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国連の協力によるクメール・ルージュ裁判に対する我が国の支援

平成21年1月22日

1.クメール・ルージュ裁判とは

 クメール・ルージュ(KR)裁判は、1970年代後半に100万とも200万ともいわれる自国民大量虐殺を行ったKR政権幹部を裁くための裁判で、カンボジア国内法廷にて国連の協力を得て実施されています。KRの大虐殺は、20世紀最悪の人道に対する罪の一つとされています。

 本件裁判は、国連とカンボジア政府との合意文書に基づき設置された特別法廷において、カンボジア人司法官と国際司法官とが協力して、元KR政権の上級幹部をカンボジア刑法、ジェノサイド条約上の犯罪や人道に対する罪などに関して裁くものです。

 本裁判は、カンボジアにおける悲劇の歴史を清算することで、犠牲者の国民に正義を達成し、社会経済発展の基礎となる法の支配の強化に役立つものです。

2.日本の関わり

 KR裁判は、1980年代末以来、我が国が積極的に協力したカンボジア和平プロセスの総仕上げで、同国に平和を定着させるために極めて重要です。我が国は、国際社会で裁判の立ち上げ及び実施に向け主導的な貢献を行ってきました。

 具体的には、この裁判に関する二度の国連総会決議を成立させ、また上級審判事として野口元郎検事を派遣するとともに、KR裁判に最大の拠出(約2,160万ドル)を行いました。裁判立ち上げ後は、プノンペンでフランスとともに支援国会合の共同議長を務めています。

3.KR裁判の進展と追加予算要請

(1)KR裁判特別法廷は2006年7月に立ち上がり、2007年11月までにヌオン・チア元国民議会議長、イエン・サリ同外交担当副首相、キュー・サンパン同国家幹部会議長といった元KR政権最高幹部を含む被疑者5人が逮捕・勾留されました。本年2月にも最初の公判が予定されています。
 これらの被疑者5名はいずれも高齢で、深刻な健康問題を抱えている者もおり、迅速な裁判の実施が必要です。

(2)一方、経費については、06年7月の特別法廷立ち上げ後、本法廷が前例のない取組であることから、当初予算では賄いきれない費用が発生しました。具体的には、被害者部の創設、全ての裁判記録及び証拠書類のクメール語、英語及びフランス語への翻訳の必要性、裁判期間の延長の見込み等による追加的な資金需要が発生し、2010年末までに約7,640万ドルが必要とされています。

4.クメール・ルージュ裁判への拠出の必要性と緊急性

(1)我が国は、カンボジア和平のために積極的な役割を果たしてきており、本件裁判は同国に和平を定着させるために不可欠との観点から、人的財政的貢献を積極的に行ってきました。他方、その裁判資金は危機的状況に直面しており、この状況を放置すると裁判停止に追い込まれざるを得ないとの現状にあります。フランスやアメリカをはじめとして国際社会による支援が行われており、同じアジアの一国である我が国としても応分の負担を行う必要があります。

(2)こうした考えに基づいて、KR裁判特別法廷の国連分予算に対し、約24億円を拠出すべく政府予算原案を閣議決定しました。

(3)1月11日にカンボジアを訪問した中曽根外務大臣より、フン・セン・カンボジア首相に対して、この閣議決定について説明したところ、同首相より日本の支援に対する謝意の表明がありました。

中曽根大臣のカンボジア及びラオス訪問についてはこちら。

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