)及び橋本元総理(01年キューバ訪問)といずれも一時間以上に亘り懇談を行った。また、日本キューバ友好議員連盟(三塚会長、古屋事務局長他)主催昼食会及び日本キューバ経済懇話会主催夕食会等に出席した。
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広島滞在(3~4日)
3日、カストロ議長は広島を訪問し、平和公園における献花及び原爆資料館視察のほか、広島県知事主催の昼食会に出席した。視察後、人類はこのヒロシマの苦しんだ経験を繰り返してはならないと述べるなど、深い感銘を受けた模様であった。
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2.評価
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両国首脳レベルでの関係強化
小泉総理とカストロ議長は、二国間関係について大所高所から幅広く意見交換を行ったほか、北朝鮮問題及びイラク問題等についても、詳細かつ包括的な議論を展開した。予定されていた40分を大幅に超える75分に亘った首脳会談を通じ、首脳レベルでの二国間関係の強化が実現された。
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北朝鮮問題を巡るキューバ側の協力姿勢表明
カストロ議長は北朝鮮問題に高い関心を示すとともに、拉致問題等につき種々質問の上、可能な範囲での協力姿勢を表明した。また、北朝鮮情勢分析及びキューバ・北朝鮮関係に関する見解を披露した。
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