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胡錦濤中国国家主席の訪日(概要及び評価)

平成20年5月10日

 5月6日(火曜日)から10日(土曜日)、中華人民共和国より胡錦濤(コ・キントウ、Hu Jintao)国家主席が国賓として来日したところ、今次訪日の概要及び評価は以下のとおり。

1.日程概要

日付 内容
5月6日 福田総理主催非公式夕食会、旧友・知人及びその家族との会見 他
5月7日 歓迎行事、天皇皇后両陛下御会見、日中首脳会談、署名式、共同記者会見、経済5団体共催昼食会、各政党幹部との会見、宮中晩餐 他
5月8日 総理経験者との朝食会、両院議長との会見、友好7団体・華僑4団体共催昼食会、早稲田大学講演、青少年友好交流年開幕式、福田総理夫妻主催晩餐会 他
5月9日 北京オリンピックを支援する議員の会との会見、天皇皇后両陛下御訪問、神奈川県知事・横浜市長共催昼食会、大阪地元自治体・経済団体共催夕食会 他
5月10日 奈良(法隆寺・唐招提寺等)視察、奈良県知事主催昼食会、企業視察 他

2.評価及び成果

(1)日中平和友好条約締結30周年という重要な節目に行われた中国国家主席による10年ぶりの訪日。胡主席自ら「暖春の旅」と名付けた今次訪日は、「戦略的互恵関係」の具体化を通じ、両国が協力してアジアと世界のより良き未来を共に創り上げていくとの日中関係の歩むべき方向性を示せたことは、意義あるもの。

(2)両首脳は、両国が直面する懸案についても率直に話し合い、相互理解を深め、地域や国際社会の諸課題の解決に協力して取り組むという日中関係のあるべき姿を身を以て示し、「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」を発出。(幅広い具体的協力を示した「共同プレス発表」)

(3)胡主席は早稲田大学で講演を行い、「戦略的互恵関係」の更なる発展へ強い決意と意欲を示すとともに、未来志向の新たな日中関係の構築を両国国民に呼び掛けた。また、福原愛選手との卓球等、青少年との交流を通じて、日本国民が中国最高指導者を身近に感じられたことは、相互理解促進、国民感情改善に資するものとなった。

3.日中首脳会談

(1)日中関係総論

 双方は、相互理解・相互信頼促進、互恵協力拡大を通じ、アジア太平洋及び世界の良き未来を共に創造するとの信念を共有。胡主席より、円借款等による中国近代化への支援、北京五輪に対する支持に謝意を表明。毎年、一方の首脳が他方の国を訪問する等頻繁な首脳会談開催で一致。

(2)相互理解・相互信頼

 双方は、青少年交流の重要性を強調。防衛大臣(本年中)、海自艦艇(6月)の訪中等で一致。福田総理より、政策の透明性の重要性を指摘し、中国側の理解と協力を要請。

(3)互恵協力

 双方は、気候変動/省エネ・環境の協力強化で一致。ギョウザ問題について、福田総理より、うやむやにはできない旨述べ、双方は、一層の積極的取り組み、協力を通じた一刻も早い真相解明への期待を表明。日本産米の恒常的輸出実現を歓迎。知財、ビジネス環境改善の協力強化で一致。胡主席からパンダ一対を上野動物園に提供する旨表明。

(4)北朝鮮

 双方は、核問題解決に向けた連携で一致。福田総理より、日朝国交正常化の方針を説明し、中国の理解と協力を要請。胡主席より、日朝関係進展を強く期待、対話と協議を通じて、適切に諸懸案が解決されると信じている旨発言。

(5)国際貢献

 双方は東アジア地域協力やミャンマーに関する協力推進で一致。胡主席よりTICADにつき日本の積極的な努力を評価し、アフリカについても意思疎通の強化で一致。

(6)日本の国連安保理常任理事国入り

 福田総理より、中国側の理解と支持を要請。胡主席より、日本の国連における地位と役割を重視し、日本が国際社会で更に大きな建設的役割を果たすことを望む旨発言。

(7)東シナ海資源開発問題

 双方は、これまで有益な協議が積み重ねられ、大きな進展があり、長年の懸案に解決の目処が立ったことを確認。今後、更に細目を詰め、できるだけ早期の合意で一致。

(8)チベット情勢

 胡主席より、対話の扉は開かれている、問題解決のため最近接触を実施、今後も続けていく、積極的な成果を望む等発言。福田総理より、接触への評価を表明した上で、十分な説明を尽くし、粘り強い交渉を続けることを要請し、状況の改善を強く期待する旨表明。      

4.早稲田大学における講演(ポイント)

(1)日中関係発展への真摯な期待を抱き訪日。中国の将来の発展は改革開放に頼るべき。中国は平和的発展の道を歩み、軍事的脅威にならず、永遠に覇権を唱えない。

(2)歴史の銘記は恨みを抱え続けるためではなく、平和を守るため。日中関係は新たな歴史的起点にあり、「戦略的互恵関係」発展、日中友好のため弛まぬ努力が必要。円借款は中国近代化建設に積極的な役割。多くの日本人が友好事業に心血を注いできたことを永遠に銘記。日本国民は、勉学と創造に長じ、勤勉さ、英知と向上心に富む、省エネ・環境保護技術等様々な分野で世界をリードし、中国国民が学ぶに値する。

(3)日中の未来は青年により開かれる。友好の種を広く蒔き、日中友好の旗印を子々孫々に伝えていくべき。日中両国民がアジアと世界の平和と発展を促進する大舞台において、日中関係と世界のより美しい未来を共に創り上げていくことを願ってやまない。

5.その他

(1)日本国民との交流

(イ)1985年に中国青年代表団として来日した際にお世話になった日本人を含め、旧い友人や日中関係に尽力された方のご家族との懇談や松山バレエ団との交流を実現。

(ロ)早稲田大学での青少年友好交流年開幕式に福田総理と出席。青少年と交流し、「青少年は両国関係の未来と希望の象徴」と感想を述べ、自ら過去に携わった青少年交流の重要性を強調。福原愛、王楠両選手と卓球を楽しむ等、親しみやすさを印象づけた。

(ハ)地方(神奈川、大阪、奈良)で幅広い各界人士と交流し、未来志向の日中関係の重要性を強調。

(2)視察

 環境・省エネ関連施設としてJFEグループリサイクル工場、松下電器を視察した他、奈良では法隆寺、唐招提寺等を訪問し、長きにわたる日中交流の歴史にも焦点をあてた。

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