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第14回ASEAN＋3首脳会議議長声明骨子
平成23年11月18日
（英語版（PDF）
）
- 第14回ASEAN＋3首脳会議が，ユドヨノ・インドネシア共和国大統領の議長の下，2011年11月18日，インドネシアのバリにおいて開催された。
- 我々は，ASEAN＋3協力の進展に満足し，経済，金融協力，社会・文化，開発協力における重要な進展に留意した。
- 我々は，良い統治，法の支配の強化，人権の保護と促進に関する協力の重要性を再確認し，対テロ対策，サイバー犯罪との闘い，海洋協力等の非伝統的安全保障問題における協力強化を決定した。
- 我々は，地域には，ASEAN連結性強化やASEAN統合にとって障害となるテロの脅威が依然として存在しているとして，国境を越えた犯罪における分野の協力強化の重要性を再確認し，ASEAN＋3の枠組みでの当該分野の協力強化を促した。
- 我々は，朝鮮半島の平和と安定の維持の重要性を強調し，すべての当事者が，2005年の六者会合共同声明及び関連する国連安保理決議に従って完全かつ検証可能な朝鮮半島の非核化を達成するために努力するよう呼びかけた。我々は，六者会合の早期再開に必要な状況を作り出すことを促した。我々は，国際社会が有する人道上の懸念に取り組むことの重要性を強調した。
- ASEAN＋3プロセスが，ASEANを推進力とした東アジア共同体建設という長期的な目標に向けた主要な手段の一つであること，地域アーキテクチャーにおけるASEAN中心性への支持，東アジア共同体建設プロセスにおいて，ASEAN＋3プロセスと，ASEAN＋1，EAS及びARFが相互に補強，補完する役割を担うことを再確認した。
- 東アジアの経済は，未曾有の国際金融危機から最初に回復した経済圏の一つであり，世界経済回復の主要な推進力の一つとなったことに留意し，東アジア諸国が地域統合を加速化する重要性を強調した。
- 我々は，保護主義と内向きの姿勢を回避するため，多国間貿易システムの利点を強調し，国際金融アーキテクチャーの改革の重要性と途上国の役割を改めて表明し，ASEAN議長国が定期的にG20サミットに参加し続ける重要性を再確認した。
- 我々は，ASEAN＋3マクロ経済・リサーチ・オフィス（AMRO）の設立を歓迎し，チェンマイ・イニシアティブのマルチ化（CMIM）の危機予防機能にかかる研究を促した。信用保証・投資ファシリティ（CGIF）の設立を含むアジア債券市場イニシアティブ（ABMI）の進展を歓迎した。
- 我々は，貿易投資の自由化に向けて東アジア自由貿易圏構想（EAFTA）及び東アジア包括的経済連携構想（CEPEA）の下に三つの新たな作業部会を設置するとの日本と中国の建設的な共同提案を歓迎した。
- 我々は， 東アジアサミット（EAS）が地域共同体建設プロセスにおいて重要な役割を果たす中，ASEAN+3プロセスが，東アジア共同体建設という長期的な目標達成に向けた主要な手段の一つであることを再確認し，発展する地域アーキテクチャーにおけるASEANの中心的な役割への強い支持を再確認した。
- 日中共同提案を考慮し，物品貿易，サービス貿易，投資に関するASEANプラス作業部会を設置するとのASEANの決定を歓迎した。特に，物品貿易に関する作業部会を2012年早期に設置し，原産地規則，関税品目表，税関手続に関するASEANプラス作業部会の結果をフォローアップすることに留意した。
- 我々は，地域の食料安全保障を促進する決意を再確認し，ASEAN食料安全保障情報システム（AFSIS）の着実な実施と，更なる発展を歓迎した。
- 我々は，地域の食料安全保障を確保する恒久的メカニズムとして，ASEAN+3緊急米備蓄（APTERR）協定が2011年10月7日にインドネシア・ジャカルタで署名されたことに満足の意を表明した。
- 我々は，地域におけるエネルギー安全保障の確保へのコミットメントを再確認した。
- 我々は，日本政府及び国民の復旧・復興に対する取組に対し，連帯と支援を表明し，日本の早期復興への確信を表明した。日本は被災地の放射線レベル等の必要な情報を引き続き迅速に提供し，ASEAN＋3は，域内の貿易，投資，観光及び人材交流を促進するため，原発事故後の日本からの輸入規制について適切に見直し，緩和するよう検討する。
- 我々は，東日本大震災の経験と教訓を共有するため，2012年に国際会議を開催するとの日本の提案を歓迎した。
- 我々は，洪水被害に見舞われたASEAN各国に哀悼の意を表明した。我々は， 洪水緩和，水資源管理の協力強化の必要性を認め，関係大臣等に具体的な計画の検討を指示した。
- 我々は，最近始動したASEAN防災人道支援調整センター（AHAセンター）の完全な活用を支持することを表明した。
- 我々は， ASEAN＋3の枠組みの下，自然災害，金融危機を含む様々な緊急事態に迅速かつ効果的に対応する危機管理センターの設立の可能性を探求することを決定した。
- 我々は，地域における共通の課題である教育に対処し，教育を促進させるための協力と共同努力への強いコミットメントを改めて表明した。 我々は，第1回ASEAN＋3非公式教育大臣会議の開催を歓迎した。
- ASEANの首脳は，日中韓三カ国首脳のASEAN連結性マスタープランの実施への支援に対する関心に感謝した。
- 我々は，2011年9月に日本の主催で「東アジア高等教育質保証国際シンポジウム」が成功裏に開催されたこと，日中韓のイニシアティブによる「CAMPUS Asia」の進展とASEAN諸国との大学交流促進の意図を歓迎した。
- 我々は，気候変動問題への対処に向けた協力強化の重要性を強調した。
- 我々は，防災協力，文化交流，貿易投資促進と連結性に関する東アジアシンク・タンク・ネットワーク（NEAT）のメモランダムに留意した。
- 我々は，成都において第9回東アジア・フォーラム（EAF）が成功裏に開催されたことを歓迎した。我々は，EAFの再活性化のための韓国のイニシアティブを評価した。
- 我々は，ソウルにおいて第1回東アジア・ビジョン・グループII（EAVGII）会合が成功裏に開催されたことを歓迎した。
- 我々は，2012年，ASEAN＋3協力の15周年を祝う必要性及び第15回ASEAN＋3首脳会議をASEAN＋3記念首脳会議とすることで一致した。
- 我々は，2012年，ラオスが第9回アジア欧州首脳会議（ASEM）を主催することを完全に支持することを表明した。