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海外交流審議会第2回外国人問題部会


平成15年10月1日(水)
於:外務省仮庁舎


<会 議 開 催 概 要>


1.日 時平成15年10月1日(水) 15:00~17:00

2.場 所外務省仮庁舎1906号室

3.出席者 
  (委員側) 手塚部会長、植本委員、衣笠委員、櫻木委員、佐藤委員、谷野委員、塚田委員、寺嶋委員、新居委員
  (事務局側) 鹿取領事移住部長、小澤領事移住部付検事、三好領政長、重枝領旅長、山本領外長、渡邉領外企画官、下井領保援護官

4.議 題在日外国人及び日系人の短・中期滞在に係る諸問




  • 手塚部会長 本日はお忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。ただいまから海外交流審議会第2回外国人問題部会を開催させていただきます。
     なお、残念ながら本日、北脇委員、朴委員及び西原委員の3名が所用により欠席ということですので、よろしくお願いいたします。早速議題に入らせていただきます。
     本日の議題ですが、前回、第1回目の外国人問題部会の議論で、短中期的な滞在に関わる諸問題ということで、社会保障、雇用、教育、コミュニケーション等々について取り上げることになっております。
     そのときには、短・中期と長期とどう違うかという議論もしたと思いますが、その区分ですが、短期は1年前後、中期は2、3年、長期はむしろ日本が本拠になるという形で定住・永住と、言葉を換えればそういうことでしょうけれども、そういう仕切で御議論いただこうと思っております。
     今年の2月に「在日ブラジル人に係る諸問題に関するシンポジウム」というのが東京で開催されました。そのときにはさまざまな問題が議論されましたし、かなり踏み込んだ率直な議論もなされて、時にはブラジル側と日本側との意識のギャップ、考え方のギャップなども出てきました。
     このシンポジウム等々で問題がいろいろ出てまいりましたことをフォローアップする形で各分野の有力な有識者、関係官庁の政策責任者、これは課長さんたち、それから経済団体等々の関係者で構成される小委員会を立ち上げて全部で4回くらい議論をしてまいりました。
     これは30万人の在日日系人を念頭に置いて議論を行ったものですけれども、在日日系人問題というのは、外国人労働者問題を考える上での試金石になるだろうということで、小委員会での議論を踏まえたペーパーをここにお配りさせていただきました。
     本日のこの部会で取り上げる各テーマの場で随時それについても御説明してまいりたいと思います。
     それでは、第1回の外国人問題部会及び第3回の総会からかなり時間が経っておりますので、その後の進展等々につきまして、鹿取幹事の方から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 鹿取部長 外国人問題部会に初めて参加いたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。私は5月に就任し、6月にブラジルとの領事当局間協議を行いました。これはブラジルとの間では初めての協議です。その際に日本におけるブラジル人の就労、子弟の教育、非行、犯罪対策等の諸問題を議論しました。
     その際、このような問題を放置すると、日本とブラジルとの二国間関係のみならず、日本の国際的イメージにとっても非常に悪い影響を与え得るという感を強く持ちました。そして、在日外国人問題は、我が国の将来にとって極めて重要な問題であるという認識を改めて強めた次第です。
     前回の協議のフォローアップですが、第3回総会にて、矢崎委員から、「外国人が旅行先の医療機関にかかる際に高額な医療費を必要とする場合があるが、査証を取得する際にそれらの滞在費の支弁能力を考慮しているか」という御質問がありました。
     お手元に資料をお配りしております。主要国について調査しましたところ、査証申請時に健康保険加入を義務づけることは技術的に難しいこともあって、そのような措置を取っている国はありませんが、長期滞在を目的とした場合、入国後に加入が義務づけられている国は幾つかあるようです。
     また、査証申請時の滞在費用支弁能力の立証資料と、無犯罪証明書の提出についても、主要国の制度を調査いたしましたが、その結果もお手元の資料のとおりです。
     次に、第3回総会での植本委員の御指摘もあって、研修生や技能実習生を受け入れている企業が倒産する場合の救済措置について関係省庁と議論しました。そのような議論を受けて、JITCOとしては、手当や給与の未払いの救済のため、団体管理型研修の受け入れ機関相互扶助制度の創設を呼びかけています。
     また、法務省は研修生、技能実習生の滞在に関して、受入先企業の倒産等で受入先を失った場合でも、研修生・技能実習生の方に責めがなく、研修先を変えることで目的が達成される場合には、例外的に滞在の継続を認めるという方針です。
     8月中旬の新聞にも報道がありましたが、日本経団連が外国人労働者に関わる提言を11月の中間報告と来年3月の最終報告の形で出すということです。
     また、9月17日、日本商工会議所も外国人労働者について提言を行っていますが、このように外国人労働者の問題については、今後とも議論が高まっていくものと考えています。

  • 手塚部会長 何か御質問ございますでしょうか。医療費問題は矢崎委員は医療関係の代表でいらっしゃいますので、深刻な問題があるとの指摘だと思います。
     それでは、これは次の議題に関わる問題ですので、続けさせていただきます。
     本日の議題の第1点目である社会保障と雇用の問題について、鹿取幹事より問題点の所在について説明をお願いしたいと思います。

  • 鹿取部長 外国人が日本に来られて、病気やけがで医療サービスを受けた際、保険による補助がないと出費はかなり大きな負担となります。日本に住み、何らかの職に就くのであれば、雇用主の責任により、各種社会保険や公的年金への加入が義務づけられていますが、実際には義務が守られていないケースが多く見られています。年金に関しても、今後帰国するのか、それとも日本に生活の本拠を置くのかによって加入する意思は左右されると思います。
     いずれにせよ、これから増えるであろう在日外国人の人権に配慮した体制を整備していかなくてはならないと考えておりますが、この健康保険の問題についても、日本とブラジルの領事当局間協議で提起されています。ブラジル側もこの問題を相当深刻に受け止めているという印象を受けました。

  • 手塚部会長 社会保障と雇用の問題については、2月の在日ブラジル日系人に関するシンポジウムで問題提起された点などを含めて、フォローアップ小委員会で議論をいたしました。このフォローアップ小委員会のペーパーを先にごらんいただきたいと思います。文章がまだ熟していない点もあると思いますが、とにかく30万人の日系人の多くが、不熟練労働に就いています。とりわけ現状で申し上げますと、資料の(3)のところが重要なんですけれども、今は労働者派遣事業法によって、製造業への人材派遣は禁止されているわけです。結局、構内下請という形で、本当は下請というのは大工さんと同じように、自分で道具とか材料とか、自分の計算で全部やるのを請負と言うんですが、そうではなくてマンパワーだけを入れる。そういう下請で、ある意味ではかなりの大企業でもやっているのですが、これは職安法では、請負ではなく、労働者供給事業として禁じられています(職安法44条)。しかし、今後は派遣として正式に認められることになりました。結局、そういう中で起きていることは、もう一つのペーパーがございますが、これは簡単に要点だけ書いてありますので申し上げますと、人材派遣に関しましては、そこに3.がありますが、要するにバブル経済のときには、最初はバングラディシュ、パキスタンやイランの方たちが不法就労の形でたくさん来ていた時代がありました。その人たちのやっていた仕事を日系の人たちがやる形になった。
     今年に入ってから、おそらく200か300人の在日日系人のヒアリングを続けてきましたけれども、安い賃金、時間給でボーナスもなく、勿論、退職金なども一切ない。社会保険には入らない。いつでも解雇できる。大体最近は2、3か月ごとに解雇されて転々としているという状態です。
     結局今度の労働者派遣事業法で、製造業への人材派遣を解禁するという方向が出たわけであります。建設業は今のところまだ禁じられておりますけれども、実質的には職安法44条の労働者供給事業の禁止というのは空文規定になっているという状態であります。
     その中で実際、調査の結果ですけれども、兄弟姉妹、それから親も呼んで、チェインマイグレーションということがあるんですが、一家全部、そろって出てきてしまうという家族も増えてきている。
     結局、3か月ごとに切られますから、仕事のない間は面倒も見ないわけですから、結局兄弟で何とか助け合っているというのが最悪の場合の実情になっています。
     実際に日系人の人たちは、例えばブラジルを取りますと、日本との所得格差は10倍ですから、平均賃金は12、13万~15万くらいで、月に25日間働いて、その上にオーバータイムを3、4時間して、そのお金を持って帰れば10倍ですから、何とか自分の家くらいはできるという夢を持って、あるいは事業ができるという夢を持って来ているんです。しかし、実際にどういうことが起きているかというと、結局、故郷に帰っても仕事がないし、中には群馬県の県人会の会長さんだった方などはサンパウロに帰った途端に刺されて亡くなるという悲惨なケースがあったわけです。そういうことがあって、異口同音に言うのは、日本は安全で、それだけはありがたいということであります。
     そういう中で使用者は責任を一体果たしているのかどうかということでありますが、こちらのペーパーに入っていただきたいんですが、少しそこを考えたらどうだろう。やはり日系人を雇用するときに、雇用主による在留資格の確認を義務化したらどうか。違反者には反則金等々付けることが必要だろうということです。
     日系人の雇用状況報告を今のところは、厚生労働省の方では任意で企業から集めているんです。大体日系人についてはきちんと出していただいていますが、これを義務化して、情報データベースに入れる。それで入国管理、子弟教育、社会保障などにもできる限り活用すべきではないかということであります。
     それから、先ほど申し上げましたように労働者派遣事業の製造業への解禁を契機に、派遣業者などの労働者派遣に関する遵守事項を拡充するということ。違反者には事業許可の取り消しなどの措置を取ることが必要だと考えます。
     これについては、フォローアップ小委員会では、いわゆる労働者派遣事業の製造業への解禁を推進したプロモーターの先生も入っていただいた。彼らは許可制を取っているので、それをきちんと守ってもらえば大丈夫とおっしゃるのですが、少し心配がありまして、1つは、今はアングラ化している構内下請の人たちは、労働者派遣事業としての許可を取らないだろうということ。
     もう一つは、仮に派遣事業で許可を取って取り消されても、別の人が別の会社を創ってまたやるということ。
     もう一つ、これは厚生省と労働省が別々だったことがありまして、労働者派遣事業法上の使用者の義務として、労働基準法などの労働法は守れということは書いてあるのですが、社会保障法の健康保険法や厚生年金法をきちんと守りなさいということは書いていないんです。今度の改正でもそこのところがうまくいっていないということがございまして、これらの点は埋めていかなくちゃいけないでしょうし、何とか私たちも見守っていかなくちゃいけないという具合に思っています。
     それから、労働者の権利保護のための特別の専門官を地方の官署に、どこに置くかというのはいろいろ議論があるところですが、置いたらどうでしょうかということ。
     それから、日系人の就業に関しては、労働条件が日本人と異なるダブルスタンダードで低い条件でやっているわけでして、受入国の政策としては、これは認めてはならない。労働基準法の3条は言うまでもないことですが、そういうことを実現する必要があるだろうということです。
     1つの方策としては、日系人に労働者手帳を導入してやったらどうでしょうかということで、この制度は実は平成元年の入管法改正のときに、御案内とは思いますけれども、法務省と労働省との間で摩擦がありまして、労働省は就労許可制というのを取りたい、法務省は入管法一本で構わない、ということがあって、その中間策で労働者手帳という意見もあったんですが、結局やれなかったということがあります。
     今回は是非やったらどうだろうかということで、その中には日系人本人の性別や年齢や旅券番号、在留資格等々のほか、これはいわゆる労働基準法等に書いてあること。あるいはパートタイマーの手帳についても、そういうものが入っていますが、こういう労働契約の当事者と契約期間、賃金、労働時間、休日など、これは基準法89条というのは就業規則の列挙条項ですけれども、そういうもの。それから、社会保険、労働保険に加入していること。その他の事項を記入する義務を雇用主に課するということをして、日系人もそれは携帯していただくということにしないと、きちんとしないだろうということです。
     労働者の手帳を保持している者については、在留資格の更新や外国人登録関係の手続、保険の加入時において優遇措置を与えて雇用主が優秀な労働力を確保できるような仕組みにするということを行うべきではなかろうかという意見であります。
     先ほど申し上げましたように、製造業への派遣が認められますから、派遣先の、例えば自動車の工場ではなくて、派遣元にそれを課することにしたい。
     入管法73条の2は、不法就労助長罪を規定しており、不法就労の人をあっせんしたり、自分で雇ったりした者については罰則を設けているんですが、これは故意犯ですから、犯罪の立証が非常に難しくて、以前、千葉県銚子の漁業組合で事件があったんですが、これは、技能実習制度で中国人に使用者が14~5万円払っているのに、本人には5~6万円しか渡らない。途中ピンハネをしていまして、労働基準監督署と検察庁が動いて捜査をし、起訴をした。有罪になったんですが、そのときに犯罪で重い方は横領罪だったものですから、千葉地検が動いたんです。千葉地検は通常事件がある上に、過労死が出そうなくらいで、結局、該当者は1,500 人くらいいたようですが、400 人分くらいで起訴したという状況がありました。これは法律上の議論ですけれども、形式犯にした方がいいだろうということであります。
     それから、日系人を雇い入れる雇用主の社会保険や労働保険の義務は、受益者として当然であることを確認していただく。いろんな人権団体でもそういうことを一生懸命やっていただいているんですが、これを絶対条件にしなくちゃいけない。それはとりわけ浜松だとか大泉などの自動車や電気などの産業では下請とか関連企業くらいからそれを把握して指導するということを今までほうっかむりをしてきましたから、日本経団連がそのくらいのことをやっていただけたらなということです。
     勿論、その中でも議論が出ましたけれども、アメリカは勿論人種差別の禁止がありますし、国籍による差別の禁止もありますから、イコール・オポチュニティーがありますから、それは非常に厳しくやられていますし、例えばドイツなどでも、BMWの本工場では60%が外国人ですが、その人たちは全部同じ協約賃金で、同一労働、同一賃金でやっているわけです。いわゆる企業内のベトリープスラート(Betriebsrat、従業員代表委員会)には必ず外国人の代表が入るということをやっていますが、その点を是非植本委員、連合の中で徹底させていただきたいという具合に思います。
     フランクリースピーキングですけれども、大企業のごくわずかの、正社員だけを守る労働組合では、もう将来的には消滅するというのが日本の労働組合に私は申し上げていることでありまして、本当に頑張っていただきたいと思います。
     それから、年金の通算協定の措置を取ればいいという具合におっしゃる方もいらっしゃるんですが、現行では年金は3年分だけ、帰国するときに本人が積み立てた50%分返すことになっています。それは脱退一時金のような形。ところが、日本人にはそれは適用されません。ですから、今は日本人について脱退一時金は一銭も戻ってこないということになっています。
     ところが、日系ブラジル人の中には、これをうまく使って、3年入ると本人積立分が返ってくるよというので、これはかなりの額になるものですから、それでブラジルに帰る旅費をつくって帰る。そうすると、またブラジルへ行ってしばらく遊んで、また帰ってきて、また3年働いてまたと。実質的には完全にリピーターから定住に変わってきているというものです。
     私が昨年サンパウロ、ロンドリーナのシンポジウムに出ましたけれども、日系側社会では、かけた分全部返して欲しいという要求があります。年金について、かつてドイツで1980年代の半ばに、トルコ人を国に帰したかったわけです。それで年金を10年かけたとすれば、労使でかけるわけですが、向こうへ帰ってからの使用者分はドイツ政府がずっと収めるからと言って帰そうとしたんですけれども、うまくいかなかったという歴史もございます。
     以上が今まで議論を積み重ねたことですので、どうぞ各委員の御意見、率直に、ここは本当に審議会の部会ですので、どうぞ御意見をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 櫻木委員 私は2点問題となる点を指摘したいと思います。まず一つは、いわゆる不法就労者に対してどのような姿勢で臨むのか、もう一つは、入国した外国人を差別してよいのか、という問題です。
     私は弁護士として外国人労働者と主に刑事弁護でぶつかっています。つい最近扱った中国人の事件ですが、これは不法入国ですけれども、彼は朝の4時に起床して、自宅に帰るのが8時。その間ずっと働き通しで、その労働内容は冷凍されたマグロを切る。それを朝から晩までやる。くたくたですと言ってました。帰りたくないんですかというと、帰りたくてしようがないんですが、要するに、正規のルートで入ってきていないものだから帰るのがむずかしいというんです。捕まってほっとしたと。帰るきっかけになったというような悲惨な状況にあります。
     これは確かに「不法就労」の典型なんですけれども、「不法就労」で働いている部分に対して、どのような法的対応をとるべきか十分検討し合意を得ておかないと、正規で入ってきた人に対する基準を決めても、効果的ではないんだろうと思うんです。
     例えばアンダーグランドの世界があるとどうしても労働力を求めてそちらの方に買い手は流れるわけです。正規に入ってきた人の労働力が買いたたかれて、せっかく作った基準も崩されるという意味において、いわゆる不法就労者、不法入国者を使った場合、どうするかという問題とセットにすべきだと考えます。他方そのような「不法就労者」と言えども人としての尊厳があるわけで、どうやってその尊厳を守るようにすべきかも詰めておかなければならない問題だと思います。
     それから、在日日系ブラジル人、これはまさに外国人労働者の日本における試金石だというのはごもっともなんですが、どういう外国人を入国させるかというのは政策の問題で、いろんな政策があっていいと思うんですが、一旦入った外国人を区別をして扱っていいかという問題があろうかと思います。
     つまり、日系でない外国人と日系の外国人を区別して扱っていいものだろうかという問題は引っかかるところです。
     いずれにしろ、実態に関しては、手塚先生がまとめられたものを資料として送っていただきましたけれども、これは私たちが現場で働いていて、もっともだと思うことです。わかりやすく整理してくださって、体系づけてくださったので、私たちも助かります。

  • 手塚部会長 御案内とは思いますが、労働法と社会保障法は在留資格いかんにかかわず平等に扱わなくちゃいけないことになっているんです。そこのところが巧みに利用されていて、結局、日系人と非日系のいわゆるきちんと働く在留資格のない人との間が差別されている。その問題について、考えなくちゃいけないという御指摘なんですが、そのとおりだと思いますので、どういう形で生かすのか考えていきたいと思います。

  • 谷野委員 これほどの深刻な状況になっているというのは、まだまだ国内ではほとんど知られていないですね。国内の啓蒙というのも必要だと思うんですが、私は日本は基本的には、外国人に対しもっとおおらかに門戸を開ける方向に行った方がいいと思うし(特に高度の技術・知見をもった外国人)、行かざるを得ないと思います。他方、先ほどの早朝からの魚の解凍の話がありましたが、この種の労働をどんどん外国人に頼るという社会になっていていいのかどうかということについては疑問に思います。不景気になればまっ先にしわ寄せが来るのはこの人たちだし、第一、日本の国内に一種の民族的差別感情を持ち込むことにすらなりかねない。すべて排除させるということではないが、そこにはもっとしっかりしたルールが必要と思います。私は、開発途上国の人たちの雇用は、やはり本国でその機会を造出してあげる、そのために日本も支援する(援助、投資)ということを本旨とすべきものと思います。現実に日本で働いていろいろな問題にぶつかっている日系人30万人、この問題への対応は何とかしないといけない。せっかくこういう審議会ができたわけですから、前から申し上げているように、実際に政策をつくり、法律を書く国内官庁の方にここでの議論を早くつなげて、今起こっている問題を処理する手立てをとって欲しい。手塚部会長がお書きになった幾つかの提言、これにはだれもチャレンジしえないと思いますし、幸いなことに手塚先生の研究会には関係省庁の課長クラスが個人の資格ではあるけれども、参加しておられるわけですから。少なくともこの人たちが問題点を共有し始めているということは非常にいいことですね。

  • 手塚部会長 ただし、個人の資格での参加です。

  • 谷野委員 昔はそれさえもありませんでしたから、時代はやはり変わってきているんですね。そこが救いです。外国人問題というのは非常に幅広い問題ですが、今の問題は、放っておけない問題のように思いますから、私たち審議会でも中間的な答申でも早く措置して、国内の役所を動かすことが必要と思います。
     特に子どもたちがぐれていって、学校にも行かないで犯罪に走るというのは、彼らの責任でも何でもない。連れてきた親、それをおおらかに受け入れない日本の社会、日本の国公立の小学校なり中学校なりが悪いわけですが、それに私は、第一、日系人だけをどんどん労働力として受け入れるという安易な政策をどうしてとったのかと思いますが、今そんなことを言っていてもしようがないので、今起こっている問題に対しを早く改善策を講ずるべきです。

  • 手塚部会長 谷野委員の話にもありましたが、2点目の子弟教育の問題も表裏一体です。
     2点目も一緒にやった方が議論は実りが多いと思いますので、鹿取幹事の方から説明をお願いします。

  • 鹿取部長 母国語が日本語でない児童・生徒に対する日本語による学校教育、特に不就学対策が大きな問題になっています。不就学の児童・生徒については、その数も正確にはつかめません。外国人登録をしても、すぐ住所が変わってしまったり、親がどこにいるかわからないということで、実態が把握しきれていない部分があります。ただ、推計では7歳から14歳の義務教育年齢で不就学者は半数に及ぶとも言われています。
     ブラジル政府も、義務教育適齢期の児童の教育問題を一番深刻に考えているという印象を受けました。
     これらの子どもは将来ずっと日本に残るかもしれません。ブラジルに帰る場合であっても、1つの社会が全く教育を受けない人たちをつくってしまうというのは非常に深刻な問題です。日本の国家としてのイメージにとって問題であるのみならず、あらゆる観点から手を打たなくてはならない問題です。
     青少年犯罪ではブラジルの子どもたちの割合が非常に高く、昨年の統計では外国人青少年犯罪の60数%がブラジルの子供達だという数字が出ています。これは教育問題と裏腹の関係にあると思います。今年の上半期においては、数字はかなり改善されておりますが、ブラジルの子どもたちの青少年犯罪に占める割合は依然として最も高くなっています。

  • 手塚部会長 この問題についても文科省担当課長さんたちも来られて相当議論いたしました。1つは、国がどのくらい義務づけることができるのかということについての議論で、若干違いがあるかのようなところがありました。とりわけ2の方で「初等中等教育」と呼んでいますが、義務教育ですね。日本の制度では中等教育の中には高校も入っているんですけれども、初等中等の中学校までの義務教育に関しては、国・地方自治はこれを無償かつ無条件で受け入れるということを明らかにする。現在は希望する者に対してそうなっているよというのが文科省の方の説明でした。
     それから、保護者が子弟に教育を受けさせる義務を明確化する。これは受け入れのときからそういうことをきちんと何回もやり、チェックしないといけないということを私は痛感していますが、入管法の在留資格の要件としても義務づけて、在留資格の更新の際にチェックするということも一案ではないかということであります。
     ちなみに、外国人の受け入れに割とやわらかく、マイルドに受け入れているオランダがそうですが、オランダは就業条件と住宅がきちんとしているということと、子どもの教育がきちんとしている、その3つが絶対的条件で、それだけは守ってくれということを何回もやっているはずでありますし、それ以外の西欧諸国もそこのところはきちんとやっているはずですが、ただ、国としては、正式な学校教育法で認めた1条校以外での教育についてはなかなか難しいということもおっしゃいます。
     私のメモの方をごらんいただきたいと思いますが、6番ですけれども、ブラジルの側と話をしますと、ブラジルは移民受入国だと言うんですが、今は逆に移民が出る国になったということで、その多い方から見ると、米国とパラグアイで、日本が3番目だと。彼らの雰囲気や話しているところを聞いていますと、もともと日本人なんだから、日本で面倒見るのが当然だという雰囲気が非常に強くて、オファーはもとより、プロポーザルもない。日本の文科省の担当課は、日本人が海外に出るときに子どもさんを連れていらっしゃる方や帰国子女を扱う課が一緒にやっていまして、日本の場合は手厚いんだよということを一応説明しているんです。いわゆる、海外の日本人学校には優秀な先生を送って、やっているということも説明しているんですが、ブラジルは大国ですからそういうことは余り問題にしないという雰囲気のような気がします。
     実態は50%、ひどいところは60%落ちこぼれる。落ちこぼれた結果は想像どおりであります。ただ、最近、アメリカやヨーロッパの研究で米国のヒスパニックは、カリフォルニアなどはものすごい努力をして、一応初等教育は終わるようにしている。中等教育も終了して、大学とか大学院の進学率もヒスパニックは高くて、優秀な人も出てきているという報告があります。ドイツがその比較研究をやりまして、ドイツの場合には20%ドロップアウトします。ドイツの小学校5年生までは小学校ですけれども、それから上は14年目までは一貫校です。その中のハウプトシューレというか、大学進学しないところの学校でも、どんどん落第もさせますし、見込みがないと放校にもします。体罰はしませんが、それだけの権威を先生は持っている。
     それでは、日系のブラジル人についてはどうかというと、稼げるだけ稼いでブラジルに考えれば為替レートは10倍だからというので子供は二の次である。日系人の代表的な方たち、二世までは、御案内だと思いますけれども、連邦の大臣も出ましたし、相当な方たちが出たんです。そういう方たちは二世で、猛烈な苦労をしながら育てられて進学していたんですけれども、3世以下になりますと、日本人同士の結婚から、いろいろかわりますし、夢と現実は異なりまして、結局、子どもの教育よりも稼いで帰ることに重点を置く方が多くなってきている。このことをどう埋め合わせたらいいのかというのを本当に考えなくてはいけない。
     ヨーロッパでもアメリカでも、例えば学校の先生が、あるいは自治体の職員が定年後、そういう人たちを受け入れて、ちゃんと1対1で教育しているが、そういう姿というのは日本には余りにもないのではないか。それは連合などでも是非お考えいただきたい。
     個人的な体験を申し上げるのは恐縮ですが、私はABCもできない娘を連れて外国に行ったんですが、その村の小学校の退任した先生が自分の家に呼んで、お茶とケーキで週3回、旧ソ連から引き揚げてきたドイツ系の子どもと一緒に、涙ぐましい愛情をそそいで教えてくれました。実際皆さん教える能力とそういう気持ちがあると思うんです。だけれども、日本にはそういうものはほとんどない。浜松の現地でも、100人中99人の人たちは、日本人の本当のお友達はいますかというと、はっきりいませんと言うんです。これはどうしたものかということです。そんなことを含めて御説明させていただきました。それでNGO、NPOの協力がどうしても必要だということです。
     それから、地方自治体は中等教育なり職業訓練を受ける希望のある者は、できるだけ便宜を図って、日系人でも外国人の子弟でもみんなそういう具合にしてやらなくちゃいけないのではないかということが議論されました。

  • 佐藤委員 特に教育の問題に関して、なかなか外国人問題は日本の制度上の問題がどうしても絡んで、部会長が今おっしゃったように1条校の問題。それから内容の問題から言いますと、学習指導要領の枠の問題がありますね。
     それから、アメリカのようなアファーマティブ・アクション、つまり高等学校が非常に問題なんですけれども、高等学校の対応はほとんどゼロなんです。高等学校へのアファーマティブ・アクションというのは今ないんです。そういうような制度上の問題を国レベルとして議論すべきだろうと。
     それから、この議論の中で言いますと、日系だけでははなくて、外国籍の問題を言いますと、どうも短期・中期・長期という区分けが極めて難しい問題なんです。
     同時に、私ども短期・中期の問題で言えば、母国語支援をどうするかという議論をどこかですべきだろうと思うんです。
     もう一点は、外国人学校に対する支援をどうしていったらいいのか。御存じのように、ピタゴラスを始めとして日系に関しては外国人学校が三十数校あるはずです。これに関して税制上の優遇措置がされていないとか、校舎への配慮が全くなされていないとか、補助金がほとんどゼロであるという問題があるんです。これは国レベルで多分議論すべきことであろうと思う。これを日系人だけの問題として議論するには、非常に政治的な問題も絡んでまいりますので、つまり外国人学校として一体どう議論するのかという難しさがある。 先ほど申し上げますように、日系人だけでの議論では多分収拾がつかない教育の問題がそこに絡んでくるんだろうと思うんです。つまり、ほかの外国人学校の問題がある。朝鮮学校、中華学校、インターナショナルスクールの問題もあります。
     そうすると、そういう広い視点から議論をしなければいけないんではないか。少なからず外国人学校に対する、ここに先生お書きになっていただいていますが、税制上の措置であるとか、補助金に関しては何らかの形での議論は必要ではないか。
     もう一つ、日本の公立学校というのは手厚いとおっしゃられましたが、50%、60%おちこぼれと言いましたけれども、もっと高くて90%以上の外国人子弟が、いわゆる低学力というレッテルを張られているわけです。
     これに関しては、私どもも文科省でJSLカリキュラムというので私が中心になって開発をしているんですが、非常に難しい問題があるんです。日本の公立学校の受け入れに関しては、中長期滞在の問題として考えたときには、やはり不就学の問題と、もう一つは、日本語指導の問題。
     例えば海外で生活する日本の子どもたちの例で言いますと、いわゆる学習についていくための言語を獲得していくためは5年以上かかるというのは、大体第二言語習得の通説なんです。そうすると、3年程度の期間で、日本の公立学校の教科学習についていくだけの、つまり日本語指導するというのは神業に近い、ほとんど不可能なんです。
     そうすると、この日本語指導の問題というのは、長期的な滞在の問題として議論をしていく必要性もあるんじゃないかと思うんです。
     短期滞在の場合には日本語指導に関してはかなり進んでいることは事実なんです。
     部会長がお書きくださったように、NGO、NPOもかなり立ち上がってきて、学校と協力をしてやっているんですけれども、まだまだ集中地域に限定されている。そういうところをどういうふうにして解決していくのかという問題も1つあるんだろうと思うんです。
     それから、今アメリカの例をお出しいただきましたけれども、基本的にアメリカは制度が整っていまして、簡単に言えばアメリカ人にするための教育をどうするか。そうすると、私たちは日本人にしていくのかどうかという問題もある。そうすると、日本人という枠をどう考えるのかという非常に広い議論にもつながっていくんですが、そのような覚悟の中で外国人の教育問題というのを少し長期的視点に立って考えていく必要性があるということです。
     繰り返しになりますが、日系だけの問題として議論してしまうと、どうしてもこの問題は解決できないのではないかというのは今感じた次第です。
     外国人学校に関しては、外国人学校に対する支援を、つまり一条校云々の議論は別に置いておいて...

  • 手塚部会長 一般にここで打ち出せばいいと。

  • 佐藤委員 と同時に、前にも申し上げたんですが、こういう子どもたちの教育のための教師、いわゆる二国間協定が難しければ、JETプログラムとか、今は英語だけなんですが、ポルトガル語等他の言語を話す人たちをお呼びすることができないのかどうかという、そんな議論も含めて支援をどうしていくのか。
     つまり、ポトルガル語ができない人たちが日本の場合にははほとんどですから、母国語支援がほとんどできないという問題もありますね。そういうような従来の枠組みの中で何ができるかという議論も一方で必要なんじゃないかという感じがします。

  • 手塚部会長 例えば日本政府は逆に海外にいる子どもたちに対しては、一応領事館に申請すれば義務教育の教科書は無償支援してくれるんです。それすらブラジル側はなかなかなさらないという問題があって、親御さんが自分で子どもに教えられるかというと、そういうものもなくて何にもできない。それでは、地域で何かできるかというところまで少し来ている。
     本当は浜松市長の北脇委員が来ていただければ少しそういう動きも出ているやに伺っていますが、それを国でぱっとここで出すかどうかというのも考えたいと思います。長期については本当に考えないといけない。

  • 谷野委員 冒頭のお話にあった政府間での領事協議、そこではブラジル政府は今の保険なり医療なり教育の問題について、日本政府にどういう要求をしてきており、他方、日本政府はブラジル政府にどういう要望を述べているんですか。

  • 鹿取部長 まず保険に関しては、日本の場合は健康保険と年金をセットで払うこととなっています。これを雇用者と被雇用者が5割ずつ分担して払っています。ブラジル人の場合、年金には関心がないので、健康保険と年金を分離することができないかという問題提起がありました。
     更に、ブラジル側より、年金の二重払いや年金の掛け捨てを回避するために二国間で社会保障協定を結びたいという指摘もありました。
     教育に関しては、日本には、ピタゴラス校などブラジル政府から認められている学校が23ある。しかし、授業料は結構高い。即ち、交通費と授業料を入れて月4、5万円の負担になります。したがって、それだけの負担を子ども1人当たりについてできるゆとりのある家庭しか、ブラジル人学校に子供を入れることはできないわけです。
     他方、ブラジル人学校の方は、それだけ授業料をもらっても経営は苦しい。先ほどお話がありましたように、日本の私立校であれば、あるいは特殊学校として認められれば税制上の優遇措置も得られるし、補助金などの支援がもらえる。せめてそういうふうな学校として認めて頂けないかという問題提起がありました。
     文科省の方もいろいろ対応しており、公立の小中学校の場合には、学校に来てくれれば教育はするし、教科書も無償で提供しています。学校にはポルトガル語、スペイン語ができるコーディネーターみたいな人も配属しています。このように文科省も努力をしておりますけれども、今のところブラジルの子供が日本の公立学校に適応するには十分ではないようです。

  • 手塚部会長 1条校以外に専門学校、各種学校というのがあるんです。各種学校でも補助しているんです。ですから、各種学校や専門学校を認めればいいんですが、だけれども認めたがらない。

  • 佐藤委員 専修学校までは1条校の規定が受けられますが、各種学校は地方自治体が認定できるわけですね。ですから、国のレベルの話と、地方のレベルの問題に分かれます。
     子どもの教育の問題は地方の方が進んでいるんです。それは当たり前ですね。つまり、目の前に生活しているわけですから、地方と国の分担というか、制度的な政策レベルの話になるのか、つまり教育問題すべてをここでカバーするというのはほとんど不可能です。それはNGO、NPOの問題というのも、多分地方の問題として、余り国が縛り付けるのはよくないと思いますし、この外国人教育の問題というのは、基本的には私は地方の権限に移譲していくべきだと思うんです。
     そうすると、私たちがここで議論すべきことは、制度であるとか、先ほど部会長が第1の問題を非常に焦点化されてよく理解できたんですが、そこに議論を焦点化していかないと、子どもの教育もすべて拡散してしまって、すべてとなると、こんな広い問題をすべて抱え込んでしまいますので、その辺をどうするかということの方がより焦点が明確になっていくのかという感じがします。

  • 手塚部会長 おっしゃられるとおりだと思いますが、国と地方の関係というのは、その場でも話題になりました。
     例えば補助教員を出しますね。その予算は国が調べてやることはできないので、地方自治体の方でこれだけの日本語のできない子どもがいて、必要だと言えばはじめて出すんですよ。そのやり方について地方自治体に委ねているから、自治体の熱意による。
     それから、不就学率なども都道府県によってはよくわかっている県と、わかっていない県とあるということで、国としての問題と地方の問題と、それ以外のNGO、NPOの問題ということは少し考えて御指摘いただいたとおりにしたいと思います。

  • 植本委員 先ほど連合しっかりせよという御指摘も幾つかいただきましたが、全体的な制度の問題で、先ほど櫻木委員の方からも、日系ブラジル人の方の実態、持っている問題は、それ以外の外国人の方も共通に持っている問題では分けて考えられないのです。問題点をクリアーにして、何が解決策かという説得材料としては、日系ブラジル人の方の事例というのは、解決すべき内容がクリアーに見えるという意味ではとらえやすいと思っています。ただ、そこでとどめることではなくて、全体の問題だということが共通認識になるようにしていただきたいということ。実は生産現場への労働者派遣事業法の関係の部分については、随分と抵抗を私たちもいたしましたが、結果としてああいう形になったわけです。そのときに危機感を持っていたことは、ここで先ほど御指摘のように守ったふりをしている事業者がたくさんあるということと同時に、例えば工場なら工場が1人請負を全部契約してしまって、労働者でなくしてしまうという、一人ずつ個人に請負契約をしてしまって、あなたは労働者ではなくて一人事業主ですよと。白色申告の世界に入りなさいというふうな形で、労働者でないという位置づけにしてしまうようなことがかなり起こってきていて、今それの実態把握を行い、具体的な解決策に取り組もうとしています。そういうふうにしないと、労働者の皆さんと言ったときに、本人は労働者と思っているんだけれどもという事態が、これは要するに日本人、外国人を問わず、そういう形で今仕組みが変えられてきているということへの危機感というのはすごく持っています。そういうことも視野に置いた対応策が是非とも必要ではないかというふうには、私たち自身の問題としても、これは国への政策要求としてきちっとやっていこうというふうに考えているわけですが、その中で一番劣悪なところに活用されるのが外国人の問題ということです。
     もう一つは、先ほど少子高齢化の中で拡大をしていくべきではないかという基調が、これは経団連の方々も含めて企業サイドとしてはあるわけですが、そこは入り口の議論、一番最初の議論のところでもありましたけれども、そこの部分は今持っている問題点がきちっと解決できるということがあるということが必要だということが1つ。
     それは2世、3世の方の問題も含めてどういうふうに保障していけるのかが議論の前提になると思いますし、そこの部分が外国人との問題で言えば、現に失業者が日本の中で多いという状況と、女性や高齢者の活躍の場が不十分な拡大しかしていないというふうなこととの関係でどう考えていくかのということがあるだろうと思います。
     もう一つは、来年6月にILO総会のところで移民労働者のテーマと言われていますけれども、具体的にはそれぞれの国で抱える外国人労働者の問題、新しい国際基準についての議論をしようということに今テーマ設定がされていますので、そのこともにらみながら一緒に議論をしていく必要があるのではないかというふうに思っています。

  • 手塚部会長 今おっしゃられた点で、よく雇用の弾力化と言っているんですが、日本人ですら労働者として雇わないで、一人親方みたいに雇い始めているということもありますので、本当に困ってしまいますね。

  • 植本委員 そういう意味で、企業自身の社会的責任であるとか、こちらにも書いていただいていますけれども、使用者、雇用主としての責任を果たすということが、企業としての社会的な評価になるよということをはっきりと示していくというか、それは逆に国民の側も企業に対する社会的評価の指標の1つに、そういうものを据えないといけないなと思います。

  • 手塚部会長 フォローアップ小委員会でも日本経団連の事務局から出ていただいたものですから、最初のときから、しばらくは日本経団連が矢面に立たされました。トヨタの本体のアセンブリーラインにはトヨタの社員しかしません。しかし、第一次の関連企業で一部上場企業ですら、日系人を雇っている。イリーガルなものも、その下請はいっぱい雇っている。そういうことをきちんとできなかったらそれは問題だと。

  • 櫻木委員 企業の社会的責任については、近時見直しがなされ、単に道義的なものにとどまらない、むしろ企業を守るためなんだというような見方がこのごろ出てきています。
     例えば食品の安全に関する偽装事件などに見られたように、企業内部に腐敗の芽があれば、それは本体が倒れるまで放置してはならないと。企業の社会的責任については、コンプライアンス管理や内部告発制度を確立したり、内部告発の通報者を保護する制度が立法化されれば、こういう違法就労みたいなこともだんだんとそのルートに乗ってくる可能性はあります。
     ところで、日本はこれからは世界に売り出すと言うか、「誇ることができるのは人権を守ることです」と言える国になるべきだと思うのです。国際条約も日本が批准しないと非難されることがあるのですが、それは国内法の整備に時間がかかっているからという場合もあり、そういう意味においては、むしろ何でも批准していても守らない国よりもはるかに守っているんだということは誇っていいと思うんです。
     人権が守られる国となるためには人権教育が必要なわけですが、1994年に国連で人権教育のための国連10年ということがうたわれ、行動計画が立てられ、それを受けて日本政府も95年に内閣総理大臣を本部長として10年計画を立てたわけです。では、その10年計画は今、具体的にどう動いているのかということを検証してみる必要があると思うんです。
     内閣府かわかりませんが、少なくとも内閣総理大臣が本部長ですから、そのような機構をつくってあるわけです。人権教育という観点から、外国人の人権につき各省庁でどのような点が問題となっていると指摘されて、それに対してどういう人権教育の行動計画を立てて、どこまで今進んでいるのかというところを出していただく作業をしなければならないと思うんです。せっかくそのような機構が立ち上げられているのですから、それとの外務省が連携していくことが必要ではないかという感じがします。

  • 手塚部会長 おっしゃるとおりで、最後の関係省庁の連携のところになってくるんですが、結局、在日外国人問題を総合的に見る組織を内閣府辺りにきちんとつくらないと、今回は外務省のこの審議会でやるというのは、職掌がたまたまそういうことだったということもあるけれども、外務省は内政官庁ではないので、しがらみというか、利害関係というのがないし、外と内との両方を見られるということでできたわけです。それでフォローアップ小委員会にも各省庁の課長さんクラスの方たちは率直に対応してくれたわけですが、こういうことがないとできないよということにはなってきていると思います。

  • 新居委員 フォローアップ小委員会の提言には、内閣府に組織をつくると書いてありますね。私は一歩進めて役所をつくるべきじゃないかと思うんです。我が国では外国人が日本の社会で適用していく手助けをするような機関がないわけです。そういう役所をつくったらどうか。内閣府に云々ではなくですね。一番大事なことは、各省庁や自治体関係の課題や情報を共有化していくことだと思います。たとえば就学問題は、治安の問題と一体である。今、各省庁でそれぞれ個別にやっていて、研究会もそれぞれ省庁単位でやっておりますね。いろんな提言などが出たりしているわけですが、役所をつくって、総合的に情報を共有化して、外国人が日本の社会にとけ込んでいけるよう手助けする必要があるのではないかと。私などはそう思います。治安も観光も教育の問題も、総合的に情報を共有しながら一体になって見ていくということが必要ではないか。そういう時期にきていると思います。

  • 手塚部会長 そうだと思いますね。

  • 鹿取部長 現在、関係省庁との協力関係はよいので、これをまず発展させて、今おっしゃったようなことも場合によっては議論していくということかもしれません。

  • 手塚部会長 今日は浜松市長さんはいらっしゃっていないんですが、要するに首長さんの姿勢でかなり決まる。私も長い経験でそう思っているんです。例えば都道府県レベルで言うとトップの意向いかんで決まります。点数を付けると、本当におっしゃられたように点数が付くんです。例えば神奈川県は80点だよ。前の知事の長洲さんは内なる国際化ということを言いましたし、岡崎さんもそういうことを続けました。全部点検しているはずです。割とルーズだったのが群馬県と埼玉県ですよ。落第ですよと。自治体のトップに講義するときにはっきり言うんですけれども、本当にその自覚いかんだと思います。

  • 佐藤委員 子どもの問題でどうしても非行の問題が少しクローズアップされがちなんですが、確かに犯罪の凶悪化があると思うんですけれども、例えばブラジルの子どもの場合には、全体で国籍を把握しているわけではないけれど、発生率から言うと、そう大きな違いはないんじゃないかと私は認識しているんです。件数は母数が多いわけですから当たり前です。
     そういう議論と同時に、非行の場合は、もう一つ、実はこれは就労の問題とリンクしてくるんじゃないかと思うんです。どういうことかというと、例えば中華街などにある学校では、不就学の子どもがいるんです。ところが、犯罪の問題はないんです。それはなぜかというと、それを受け入れるメカニズムがあるからなんです。そうすると、基本的にこの問題というのは実は雇用と連動してくるんです。
     例えば中学で来た場合に、日本の学校に行けない場合には、中学を卒業する前にドロップアウトしてやめてしまうんですが、その子どもを支援する、吸収するメカニズムがあるとそっちにはいかないんです。そういう例もあると思うんです。
     実は国レベルで是非議論していただきたいのは、教育というのは、別にイコール学校教育ではないんです。例えば浜松などでも、駅前の国際交流協会等で日本語指導をしているはずなんです。成人の日本語、学校を卒業した後の地域の日本語に対する支援みたいなもの。その辺のところと併せて議論をしていただけると、非行の問題をただ非行の問題として突出させていくのではなくて、つまり雇用の問題などと連動して議論をしていただくと非常にありがたいなと思うんです。
     外国籍の子どもはイコール非行だという非常にあしき発想が非常に強くなってしまいますので、それは是非お願いしたいと思います。

  • 手塚部会長 今おっしゃられたように、雇用の問題ともつながるし、もう一つはコミュニケーションで、第3番目のテーマについて鹿取幹事お願いします。

  • 鹿取部長 コミュニケーションも非常に広いテーマだと思います。しばらく前に、浜松市と豊田市に短い期間ですが、おじゃましました。そのとき、日本人と外国人との間で一番摩擦の原因となるのがごみの出し方、騒音、特に週末の騒音と、駐車の問題の3つであるとの説明をうかがいました。
     ごみの出し方は日本の場合は非常にきちっとしていますが、外国人は必ずしもそれを守らない。騒音に関しては、外国人は週末になると友達が集まって夜遅くまでパーティーをする、これが大きな楽しみとなっていますが近くに住んでいる日本人はうるさく思う。駐車に関しても、友達が来ると無断駐車、違法駐車をして、対立の原因になっているという説明がありました。
     これら点については市町村の努力、及びボランティアの努力でかなり改善を見ているという印象を受けました。豊田市には外国人の方が集中している住宅地がありますが、そこでも、状況はかなりよくなってきているようです。
     コミュニケーションというのは、生活環境、生まれ育った環境、価値観等も違う人達をどう融合していくかという問題としてとらえることができると思いますが、ボランティア及び自治体の努力がかなり功を奏しているという気がしました。
     しかしながら、現在においても摩擦要因は少なくなってはいるんですが、日本人と外国人との交流が多くなっている、あるいはお互いに友人ができているということでは必ずしもなくて、摩擦は起きていないけれども、ブラジル人はブラジル人としてかたまっており、日本人との交流は依然として少ないと思います。
     また、子どもの方は親が共稼ぎで教育に気を払うゆとりも時間もなく、どうしていいかわからない。そういう子どもたちに対してボランティアの方、あるいは市が午後数時間子供達とコミュニケーションを図るという努力が行われています。子供達は非常に明るくて、ボランティアの先生方になついていて、うれしそうにしていました。ただ、こういうことでカバーできる子供達はまだ相当少なく、いろいろな努力は行われていると思いますが、大人の世界であっても、子どもの世界であっても、コミュニケーションの問題についてはいろいろと検討すべき課題は多いと感じました。

  • 手塚部会長 いかがでしょうか。

  • 衣笠委員 このコミュニケーションの問題は、私の住んでいるところが、世帯数は少ない戸数なんですが、外国の人がいて、週末になると必ず友達を呼ぶんです。ちょっと感覚が違うのは、ベランダでバーベキューをしたり、そこから道路まで聞こえるような声で話をしたり、時として管理人さんに言ってもらうんですが、まずとまらないですね。 要するに、自分たちの生きてきたそのままのものを週末になるとしないと落ち着かないというか、友達同士のコミュニケーション。回数は確かに減ったかなと思うんですが、この件に関してはなかなか難しかったです。何度もお願いに行くんですが、夜遅くまで、彼らの時間帯というのは、日本人よりずれている時間帯が多いものですから、言うんですが、この件はなかなか解決がつかなかったし、ごみの件もおっしゃるとおりです。出し方が基本的に違うというか、日本人の方が勤勉かもわかりません。
     どちらが受け入れるか。慣れてしまうか。今は彼はいなくなったんで、マンションは非常に静かになった。本当に6つしかない1つのブロックなものですから、その6つの中の1つが週末になると必ず土曜日、もしくは金曜日は間違いなくです。

  • 植本委員 そこに一緒に入らせてもらうというのも一つの方法かもしれませんね。

  • 衣笠委員 本当はそうでしょうが、なかなか言葉がうまくいかない。

  • 手塚部会長 それは都市部だからですか。農村に日系人以外で中国人の研修生などがたくさん来ておられるわけですが、そういうところではどうですか。

  • 塚田委員 日系人の方は基本的に日本人の顔、あるいは類似した顔をしているけれども、違うとおっしゃったように、中国の方とか、昔だったら韓国からも研修生が見えていたとかありますけれども、行動様式はきっと違うんだろうと思うんです。
     ただ、友達を呼んできて云々ということがあまりありませんで、基本的には技術を学んで、その技術で農業をやろうという意識がありますから、3年で戻って、また来てと、要するに、目的なくただ日本で働くということではないんで、そういう点で言えばいかに地域というか、例えば農家の人とよくなって、仕事を教えてもらってというか、技術を盗んでというんですか、そういうのがあるんで、ちょっと違うなという感じがします。
     今のことと離れるんですが、外国人労働者を受け入れるか、受け入れないかというかというのは、国レベルの議論としては、結局だれも手をつけないで、やるべきだとおっしゃっている方もあるし、それは時期尚早だとおっしゃっている方もある。本格的にどこも議論をしていないんだろうと思うんです。
     ただ、日系人の方々の場合には、特別に条件を与えてというか、30万人入っておられるわけです。先ほどお話がありましたが、例えば教育の問題というのも、別に義務教育でやらなくたって、ボランティアでもやるべきだし、案外その地方自治体の首長の方が積極的であると、世の中うまくいったりするんだよというお話があったんですが、多分、日本の移民の方の子弟が戻ってこられるんだから、これは外国人労働問題じゃないと言って、ナショナル・ガバメントというか、国家はそのことに判断停止をしていて、実態として生じているのは全部地方自治体で行っている。
     あえて言いますと、私は地方自治体の首長の皆さんとか、地方自治体の方も結局ボランティアでやっている。国家は何の責任も持っていないというふうに感じるんです。
     そういうことなんで、先ほど内閣府のところに、総合的に考える組織を作ったらいいんじゃないかというお話がありましたが、好き嫌いは別にして、少なくとも30万人近い方がいらっしゃるわけだし、不法も他の国籍の方も入れればもっといらっしゃるわけだから、そういうことを逃げないで議論せざるを得ないんじゃないか。いろんな立場はありますよ。先ほどおっしゃったように女性の参画の問題とか、さまざまな課題がありますが、そういうのを本格的にどこかでやらないと、いつまで経っても地方自治体でしっかりやってもらうとか、それを国はどの程度援助できるかという話になってしまうんじゃないかと思うんです。
     その次の話は、余り悲観的に考えなくてもいいんではないかということです。例えば日系人の方々がかなり密度高く住んでおられるところで、日系人排斥運動が起きているのか。例えばドイツだったら、スキンヘッドが外国人労働者どこかへ行けと言ってかぎ十字で頑張っていますというようなことが、では、日本において密度が高いところて起きているかというと、確かにいろんな摩擦はあると思うんです。だけれども、その中でボランティアの人は一生懸命やろうとしているし、心ある自治体の方は何とかしようと思っておられるわけで、案外知らないから、日本人は抽象論で、そんなのは日本には合わないんじゃないかとか、合うかとか言っているんで、私はどちらかという定見があるわけじゃないんですけれども、一方ではそういうことを解決してあげないと、どうにもならないというか、自治体の人も大変だと思うんです。
     それから、例えば就学の話にしても、こちらが機会を与えないということもあるけれども、日系人の子弟として来ている方が、学校に行ったところで何のメリットもないと思えば行かないと思うんです。親も出さないというか。
     例えばアメリカだったら、ヒスパニックの方々に学校をちゃんと準備しますよ、アメリカ人にしますと。そうすれば、場合によっては大統領にもなれるということであれば、親だって貧乏な中でも子どもに教育をさせると思うんです。日本だって昔は貧乏だったけれども、とにかく学校さえ出ればというか、学校を出さなければというのがあったから貧乏でも学校を出したんだと思うんです。多分、今、日系人の皆さんは、そういう展望を子どもに与えられるような状態で日本で働いているかというとそうじゃないんで、そこのところは根っこのところの問題があって、ただだれか努力すればいいということではないかなと思うんですが、話が大きくなって申し訳ありません。

  • 手塚部会長 次回以降の長期の問題にも関わる問題ですが、この審議会では一歩を踏み出さなくちゃいけないということが第一点の御指摘だと思います。
     第2点で、実際には地方の多くの集住都市、この中に資料がございますが、そこでは本当に地方自治体としては首長さんは悲鳴を上げています。そのときに日系人の方の代表格の方は、それでは日本側は何だと。10年前には鐘と太鼓で来てくれと来てくれと言って呼び寄せておいて、日本に来てもらっておいて、今になってこれだけ数が多くなってはということで、そこのところはちゃんと判断しなくちゃいけないところまて来ているんじゃないかなと思いますし、塚田委員のおっしゃる点はそのとおりだと思います。

  • 塚田委員 もう一つ、今おっしゃったとおりなんですが、全体として我が国が外国人との付き合い方というか、特に労働のところでどうするかという議論がありますが、少なくとも移住された方の子弟の皆さんのこと、これを解決しないで日本人にも外国人にも納得させられないと思うんです。日本の責任として、国家として。別に違法でもなくやって来たわけでしょう。そこにさまざまな問題が生じているわけで、そのことを解決することが、ヘジテートしている日本人がいる、それはさまざまなことでみんな心配されているわけで、そうじゃないよと説得できるわけです。このことを解決しないで、上の方で抽象論だけで将来の人口はどうなるかという話を幾らしても、それは中身のある議論に私はならないなと思うんです。

  • 手塚部会長 座長としては非常に助かる御発言で、本当にそういう抽象論をする場ではないと思います、もうちょっと一歩を国にも地方にもアピールできる。あるいは個人にもアピールできるようなものにしたいと思います。大変ありがたい御発言です。

  • 谷野委員 私も行政に長くいたものだから、行政をどう動かすかということばかり考える。結局はそこがポイントですから辞めた今も政府の動きがいろんな面で遅いのにいらいらすることが多いし、辞める前は中国にいたものですから、最近の彼らのスピード感には圧倒される思いです。
     私は前回、日本は外国人庁をつくったらよいということを申し上げたんですが、そんなに急にできるとも思わないけれども、ひとつには外国人犯罪、不法入国といった後ろ向きのことに対応する。他方それとともに、新しい開国に向けてどうやって日本に刺激を与えてくれる良質の外国人をもっと受け入れてゆくかという前向きの立場。いずれ日本はどんどん人口が減ってゆく。ですからこの点について、そろそろ国民的な議論が必要だし、これを統一的に束ねる役所も必要です。
     とりあえずは××室という形で、内閣府にそういうものができることでもいいです。

  • 櫻木委員 男女共同参画社会を目指すということで、内閣府に担当局などができましたね。実際にいろんな動きが始まってきています。地方自治体も動いて、中には疑問を持たざるを得ない内容のものもないわけではないのですが、男女共同参画推進条例も制定されてきています。こういった動きというのは一つの新しい型かなとも思います。いきなり省庁をつくるというのはなかなか難しいのではないでしょうか。
     外務省の関係で言うと、例えばODAの問題をジェンダーの視点から問い直す動きもあります。そういうところにいきますと、現実的にマニフェストまでにはいかないにしろ、指標を出させて、いつまでに何をするとか、そこまで具体的にするというような動きがだんだんできているので、男女共同参画社会の実現の手法は一つの参考になるかなという感じもするんです。

  • 手塚部会長 少なくともイコール・オポチュニティーで、本当に機会は均等にして、塚田委員がおっしゃられるように、長期の問題では帰化の問題なども出てくると思いますが、2世が総理大臣になるくらいのことまで考えなくちゃいけない。
     その辺りのところは次回の話ですが、次回とか今回とかということで短期・中期・長期と分けるわけではございませんので、どうぞ。

  • 佐藤委員 コミュニケーションの問題に戻ってよろしいですか。

  • 手塚部会長 はい。

  • 佐藤委員 コミュニケーションというのは、ごみ、騒音、駐車、そういうレベルでの議論ですか。もう一つ、フォーマルなレベルでのコミュニケーションの問題というのがありますね。極端な言い方をすれば、日本語を公用語にしましょうとすることによって、逆に言えば就労の問題で一番ネックになっているのは言葉の問題ですね。それは逆を言えば、日本語を教えるということを保障せざるを得ないような状況が出てくるわけです。それがいいのかどうか、ナショナリズムという発想では決してなくて、つまり、外国人の問題を考えていくときに、そういうレベルの議論も当然必要になってまいりますね。つまり、フォーマルな場での議論。
     さっきの教育の問題で言えば学習指導要領という枠があると、日本語というのは教科の中にあるんです。時間が取れないんです。先生も取れないんです。国語はありますけれども、国語と日本語は全然違いますから。そういう議論につながっていくわけです。
     そうすると、インフォーマルな生活レベルでのコミュニケーションは勿論大事かもしれません。それと同時にフォーマルなレベルでの議論というところで一体何が必要なのか。このコミュニケーションの問題をもしかしたらする。極端な話ですけれども、もう少し違う視点からの議論が必要なのかなと。
     もう一つは、インフォーマルな生活レベルで言いますと、私なども横浜などで団地の調査をやりますと、実は日本人が一枚岩ではないんです。日本人が多様化しているんです。つまり、外国人と仲よくしたいという人もいれば、かかわりたくない。あるいは日本人ともかかわっていない人たちもいっぱいいるわけです。そのときに、何をやるのかというと、いわゆる外国籍の人のキーパーソンを見つけてくるんです。つまり、町内会や団地の自治会に加入させる、こんなのは絶対に無理な話なんです。
     そうすると、キーパーソンを見つけてきて、キーパーソンが中心になって、自分たちで何かやり始めるという動きがあるんです。それは一体何なのか。私たちがやるべきことはその場づくり、あるいはコミュニケーションの場であるとか、そういうようなものをうまくつくり上げていくシステムづくりみたいなものがそこではうまく功を奏していて、団地の中が非常に活性化して、駐車の問題とか騒音の問題が少しずつ減ってきたということがあるんです。
     例えば制度的にポルトガル語でごみの出し方というパンフレットを配ってもだれも読まない。キーパーソンを見つけること。それは何なのかというと、私たちの世界では国際交流とか国際理解教育と呼ぶわけですが、そういうようなものをどういうような形で実現していくのかということが、多分もしかしたらこういうコミュニケーションの中としては必要なのかと。
     つまり、コミュニケーションは必要だというのは建前としては当たり前の話であって、それを具体化するためにはどういう議論が必要なのか、どういう場が必要なのか、どういうシステムが必要なのかというところがちょっと議論されないといけないのかなという感じがします。

  • 手塚部会長 極端に言うと、アメリカの場合はヒスパニックの方が好むと好まざるとにかかわらず入ってきたので、スペイン語を学校用語にするかどうかという問題がありますが、受け入れる以上は日常会話の日本語ができる外国人を受け入れるとか、親御さん含めて、きちんとしなくゃいけない時期に来ているんじゃないか。
     2番目には、今のキーパーソンの話ですけれども、北欧などがよくやっているオンブズマン、いわゆる選挙権を与えるどうかは別としても、必ず地方自治体にはオンブズマンがいる。
     それから、町内会というのは日本独特の制度かもしれませんが、よそではコミュニティーがあってキリスト教がありますから、そういうようなものもうたってもいいかもしれない。

  • 佐藤委員 私どもの世界から言いますと日本人学校というのがございますね。ブラジルにも幾つかあるんですが、つまり、来るとわかれば、多少そういうところでの日本語教育の予備教育みたいなものが、もしかしたら可能なような、実現ができるかどうかも併せて考えてみたらどうかなということも思っているんです。
     つまり、中国にも幾つか日本人学校があるんですが、そんなようなところも制度的には可能ではないかなと思うんです。それに対して教員を派遣すればよいわけですから、制度的にもそのような議論ももしかしたら必要かなと思うわけです。

  • 手塚部会長 日本はそういう点は遅れているような気がします。外務省自身もそうですから、ある方が大使になっていらしても、スペイン語の教育をちょっとしか受けられないとか、勿論、スペイン語の系統の方だったら、それはそれでいいんしょうけれども、日本の企業の方たちも大変御苦労されていて、それでは英語を世界共通語にしてしまえばいいのかという話もあるかもしれませんが、日本に来た方については日本語を勉強しなくちゃいけなくて、結局、浜松などでは、中には涙ぐましい努力をしている親御さんたちの世代が、日本語を勉強したいというので、結局、公文が非常にコミュニティーになっているという現状がございまして、それでは公文を国が応援しろというのもおかしな話になるんですが、公文はブラジルでも展開していて、かなり有力なようです。
     そういうのがたくさん出てくれば、英語スクールはたくさんできているじゃないですか。だから、日本語についてもどんどんできていけばいいなと思うんです。

  • 山本領外長 これまでの議論について、2点補足的説明をしたいと思います。次の外国人部会、来年になると思いますが、そこで長期的な滞在の問題について議論する予定なんです。その中に言語教育、コミュニケーション、カルチャーギャップ、コミュニティーの意思決定過程の参加という項目が入っていまして、先程から議論されている問題は、多分そこでもう一度深く議論できると考えます。
     もう一つ、先ほど内閣府のお話が出ましたので御参考までに、今やっていることを説明しますと、内閣に以前内政審議室というところがありまして、今は内政審議室長のかわりに官房副長官補がおられるんですけれども、そこの系統のところに参事官が一人おられて、この問題の担当参事官ということになっております。年に2回なんですが、関係省庁の課長が集まりまして、外国人労働者の問題について話し合うということになっております。
     その会議は、各省庁がどういうことをしているかということについて情報共有する場になっています。

  • 櫻木委員 外国人労働者というまだその範疇なんでしょうね。

  • 寺嶋委員 ちょうど今御説明があったことに関連して伺いたいんですが、厚い参考資料の13ページに、平成11年の「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」という長い名の閣議決定の一部が載せてありますが、これはどういうプロセスで審議されて閣議にかけられたのでしょうか。多分、当時の経済審議会で審議されたんだろうと思いますけれども、そこでどんな議論が行われたのか。ここに採録されたのは11年の閣議決定が、閣議レベルで外国人労働者受け入れ問題に触れた最新のものだからだろうと思うんですが。

  • 山本領外長 これは実はインターネットでいろんな資料を探してヒットしたものを取ってきたものですから、議論の過程については不明です。ただ、ここの下線を引いている部分は、90年代から何回か出てきている基本的な政府の方針をそのまま踏襲していて、全く一歩も出ていない。要するに単純労働者の受け入れについては十分慎重に対応するという部分を強調したいがために今回入れた資料であります。

  • 寺嶋委員 このときから4年たっているわけですが、恐らく今やっても多分同じようなことしか出てこないであろうと思うんです。今のような雇用情勢から言いますと、どっちにも動きようがなくて、多分こんなことになるでしょう。ただ、先ほど来議論になっている合法的に入ってきている外国人を、日本国内でどういうふうに扱ってあげるかというお話は、何もそう高いレベルでの議論でなくても、各省庁が一緒になってやればある程度進むだろうし、それを進めるためには、先ほどのお話のように、内閣にしかるべき組織があるということは大変望ましいことだと思うんです。しかし、その合法的な受け入れの枠をもっと広げるという話になりますと、今の情勢でなかなかここから踏み出すということは難しいんだろうなと想像するんですが、いずれにせよそこは非常に高いレベルで広範な人を集めて議論していただかないと、先には進めないだろうと思います。

  • 鹿取部長 9ページの資料をごらんいただくと、政府の基本方針等ということが書いてありますが、(1)には今と同じような表現が入っております。(2)のところで「AIT分野等専門的」と書いてあります。したがって、IT分野等についての技術を持っている人を積極的に入れているということを言いつつ、単純労働は引き続き入れないということで、背景としてはIT分野等が念頭にあったんではないかと思います。

  • 手塚部会長 こういうことは言ってもいいと思うんですが、今の日本のような合法的に外国人が来て、きちんとした枠組みで受け入れのシステムがないような、各論的な解決できることも解決しないでやっていないようなところへ、優秀な方がいらっしゃるか。優秀な人はアメリカのシリコンバレーなどへ行く。
     それから、ドイツのシュレーダー首相がITの労働者を2万人入れろと言ったら、少しは入ってきたんですが、優秀な人はアメリカへ行ってしまう。日本にはましてや来ない。例えば中国から来るかと言ったら来ない。そういう状況で、そういうことはぴしっと書いた方がいい。それだったら政府はちゃんと志を高く、こういうことをして、機会均等も与える。来た以上はきちんと日本語を教えて、日本社会の中にインテグレートする。インテグレーションするということを今までは割と日本側は言わなかったんですが、そこのところを曖昧にしているのですから、私見ですけれども、共生とか国際化という言葉がはやっているんです。あれは結論であって、絶対にそこのところは大事で、ここの委員の皆様方はほんとうにその点はおわりかりいただいている方なんで、私からあえて説明する必要もない感じです。
     次回は詳しい議題とか資料をお送り申し上げたいと思いますが、なお、御意見ございましたらどうぞ。

  • 櫻木委員 先ほどのコミュニケーションに戻るんですけれども、ごみの出し方とか、そういう問題かという話が出ましたけれども、コミュニケーションの問題もまた人権という観点に一度は立ち返るべきだと思うんです。人権ということを一つの見るべき指標にしなければいけないと思うんです。
     コミュニケーションは、自己実現に不可欠の手段であり要素ですから、この問題は自己実現の権利が関わる問題だと思うんです。日本に入ってきた人が自己実現するために、相当の情報を得なければならないわけです。十分な情報をもとにそれで自己決定し、ようやく自己実現ができるわけです。コミュニケーションは情報を入手する手段でもありますが、他方、自己実現の過程は他者がいてこそ可能となるわけで、コミュニケーションというのは人にとっての自己実現に不可欠な要素なわけです。そういう意味がまず基本にあるんだというとらえ方をして各論に入っていくというのか大事ではないかと思うんです。

  • 手塚部会長 櫻木委員は弁護士さんですから、弁護士の倫理規定の頭に人権を守るというのがある。

  • 櫻木委員 むしろどうやって日本が国際社会から信頼されるようになるかという問題だと考えます。やはり日本は人権を守る国だということで行くべきだと思うんです。その意味において、外国籍の子どもの教育も、子どもは教育を受ける権利があるんだ、子供の権利条約も批准しているんだというわけで、人権としてとらえなければならないと思うんです。

  • 手塚部会長 おっしゃるとおりだと思いますが、ただ、最後は個人にまで返ってくる問題だと思います。本当に人権教育の問題もあるでしょう。

  • 佐藤委員 統合と部会長はおっしゃっておられましたが、そういう意味ですね。イギリス型の統合ではなくて、多分ドイツのをイメージされていらっしゃると思うんです。今おっしゃった人権というものをベースにして、どう統合していくのかという議論であれば賛成です。

  • 手塚部会長 結局、いつまでたっても外国人はお客さんでは困るわけでして、今日は朴委員がいらっしゃらないわけですが、恐らく彼女がいらっしゃったら一言あったと思いますが、いつまでたってもお客様で置かれていいのか。その場合に、ごみの出し方でもそうですけれども、割と日本人の若い人は見て見ないふりをするわけで、最初中国人の方などが集まり始めたのは、池袋のあの地区の古いアパートなどにたくさん住まれて、そういうときに日本で戦争中に向こうに行ったようなおじいさんやおばあさんたちは、日本語で声をかけて、ごみはこうやって出してと言って、自分で身をもって呈して教えたということを何回も話をお聞きましたけれども、やはり日本人の側に、さっきおっしゃられたように、幾らごみの出し方というパンフレットをつくって出してもだめで、そういう姿勢が必要だろうということも何とかうまく私どもの文書の中にアピールしてまいりたいと思います。

  • 谷野委員 私も年を取って、今の日本の状況を心配しています。経済がよくないということが底流にあるんでしょうが、みんないらいらしていて、そのいらいら感が粗的な言評をもって一部外国に向けられ、在日の外国人に向けられる。そういう猛々しい本を書けば売れる。日本人はそういうことを言って、或いは読んでそこから元気をもらっている。非常に不健全です。こういうのは本当に怖い。志のある、良識をもって外国と交流しようというそちらの方が圧倒的に多いんだと思うんですが、そういう交流の芽をつんでいる。
     もう一つは、さっき話のあった教育のレベルの問題で、円周率を3と教えるようなところには自分たちの期待する教育のレベルは待ってなさそうだということを清華大学、あるいは北京大学の優秀な理工系の学生たちは言い出しているわけです。だから、留学先はやはりアメリカか、ヨーロッパかと。
     今や中国の若い人たちはいつまでも「歴史」に拘泥はしていない。だけれども、「歴史」とか戦争とかいうことではなくて、そしてこれから中国の側において、中日関係を背負ってもらわなければいけない志の高い優秀な若者たちが、そういった別の理由で日本離れをしているとすれば、これはゆゆしいことです。日本は早く輝きを取り戻し、自信を取り戻す。このことが必要です。
     最近は工場もやたら事故が多いでしょう。生産管理もなっていないんですよ。工場の規律も非常におかしくなってきているような気がします。

  • 手塚部会長 どうもありがとうございました。残りの時間が少なくなりまして、まだ御意見はたくさんあると思いますが、皆様方の御意見でより問題点もはっきりしたと思います。今後の進め方、日程について、御案内をさせていただきたいと思います。
     第5回の総会は、委員の先生方、皆様の御都合を考え合わせまして、11月19日の水曜日の午後3時から午後5時、三田の共用会議所で開催するという予定でございます。詳細は事務局の方から連絡申し上げます。
     それから、第3回以降の外国人問題部会につきましては、日程等々につきましては、未定ですが、今後の第5回総会の議論を踏まえながら、別途事務局の方で御調整いただいて、次の部会を開催したいと思います。
     大体時間がまいりましたので、海外交流審議会第2回外国人問題部会をこれにて閉会させていただきます。
     お忙しいところありがとうございました。


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