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温家宝中国国務院総理の来日(日中首脳会談の概要)

平成19年4月11日

 4月11日夕刻、安倍総理は我が国を公賓として訪問中の温家宝中国国務院総理との間で、約1時間40分にわたり日中首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。(会談後に発出した日中共同プレス発表を別添)(日本側同席者:麻生外務大臣、尾身財務大臣、伊吹文部科学大臣、甘利経済産業大臣ほか、中国側同席者:李肇星外交部長、馬凱国家発展改革委員会主任、薄煕来商務部長、孫家正文化部長ほか。)

1.日中関係総論

 安倍総理から、日中関係の政治経済両面での進展を評価し、引き続き政経両輪を力強く作動させ、相互理解を深化させる重要性に言及。温家宝総理から、本年は国交正常化35周年であり関係の更なる発展の機会である、日中関係の発展は日中両国のみならず、アジアさらに世界の人々の利益に合致する旨発言。

2.「戦略的互恵関係」 (⇒日中共同プレス発表4.参照

 双方は、以下の共通認識に達した。

(1)「戦略的互恵関係」の基本精神(ポイント)

 日中両国がアジア及び世界に対して厳粛な責任を負うとの認識の下、アジア及び世界に共に貢献する中で、お互い利益を得て共通利益を拡大し、日中関係を発展させること。

(2)「戦略的互恵関係」の基本的な内容(概要)

1)平和的発展を相互に支持し、政治面の相互信頼を増進。各々の政策の透明性に努力。

2)エネルギー、環境、金融、情報通信技術、知的財産権保護等互恵協力を深化させる。

3)防衛分野の対話及び交流を強化し、共に地域の安定に向け力を尽くす。

4)相互理解及び友好的感情を増進。青少年、メディア等の交流、文化交流を強化する。

5)朝鮮半島、国連改革、東アジア地域協力等、地域及び地球規模の課題に共に対応。

3.対話・交流・相互理解の強化(⇒日中共同プレス発表5.(1)参照

(1)首脳レベルの交流

 安倍総理より、中国側の招待に応じ本年中に訪中を実現したい旨表明するとともに、胡錦濤国家主席の来年早期の訪日を招請。温家宝総理より安倍総理の年内訪日の表明が大変嬉しい旨述べ、胡錦濤主席への訪日招請に謝意を示し、積極的に検討したい旨発言。国際会議等の場で頻繁に首脳会談を行っていくことを確認。

(2)日中ハイレベル経済対話

 立ち上げ会合開催(12日)を歓迎。

(3)人の往来促進

 安倍総理より「21世紀東アジア青少年大交流計画」による中国からの大規模な高校生訪日の招請、及び直行便のある中国の都市への2万人規模の訪問団派遣を表明し、温家宝総理は歓迎。温家宝総理より、1984年の3000名の訪中団参加者の再訪中招請及び今後5年間で毎年1000名の日本の青少年の訪中招請を表明。温家宝総理が、羽田-上海虹橋チャーター便の開設に同意。

(4)文化交流等

 「日中文化・スポーツ交流年」を成功させることで一致。文化センターの相互開設を歓迎。

(5)安全保障

 中国国防部長の本年秋の訪日、艦艇の相互訪問の早期実施で一致。防衛当局間の海上における連絡体制の整備について引き続き議論することで一致。安倍総理より、中国の軍事の透明性向上を要請したのに対し、温家宝総理は、中国は平和的発展と防衛的な国防政策を堅持し、いかなる国にも脅威とならない旨発言。

4.互恵協力の強化(⇒日中共同プレス発表5.(2)参照

(1)エネルギー・環境(⇒環境保護協力の一層の強化に関する共同声明参照

 第一回エネルギー閣僚政策対話 他のサイトヘの開催を歓迎。エネルギー分野の協力推進で一致。安倍総理より、温室効果ガス排出削減と2013年以降の実効的な枠組みの構築の重要性を強調し、日中間で協力することで一致。また、双方は、日中緑化基金による植林活動の支持で一致。

(2)農業

 安倍総理は、日本産米の対中輸出への中国の同意を歓迎。

(3)トキ

 温家宝総理から二羽のトキを提供する旨表明し、安倍総理より高く評価。

(4)医薬品

 日中医学協力構想(新型インフルエンザ対策、がん対策)推進で一致。

(5)知的財産権

 知的財産権の運用及び保護の水準向上で一致。

(6)中小企業博覧会

 日本が主賓国として共催することで一致(本年9月、広州)。

(7)情報通信技術

 次世代移動通信及び次世代ネットワーク等の推進で一致。

(8)金融

 金融及び金融監督の分野における協力強化で一致。

(9)刑事司法

 日中刑事共助条約の年内実質合意に向け努力することで一致。また、日中犯罪人引渡条約及び受刑者移送条約の締結についての協議推進でも一致。

5.地域・国際社会における協力(⇒日中共同プレス発表5.(3)参照

(1)国連改革

 安倍総理から常任理事国入りについて大局的判断を要請。温家宝総理は、日本が国際社会で一層大きな役割を果たすことを望んでいる旨発言。対話の継続で一致。

(2)北朝鮮

 六者会合を早期に再開する重要性で一致。温家宝総理よりBDA問題の現状について説明あり。安倍総理より、拉致問題について中国の協力を得たい旨伝達。温家宝総理より、日本国民の拉致問題に関する人道主義的関心への理解と同情を示すとともに、必要な協力を提供したい旨発言。

(3)東アジア地域協力

 日中両国は地域において重要な責任を担っているとの認識で一致。安倍総理より開放性・透明性・包含性の原則に言及。

(4)日中韓投資協定

 安倍総理から、日中韓投資協定の早期合意及び日中韓ビジネス環境改善行動アジェンダの策定のため努力していく必要性に言及。

(5)経済協力

 安倍総理から、中国の対外援助に関し、透明で国際的規範に沿った援助の重要性を指摘。温家宝総理より、国際的に認められたルールを遵守する、日本とも協力したい旨発言。

6.東シナ海資源開発問題(⇒日中共同プレス発表6.参照

 双方が受け入れ可能な比較的広い海域において共同開発を行い、必要に応じハイレベルの協議を行いつつ、協議のプロセスを加速させ、本年秋に具体的方策を首脳に報告することを目指すことで一致。安倍総理より、決着に向けて一層の努力が必要である旨強調。

7.その他(⇒日中共同プレス発表3.及び7.参照)

(1)台湾

 温家宝総理より、台湾は中国の核心的利益であり、日本側が適切に対処することを望む旨発言。安倍総理より、我が国の立場は日中共同声明にあるとおりである旨応答。

(2)歴史

 温家宝総理より、本年は敏感な年であり、歴史を適切に処理することを望む旨発言。安倍総理より、歴史認識は、これまで述べているとおりであり、その思いは、60年生きた人達、そして自分の共通の気持ちでありこれから変わることはない旨発言。

(3)遺棄化学兵器

 双方は、ハルバ嶺事業の枠組みが合意されたことを確認。安倍総理より、移動式の処理設備を導入する旨表明し、温家宝総理は積極的な態度を表明。

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